2017年8月3日更新

緑茶と紅茶の違いとは?烏龍茶(ウーロン茶)も同じ葉からできているの?

緑茶と紅茶の違い

日本の文化の中で生まれた緑茶と外国の文化の中で生まれた紅茶。どちらも美味しいお茶ですね。今回は緑茶と紅茶の成分などにどんな違いがあるのか調べました。緑茶や紅茶に並んで日頃よく飲む烏龍茶とはどんなお茶なのかも見てみました。

  1. 目次
  2. 緑茶と紅茶の違い
  3. 緑茶と紅茶の成分の違いは
  4. 烏龍茶(ウーロン茶)も同じ茶葉からできているの?
  5. 緑茶も紅茶も烏龍茶も同じチャノキから作られているお茶です

緑茶と紅茶の違い

チャノキ

緑茶と紅茶。実はこの二つ、おなじ茶葉からできているのです。ツバキ科の学名「カメリアシネンシス」というチャノキになる葉から作られています。緑茶と紅茶の違いは、この生葉を乾燥させ製造工程の発酵の段階で、その度合の違いによって緑茶そして紅茶が生まれるのです。そしてそれぞれのお茶は淹れ方の違いや美味しさに違いがあるのです。

不発酵茶の緑茶

緑茶の製造は生葉を蒸す→揉んで→乾かすという工程で作られます。摘みたての葉を発酵させずに加工した不発酵茶が緑茶です。茶葉の発酵は火を通すことで止まるので、緑茶は製造過程の最初の段階で蒸す、すなわち火にかけられます。発酵していないので色はきれいなグリーンをしています。

発酵茶の紅茶

紅茶の製造は生葉をしおれさせて葉の水分を減らし酸素が活性化するようにする→発酵を促すためにもむ→ほぐす→発酵させる→乾かすという工程で作られます。紅茶は茶葉を十分に発酵させた発酵茶です。お茶の中では「完全発酵茶」とも呼ばれています。

その他の違い

緑茶も紅茶も同じチャノキの葉を使って作られますが、種類が同じチャノキでもその木が育つ土壌の違いや気候の違いで茶葉に含まれる成分に違いがでます。また緑茶は若いチャノキのみで茶葉を育て老木は植え替えられますが、紅茶のチャノキは老木の茶葉も重宝されます。

緑茶と紅茶の成分の違いは

チャノキの育った土壌や気候の違いでチャノキの茶葉に含まれる成分に違いがあり、製造工程の違いから緑茶と紅茶の成分には少し違いがあります。

緑茶の成分

緑茶の茶葉に含まれている成分は渋味成分のカテキン、苦み成分のカフェイン、旨み成分のテアニン、ビタミン(C、B1、E、β-カロテン、葉酸)、フッ素、サポニン、α-アミノ酪酸などです。これら茶葉に含まれている成分は、生葉を摘む時期の違いによりカテキンをたくさん含んでいる時期の茶葉であったり、若い葉にはカフェインの含有量が多いというような違いがあります

実際に淹れられた緑茶の成分には、淹れる時のお湯の温度や水出しのものでは緑茶の中に溶け出す成分に違いがでてきます。たとえば茶葉自体にはカテキンを含んでいるのにお湯の温度が低いと淹れた緑茶の中にはあまりカテキンは溶けだしませんし、カフェインも激減してしまいます。

また粉末の緑茶は茶葉をまるまる飲むことができるので、水やお湯で淹れたお茶の中には溶けださない不水溶性の成分を一緒に摂取できるのでるなど、緑茶の入れ方で体に取り入れることができる緑茶の成分に違いがあります。

紅茶の成分

紅茶の茶葉に含まれている成分は渋味成分のカテキン、紅茶の鮮紅色を出すテアフラビンやテアルビジン、苦味成分のカフェイン、フッ素、ビタミン(B、E、カロテン、ヨウ素)、アミノ酸、ミネラル(カリウム、リン酸、マンガン、銅、亜鉛、ニッケルなど)です。紅茶は茶葉に湯を加えて飲むので、茶葉に含まれている成分でも不水溶性の成分、たとえばビタミンEやカロテンなどは、残念ながら実際に淹れた紅茶には含まれていません。

カフェインの含有量の違いを比較してみよう

チャノキから採った茶葉で作ったお茶には大なり小なりカフェインが含まれています。緑茶にも紅茶にも含まれているのです。緑茶は淹れ方で実際に飲む時のお茶の中に含まれるカフェインの量に違いがあります。今回は紅茶と比較するために一般的に緑茶と言われる煎茶を例にとって紅茶と同じようにお湯で入れた時の紅茶とのカフェインの量を比較してみましょう。

緑茶の茶葉に含まれるカフェインの量を数字でみると、緑茶(煎茶)1杯150mlとすると約30mg、紅茶1杯150mlとして約30mgであり、緑茶も紅茶も含有されるカフェインの量はほぼ同じなのです。ちなみに緑茶は水出しで淹れるとカフェインの量は激減してしまい、水出しの緑茶にはほとんどカフェインは含まれていません。

また緑茶の中でも高級茶と言われる玉露には1杯150mlあたり150mgのカフェインが含まれています。玉露は茶葉を栽培する時に旨み成分を高めるように工夫して茶葉を栽培しているので煎茶よりもカフェインを多く含んでいます。緑茶はチャノキの栽培方法で茶葉に含まれるカフェインの量に違いがあり、また淹れ方によっても茶葉から溶け出すカフェインの量が違います。

烏龍茶(ウーロン茶)も同じ茶葉からできているの?

中華料理によく提供される烏龍茶。この烏龍茶も実は緑茶や紅茶と同じチャノキからできているのです。緑茶と紅茶同様、ツバキ科のカメリアシネンシスというチャノキの葉を使って作られます。違いはやはり製造工程にありました。

烏龍茶は摘んだ生葉をしおらせ水分を減らし、そのあと発酵が進むようによくこすり合わせます。頃合いの発酵状態になったら、釜で炒り酸化酵素の活性を止めます。紅茶のように完全に発酵させるのではなく、発酵の途中で火を入れて発酵を止めて作ったのが烏龍茶です。だから半発酵茶とも呼ばれます。半発酵茶の烏龍茶は淡い琥珀色をしているのが特徴です。

烏龍茶もチャノキから作られるお茶なのでもちろんカフェインを含んでいますが、その含有量は緑茶や紅茶とほぼ同じ量です。

緑茶も紅茶も烏龍茶も同じチャノキから作られているお茶です

緑茶も紅茶も烏龍茶ももとは同じチャノキから作られているお茶でした。製造工程の違いでこんなに味わいの違うお茶ができるなんてちょっとびっくりしてしまいます。同じチャノキでも栽培される環境が違うと茶葉の成分も違い、それぞれ特徴を持ったお茶に成長していくのは、お茶作りをしている方の醍醐味だと思います。こうしてそれぞれ作られた緑茶、紅茶そして烏龍茶、ぜひ美味しく淹れて楽しんでください。