2017年11月21日更新
エビのエキスたっぷり!アメリケーヌソースとは
伊勢エビやオマール海老など、大きめのエビを食べた後に出るのが大量の殻。
使い道がないから、もちろん捨てている…という人はちょっと待ってください。実はこの殻から作れる絶品ソースがあるんですよ。
そこで、今回はエビの殻からとれるアメリケーヌソースの紹介です。
アメリケーヌソースとは
名前はアメリカン(アメリケーヌ)ですが、アメリカ料理ではほとんど登場することはありません。というのも、アメリケーヌソースはフランス料理で使われるソースの一種であり、日本の一般的な家庭料理でもあまり浸透していないため、知らない人も多いのではないでしょうか。
アメリケーヌソースの作り方
エビの頭をはじめとする殻の部分を、炒めたりオーブンで焼いたりして香りを出し、ブランデーを加えて臭みを飛ばしたら細かく切ったセロリや玉ねぎなどの香味野菜を炒めていきます。
殻も野菜も柔らかくなりしっかり火が通ったら、ワイン、バター、トマトペースト、魚からとったスープそしてニンニクやローリエ、タイムなどを足して更に煮込みます。
しばらく煮込んだら一晩そのままにし、翌日また少し煮込むということをしながらエビのエキスを存分に引き出していきます。最後に、ざると布で固形分をこしとり塩コショウで味を調えれば出来上がり、という高級食材を使い2日がかりで作るソースです。
アメリケーヌ(アメリカン)と呼ぶようになった由来
古い時代フランスのブルターニュ地方はアメリケヌと呼ばれ、そこから発祥したという説。
他には、アメリカのシカゴで働いていたピエール・フレースというシェフが帰国後パリでレストランを開き、その時に作ったソース・ア・ラ・アメリケーヌ(アメリカ風味のソース)からきているという説。
あとは、アメリカ人シェフがパリでオマール海老を使った料理をふるまった際、大人気となり料理名を尋ねられた時にとっさにアメリカ風ソースと名付けたという説など、由来に関する説はさまざまです。
味や使い方は?
フランス料理はソースが命と言われるほど、手間ひまかけて作りこんだソースが味の決め手となります。アメリケーヌソースもその1つですが、果たしてどんな味がするのでしょうか。
エビの味を楽しむソース
エビのコクとうまみがベースにあり、続いてバターや香辛料の香りが口の中に広がります。マイルドなトマトの酸味とほどよく効いた海鮮特有の塩味が特徴的です。
本来はエビの頭から出汁をとりますが、高級店ではエビの身も使うことがあり、より濃厚な味わいになります。
海外での使い方
基本的には、エビの身と合わせて食べられます。本場フランスではエビを含む海鮮パスタを炒める時に加えたり、エビと野菜の塩ゆでといった前菜に添えたり、あぶったエビに直接かけるなどの組み合わせで使われます。
他にはホタテや白身魚といった海鮮の蒸し料理に添えられたり、海鮮の煮込み料理にも使われます。
和食では肉は肉料理、魚は魚料理と別々に調理されますが、このアメリケーヌソースは、海鮮がベースでありながら、鶏肉の煮込みにも使われたり、卵や生クリームを合わせてなめらかにすればサラダドレッシングにもなるため、さまざまな食材の香りと合わせやすい味になっています。
家でアメリケーヌソースを味わうには?
アメリケーヌソースは、スーパーなどにはあまり置いていませんが、アマゾンなどではかなり本格的なものが缶詰になって売られています。エビの頭や魚の出汁を使っているため、よく使われる他のソースよりは少し高めですが、エビを買うよりは安くあがりますよ。
自家製アメリケーヌソースの作り方
家にエビがありエビの頭が出た時は、ソースを手作りしてみることをおすすめします。
今回紹介するのは、材料は少なめで家にあるものから作る方法です。
材料はエビの頭や殻に玉ねぎ、にんじん、トマトホール缶、酒、ニンニク、オリーブオイルをやわらかく煮込んで布でこせば出来上がり。
あれば、酒をワインに変えたり、バターやローリエをプラスするとより本物に近くなります。
最低限ですが、エビのうまみとトマトの味が十分なアクセントになっているので、本場のソースと同じように使うことができますよ。
アメリケーヌソースはこんな料理に合う
オムライスやパスタのほか、グラタンやドリアのホワイトソースの代わりに使うとぐっと魚介の味が濃厚になります。
また、フランス料理はパンが主食ということもあり、ホットドッグやピザ、ハンバーガー、パイといった小麦粉食品とも相性抜群です。しっかり煮つめてとろみをつければ、こぼれる心配もなく、かける、はさむ、ディップすると色々楽しめますね。
他にはタラや鯛のムニエルにかける方法もあります。豊かな風味とさっぱりしたトマトの味がいつもの魚料理をより美味しく仕上げてくれますし、何より簡単に作れるのでおすすめです。
手作りの場合、特に注意していただきたいのがソースの鮮度。魚介ベースのソースは風味の劣化が早いという欠点があるため、パスタソースやグラタンソースなど、たくさん消費するレシピでふんだんに使うことも美味しく食べるためのコツになります。
エビのうまみと風味がたっぷり効いたアメリケーヌソースは、海鮮料理の味付けレパートリーを増やしたいという場合にぴったりのソースです。
特別な日や、料理に少し高級感を出したい日などに是非試してみてくださいね。