2017年5月9日更新

知ってた?ブラウンソースとデミグラスソースの違いとは?

日本では戦後早くに定着したケチャップやウスターソースはよく知られていますが、和食に出汁があるように洋食にもさまざまなソースがあります。
ブラウンソースもまだよく知られていないソースもその1つではないでしょうか。そこで今回デミグラスソースに似たブラウンソースについて紹介します。

  1. 目次
  2. ブラウンソースとは
  3. デミグラスソースとは
  4. ブラウンソースとデミグラスソースはそんなに違わない
  5. 上手に使い分けよう!

ブラウンソースとは

光沢を帯びたカラメル色をしていることからブラウンソースと呼ばれるこのソース。
日本でいう中濃ソースやお好みソースのように、イギリスでは何にでも合う定番ソースとされています。

ブラウンソースの由来と原材料

ブラウンソースといえば、最大手はイギリスバーミンガムにあるHP社のブラウンソースであり、当時ノッティンガムにいた雑貨店の店長ガートン(F. G. Garton)により研究開発されたと言われています。
彼は1903年のブラウンソース発売当初、イギリス国会議事堂(Houses of Parliament)内のレストランでこのソースを出したところ一躍人気となり、頭文字のHPをソースの宣伝文句に使ったとされています。
当時より秘密にされていたブラウンソースのレシピですが、その後2005年にアメリカの食品会社ハインツ(Heinz)が653億円で買い、現在ではハインツもブラウンソースで有名なメーカーになっています。

ブラウンソースの原材料は、商品に記載されている作り方によると、小麦粉とバターを炒めて作ったルーにブイヨン(野菜と肉の出汁)、調味料、スパイスを加え、煮つめて濾したものとあり、ブイヨンには牛、鶏、玉ねぎ、にんじん、セロリ、トマト、デーツを含み、麦酢や砂糖、タマリンドで調味されています。
トマトと麦酢の酸味の甘酸っぱさに加え、とろみがあり、日本のとんかつソースよりも甘さ控えめで、ウスターソースよりもスパイスの効いた味です。ウスターソースに慣れ親しんできた日本人に喜ばれる味ですね。

家庭での作り方

ブラウンソースはブイヨンで一度伸ばすことがポイントですので、ここさえクリアすれば本格的な味を家で作ることも可能です。
小麦粉とバターを炒めてルーを作ったら、玉ねぎ、水、コンソメキューブ、ケチャップ、ウスターソースを加えて煮つめ、塩コショウで味を調えます。ブイヨンはコンソメで代用し、ケチャップでトマトの風味を出して、スパイスはウスターソースから利用する。
これら3つの材料を使うことが、時間と手間を省略しつつ、本格的な味わいを残すためのポイントです。

デミグラスソースとは

続いてよく耳にするデミグラスソースですが、これはどのように作られているのでしょうか。

デミグラスソースの材料

デミグラスソースは前述のブラウンソースにフォンドボーを加え、マデラ酒で風味付けした肉料理用のソースです。
まず、デミグラス(Demi-glace)とは煮つめるという意味であり、フォンドボーとは牛の骨を煮こんで作るスープのことをいいます。ちなみにフォンドボーはほぼ全ての西洋料理のソースの基礎となっており、他のソースを作る際にも多用されているんですよ。
そして、マデラ酒はポルトガルのマデラ島でとれたワインであり、そのアルコール度数の高さから料理にも使用されます。

家庭での作り方

デミグラスのポイントはフォンドボーです。本格的にするなら、牛の骨つき肉から作りましょう。
骨の部分をオーブンでじっくり1時間焼いたものを72時間かけて弱火でコトコト煮込むと骨髄独特の香りやコラーゲンがスープに溶け出します。フォンドボーは時間がかかりますが、これでデミグラスソースを作れば、他のソースにはない濃厚な牛肉の香りが楽しめます。
そして、もっと手軽に作りたい人には、牛すじと圧力鍋を使った方法がオススメ。
牛すじ、玉ねぎ、にんじん、セロリを圧力鍋に入れオリーブオイルで軽く炒めたら、そこへトマトピューレ、赤ワイン、ウスターソース、コンソメキューブ、ケチャップ、砂糖、ローリエを入れて蓋をし加熱します。牛すじは煮ることで牛肉のうまみが溶け出しますし、ブラウンソースの時と同様にブイヨンもコンソメとウスターソース、ケチャップで代用します。
圧力鍋の加熱時間中に小麦粉とバターを炒め、ルーを作っておきます。圧力鍋の中身が濾してからルーを混ぜて煮つめて塩コショウで味を整えれば完成です。
フォンドボーとブイヨン作りの工程をすべて圧力鍋で行なっているため、かなりの時短になりますよ。

ブラウンソースとデミグラスソースはそんなに違わない

ブラウンソースはブイヨン(野菜と牛や鶏の出汁)を使い、デミグラスソースはフォンドボー(牛の骨を煮こんで作るスープ)を使うことが違いと言えます。
この違いはありますが、野菜と一緒に煮込み小麦粉とバターでとろみをつけるところも一緒なのでそこまでの違いはないようです。
材料の違いや煮込み時間などでブラウンソースは甘酸っぱくスパイシー、デミグラスソースは甘めというのが違いのようです。

上手に使い分けよう!

甘酸っぱいブラウンソースに牛肉の香りと甘みがプラスされたのが、デミグラスソースです。それぞれに合う料理を見ていきましょう。

ブラウンソースに合うのは

ブラウンソースは野菜とスパイス、ビネガーからなる酸味が味の大部分を占めます。そこでポイントになるは、酸っぱさがあっても良い料理。

例えば、ハヤシライス等の酸味の効いた煮込み料理や、オムライスソースとして、ケチャップの代わりに使うのもいいですね。
他には、甘さを控えたハンバーグソースやビーフシチュー、トマトがベースとなるミートソースとも相性抜群です。これらのベースにブラウンソースを使用すれば、いつもの洋食レシピにぐっと深みが増しますよ。

デミグラスソースに合うのは

酸っぱさは控えめで、甘さと濃厚な牛肉のコクが合う料理、というのがポイントです。

例えば代表的なのが牛肉をメインにしたビーフシチュー、他にはロールキャベツ、ハンバーグなどの煮込み料理や、ステーキやオムライスのソースにも使えます。

ブラウンソースとデミグラスソースの違いが分かったら、早速いつもの洋食で試して見ましょう。長時間煮込んだ素材の味が存分に楽しめますよ。