2016年10月31日更新
甘味料アスパルテームの安全性や副作用
アスパルテームは、2種類以上の物質を人工的に結合させてできた人工甘味料の一つです。1960年代に米国で開発されて以降、砂糖代わりに世界各地で使われるようになりましたが、その安全性については疑問の声が上がっている物質でもあります。
アスパルテームとは
アスパルテームとは、砂糖のおよそ200倍近くの甘さを持つ人工甘味料です。
アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニンというアミノ酸とメチルアルコールを結合させてできた合成甘味料でもあります。
アスパラギン酸は、アスパラガスに多く含まれているアミノ酸です。フェニルアラニンとメチルアルコールに関しては有害なのではないかと心配されていますが、どちらもこのアスパルテームを含む食品を過剰に摂ることがなければ、一般的には健康上に害を与える心配は少ないとされています。
普段口にする人も多いと思われるキシリットを含んだガムは、このアスパルテームが配合されているものが多くあります。
アスパルテームを含む食品
アスパルテームを含む食品は、私たちの身のまわりに多く存在しています。
例えば、普段食事代わりにノンカロリーやローカロリーを謳った飲食物を摂る人もいることでしょう。その中には、アスパルテームを含むものが多く存在しています。
アスパルテームは他の特定の物質と併せて使用することで、甘味を調整することができるので、口に入れた時も砂糖の200倍の甘さを直接感じられることは少ないのです。
若い世代を中心に愛飲する人も多い清涼飲料水も、カロリーを抑える代わりに、甘さを出すことで美味しく感じられるように工夫しているのです。
また、喫茶店やファミレスに行くと、コーヒーや紅茶に使用する砂糖として、このアスパルテームを含むものが置いてあることがあります。聞き慣れないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、アスパルテームは私たちの食生活に既に浸透しきっている物質なのです。
安全性や副作用について
アスパルテームは、日本でも1980年代から使用が認可されており、現在も様々な飲食物で使われています。
その一方で、この物質の安全性や摂取することで生じる副作用について懸念する人が多いのも事実です。中でも、フェニルケトン尿症の患者については摂取を控えた方が良いとされています。フェニルケトン尿症は、先天性の病気で数万人に一人の割合で発症するとされています。
アスパルテームは、ヒトの体内で代謝されるときに、アスパラギン酸、フェニルアラニン、メタノールの3つの物質に分解されますが、そのうちフェニルアラニンという物質は、フェニルケトン尿症の患者の体内では分解することが困難であるため、そのまま蓄積されてしまうのです。そして、それを放置すると脳の発達に影響を与えるとされています。
ただし、このフェニルアラニンは必須アミノ酸とも言われており、むしろ摂取することは必要とされている物質でもあるので、健康な人は特に気にする必要はないでしょう。