2017年12月20日更新

アーティチョークとは?効能や食べ方

アーティチョーク

アーティチョークという野菜についてご存知ですか?日本ではあまり有名な野菜とは言えないかもしれませんが、体にも良く、欧米では親しまれている野菜の一つです。特徴的な見た目ではありますが、料理に入れると意外に美味しいようですよ。

  1. 目次
  2. アーティチョークって何?
  3. どんな効能や効果があるの?
  4. アーティチョークの摂り方とは?
  5. アーティチョークは色んな料理にも合う!

アーティチョークって何?

アーティチョークとは、ヨーロッパやアメリカなどではポピュラーな野菜なのですが、私たち日本人には馴染みの少ないものと捉えられがちかもしれません。

アーティチョークとは

アーティチョークとは、高さはおよそ2mに対して、葉が50〜80cm近くもあるキク科の多年生植物です。地中海原産で、欧米では野菜として昔からつぼみの部分が食べられています。別名でチョウセンアザミとも呼ばれていますが、日本に入ってきたのは朝鮮経由ではなく、欧州経由とされています。

ちなみに、日本では栽培条件が合わないためか、アーティチョークは食用としては大阪、茨城などの一部の地域でわずかに栽培されていますが、主に観賞用で栽培されていることが多いようです。

特徴

アーティチョークは、植物全体に対して可食部分が少ないことが特徴の一つと言えるでしょう。食感も特徴的で、食べると芋やカリフラワーの軸、ユリ根に近い感じの味がします。また、アーティチョークの葉には、私たちの味覚を阻害するシナリンという物質が含まれているため、それを食べた後には何でも味が甘く感じられてしまうことがあります。

味は?

アーティチョークは食用花として栄養評価もされ、日本食品標準成分表2015年版(七訂)の野菜類のなかで成分が表示されています。アザミによく似た紫色のきれいな花を咲かせますが、食べるのは花が咲く前の蕾を食べます。日本の一般家庭ではあまり食卓に上がりませんが、イタリアやフランス、アメリカなどでは野菜としてポピュラー食材です。

気になるアーティチョークの味はそら豆に似たような味で、独特の苦みと甘みがあります。でも一度食べると癖になる味わいだそうです。先端の額の硬い部分を茎の部分を3~4cm残して切り落とし塩やレモン汁を加えたたっぷりな熱湯で30~40分、竹串がすっととおるくらいまで茹で、温かいうちに額を一枚ずつはがし、身肉部分を歯でしごくように食べます。

その食感も特徴で紹介したように、日本のお正月料理には定番のゆり根のような柔らかくちょっとねっとりとした感じや、豆類や芋類のようなホクホクした食感だと言われます。

Youtubeにアーティチョークの調理法があったので載せておきます。

使い方

アーティチョークは食用の他、ハーブティー、バスハーブ、美容などの目的で使用されることがあるようです。食用の場合には、可食部分を取り出したり、アクが強いために十分な下ごしらえが必要になったりするため、美味しくいただくには少し手間と時間が必要になります。

食べ頃の旬の時期は?

国内生産もされていますが、その量は極わずかで、現在市場に流通しているアーティチョークは輸入ものが多くの量を占めています。国内では大阪、茨木、神奈川県、群馬県でわずかながらですが生産されています。国内ものは4月頃~7月頃まで市場に出回り、食べ頃の旬の時期は5月~6月頃です。

価格は?

近年は日本でもフレンチやイタリアンのレストランのメニューの中によく見かけるようになりましたが、一般家庭にはまだまだ縁遠い食材のようで、スーパーなどで私たちが購入する価格は1個(200~500g程度)およそ1200~1500円程度で売られています。野菜としては高価な価格です。

ちなみにアーティチョークの水煮缶やオイル漬けを調理に利用する家庭もあり、水煮缶は固形量100g程度で500円程度、またオイル漬けは500g程度で1500円くらいです。オリーブオイルにつけたものは300gほどで3000円くらいするものもあります。

どんな効能や効果があるの?

主に飲食用に利用されていることからも、アーティチョークには何かと栄養がありそうですよね。一体、どのような栄養があるのでしょうか。

アーティチョークの栄養価

アーティチョークには、カリウムが豊富に含まれています。カリウムは体内の塩分を調整する働きをするため、高血圧の人やむくみが気になる人には良い栄養です。また、筋肉の疲れを和らげる働きもあるので、仕事やスポーツで体を動かして疲れたと感じる時に摂ると良いでしょう。

また、食物繊維が多く含まれており、野菜の中でも多いと言われるゴボウの約1.5倍の量が摂取できるとされています。さらに、腸の働きに良いマグネシウムも含まれています。

効能や効果

アーティチョークには、脂肪分解や便を軟らかくする働きをする成分が含まれるため、ダイエットしたい方や便秘を改善したいという方には効果的な食材でしょう。また、アルコール分解を助ける効果もあるので、二日酔いにも良いとされています。

さらに、最近は葉に含まれるシナロピクリンという成分に、肌のくすみやシミ、色素沈着を薄くしたり、毛穴の目立ちを改善したりする効果があるのではないかとコスメへの利用が期待されています。アーティチョークの葉とオイルなどを合わせて、自家製の美容液を作ることもできるようです。

アーティチョークの摂り方とは

アーティチョークはお茶にして飲んだり、料理に入れたりして摂ることができます。特に食べ方については、サラダなどの前菜から、パスタやグラタンなどのメインになるようなものまで、様々な料理に応用できるようなので、気になる方は是非取り入れてみてはいかがでしょうか。

ハーブティーとして

アーティチョークのドライタイプをティースプーン一杯に対して、熱湯150mlを5〜10分蒸らします。この状態で長い間放置していると、苦味が出てしまうので、あまり苦いのが得意でない場合は少し短めの時間にしましょう。ベトナムでは二日酔いの薬として飲まれているようなので、酔い覚ましに飲んでみるのも良いかもしれません。

アーティチョークのパスタ

ニンニクとオリーブオイル、鷹の爪などと一緒に炒めてパスタに入れるのもお勧めです。

アーティチョークのフライ

アーティチョークは、生のものであると入手が難しいこともありますが、水煮の缶詰やパックの状態では販売されていることもあります。それを使って、160〜180℃の油で衣をつけてじっくり揚げるフライも美味しいですよ。

アーティチョークのディップ

アーティチョークを使って、ニンニクなどの香味のある野菜とマヨネーズ、チーズを一緒にフードプロセッサーにかけてディップを作ることもできます。ディップがあると肉料理や魚料理、スティック状に切った野菜と一緒に合わせるなど、色々な料理に使えるので便利ですよね。

アーティチョークのグラタン

アーティチョークは、茹でてサラダにしたり、炒めたり揚げたりしても美味しいですが、グラタンにしても美味しいです。食感が芋に近いほっくりした感じがあるので、ホワイトソースと合うようです。

茹でて下ごしらえをしたアーティチョークと、マカロニ、鶏肉とホワイトソースを合わせたものに、チーズを乗せて200℃のオーブンで約10分でできます。チーズをのせる時に、お好みでハーブを入れてもいいかもしれません。

アーティチョークの天ぷら

アーティチョークの天ぷらはタケノコのてんぷらのようにほっこりした食感にタラの芽の天ぷらのような苦みが少しある味わいだと表現されます。味はふきのとうの天ぷらの味に近いかもしれません。下処理したアーティチョークに衣(薄力粉と片栗粉1対1の割合)をくぐらせて180度の中温で約1分揚げるのが目安です。温度が180℃に上がった油の目安は衣を油に落として少し沈むけれどすぐに浮いてくるくらいがちょうど180℃くらいです。もちろん温度計で測定すれば正確に温度が測れますね。

<アーティチョークの下処理>
アーティチョークの緑の額を剥きます。剥く前にアーティチョークはすぐに酸化して色が黒くなりやすいのでレモン汁あるいはお酢を入れたお水を用意します(剥いたらつけるかくくらせ酸化を止めましょう)。クリーム色の部分が出てくるまで額を剥き、下についている額もカットします。上の紫色のところは柔らかければ食べられますが、硬かったらカットしてしまいましょう。半分にカットし、中の綿の部分をスプーンなどを使ってくり抜き用意してあった水に浸けます。水気をよく切って衣をつけてあげてください。

アーティチョークは色んな料理にも合う!

苦味のあるアーティチョークですが、しっかり茹でてレモン水や酢水につけてアクを十分に取れば、色々な料理に応用できます。下ごしらえがちょっと面倒だという場合には、水煮缶やオイル漬けにしたもの、さらにディップも市販されているので、そちらを使ってみると良いでしょう。