2017年4月20日更新
金山寺味噌とはどんな味噌?その食べ方をご紹介!
金山寺味噌って一体どんな味噌なの?なんだか奥ゆかしい名前の味噌だけれど、普通の味噌とどこが違うのでしょうか。ここでは金山寺味噌についてお話しします。この味噌の由来そして特徴、栄養成分などを紹介します。
金山寺味噌とは
金山寺味噌とは和歌山県や千葉県、静岡県で生産されている味噌で、普通の味噌のように味噌汁など水に溶いて使う調味料としてではなく、おかずや酒のおつまみとしてそのまま食べられるなめ味噌のひとつです。和歌山県の特産品として和歌山県推薦優良土産品に指定されています。そのほか千葉県では特産品、推奨土産品とされています。
金山寺味噌、その由来
その名のイメージから古い歴史のありそうな味噌ですが、そのとおり、この味噌の由来はかなり昔にさかのぼります。鎌倉時代の僧である心地覚心が1254年に修行していた中国の径山鎮の径山にある仏教禅寺・径山寺から帰朝し、紀州由良(現在の和歌山県日高郡由良町)の鷲峰山興国寺を開山しました。その時その近傍の湯浅(現在の和歌山県有田郡湯浅町)に伝えた径山寺味噌が由来となり今の金山寺味噌となったというのがよく言われる説ですが、一方では空海(弘法大師)が中国の唐の金山寺から持ち帰ったことが金山寺味噌の由来だと言われる説もあります。
金山寺味噌の特徴
味噌汁など食材の調味料として使うのではなく、おかずや酒のつまみとしてそのまま食べる味噌です。材料に大豆や米、麦のほかに野菜などを使って作られているのが特徴です。調味料としての味噌ではなく、副食として用いられる「なめ味噌」のひとつです。
金山寺味噌の作り方
原料は大豆・米・麦の穀物に野菜類が使われています。炒った大豆を引き割りこれに麦に麹菌を植え付けて作った麦麹と塩をあわせ、塩もみしたウリやナスや生姜などの野菜を刻んで混ぜ合わせて仕込みます。さらにウイキョウや山椒、シソなどを加え、短いものでは1週間、長いもので3か月ほど密封して熟成させます。
金山寺味噌の栄養成分とカロリー
金山寺味噌は色々な材料を発酵・熟成させているので、豊富な栄養素を含んでいます。
金山寺味噌の栄養成分
主な栄養成分はたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン類とミネラルです。塩分は約7%で一般的な味噌より少々少なめです。作る際に野菜など水分を含む材料を使用しているため塩分濃度が低くなっています。味噌汁などに使う味噌のように水に溶かすことのないなめ味噌なので、そのままの塩分を摂取することになりますが、それでも一般の味噌より塩分は低めです。
金山寺味噌のカロリー
100g中のカロリーは256kcalになります。米や麦を主に使って作られているので、ほかに味噌に比べて炭水化物の含有量が多い味噌です。そのため糖質が高くなりカロリーがほかの味噌より少し多くなります。
金山寺味噌の食べ方
金山寺味噌はおかずに用いるなめ味噌です。キュウリなどにつけて酒のつまみに使ったり、塩代わりにおにぎりに塗り味噌焼きおにぎりにするのは、ポピュラーな食べ方です。なかなか馴染のない金山寺味噌ですが、いくつかおすすめの料理をご紹介します。
おすすめのお料理
金山寺味噌は材料に野菜などが加わって作られている味噌などでそのままご飯におかずにいただいても大変おいしいですがアレンジするとさらにお料理に美味しさを加えることができます。
<金山寺味噌タルタルソース>
マヨネーズに金山寺味噌を加えてタルタルソースを作ります。金山寺味噌の味のじみた野菜の歯ごたえとコクが加わり、普通のタルタルソースにうまさをだす一品です。
<豚肉の金山寺味噌漬け>
豚肉と金山寺味噌は相性がとてもいいです。豚のロース肉を金山寺味噌に付け込んで焼くだけで美味しい一品になります。お肉の柔らかさと味噌のコクがお肉に染みて美味しさを増してくれます。焼くときは、お肉が焦げないように注意しましょう。
<焼きそば>
金山寺味噌で味付けした焼きそば。野菜(キャベツ・人参・玉ねぎなど)と豚のコマ切れを炒めて焼きそばを作ります。その時の味付けに金山寺味噌を使います。金山寺味噌の旨みが野菜や豚肉によく合います。金山寺味噌の味噌味風焼きそばも美味しいです。
<冷奴>
金山寺味噌でキュウリを食べるモロキュウはお馴染みですが、冷奴を醤油ではなく金山寺味噌でいただく食べ方。刻んだねぎにおろした生姜を豆腐にのせて金山寺味噌でいただく冷奴は、味噌の野菜類のコクと旨みで淡白な豆腐の味を引き立ててくれます。
金山寺味噌の賞味期限は
金山寺味噌の賞味期限は約3か月といわれています。しかしもともと保存食なので賞味期限が切れたからといって腐敗したりはしません。ただ色が濃くなってしまう、堅くなってしまう、風味が落ちたり味が変わってしまうことがあります。保存方法は蓋をきちんと閉めて冷蔵庫の中で保存してください。
金山寺味噌をおいしく活用しよう
古くからの由来をもつ金山寺味噌は、味噌といっても調味料としてではなく、そのままおかずやつまみとして食べるなめ味噌の一つでした。和歌山県や千葉県ではお土産の推奨にもされているようです。産地にお出かけの際は金時山味噌もうれしいお土産になると思います。そのままおかずに食べられる金山寺味噌!おいしく活用してみましょう。