2017年4月26日更新
ウスターソース、オイスターソース、中濃ソースそれぞれどんな違いがある?
ウスターソース、オイスターソース、中濃ソース、いまいち違いが分からず何となくで使っている…そんなことはありませんか。
今回はこの3つのソースの違いについて紹介します。それぞれの特徴に合わせて使えば、いつもの料理を美味しくアレンジできますよ。
ポイントは原材料と製法にあり
それぞれ食べ比べてみると、味と性状に大きな違いがあります。
これは、3つのソースが異なる原材料と製法によって作られているからなんです。
原材料の違い
ウスターソースはトマト、玉ねぎ、人参などの野菜に果物を合わせて抽出したエキスに、酢、砂糖、塩、発酵調味料、香辛料を加えて作ります。
中濃ソースもトマトや人参などの野菜にりんごなどの果物を加え、ウスターソースと同じ調味料を合わせます。
ここまでだと両者にほとんど違いがありませんが、ウスターソースは香辛料と酢が多めに入っており、すっきりスパイシーな味わいです。一方中濃ソースはウスターソースより強い甘みととろみを出すため、甘味料や増粘多糖類、コーンスターチがプラスされています。
そして、オイスターソースは広東省で生まれた牡蠣を煮て抽出したエキスと塩や醤油からなる調味料で、主に伝統的な香りづけ調味料として使われています。また、その高い栄養価から栄養食品としても注目されています。
製法の違い
前述のように、ウスターソースと中濃ソースは果物と野菜を混ぜ、そこへ調味料を足すという点では変わりありません。
しかしウスターソースはそのサラサラした口当たりを作り出すため、野菜と果物の 絞り汁のみを使用しているのに対し、中濃ソースはピューレにしてその果肉分までを使用しているという所に大きな違いがあります。
中濃ソースのまろやかな口当たりは、果肉がそのまま凝縮されて作り出されるんですね。
オイスターソースは、干した牡蠣を水に戻して煮つめ、煮出したスープを濾し、濃縮して作られます。良質な牡蠣の香りを最大限に引き出すため、水に戻してから煮つめていく工程が最も重要であり、煮つめる時間、煮つめ具合が製品の仕上がりに大きく左右するということです。
また、作り手によって、椎茸の出汁、味の素、塩、醤油など味付け方法はさまざまですが、基本的には他の調味料と上手くなじむよう薄味になっているのが特徴です。
味や見た目の違い
材料と作り方でこんなに大きな違いが生まれるんですね。続いて、味や見た目の違いをもう少し説明していきます。
味の違い
ウスターソースは甘さよりも、酢の酸味と香辛料の辛味が前面にでているといえます。また、野菜と果物由来の爽やかな香りが特徴です。
中濃ソースは野菜と果物の甘さとまろやかさを兼ね備えています。また、とんかつソースなどの濃厚なソースに比べると、塩味が控えめでマイルドな仕上がりになっています。
オイスターソースはそのほとんどを濃厚な牡蠣の香りと旨味が占めており、酸味や甘みはほとんどありません。
強いていえば塩味が少し効いている、そんな味わいです。
見た目の違い
ほかに粘度や色の違いに注目すると、ウスターソースは薄い黒色をしており、粘度は0.2Pa/s未満のものとされています。
このPa/s(パスカル/秒)とは粘度をしめす単位であり、高ければ高いほど粘り気があるとされます。農林水産省によりそれぞれのソースの違いを分ける基準の1つとして、この粘度の単位が使われています。
同じように中濃ソースを見ていくと、色はこげ茶色で、粘度は0.2Pa/s以上から2.0Pa/s未満のもの。ちなみに2.0Pa/s以上になるととんかつソースなどの濃厚ソースに分類されます。
最後にオイスターソースですが、こげ茶色から深い黒まで幅があり、粘度もさらさらからどろっとしたものまでさまざまです。
スーパーで陳列している商品を確認すると、さらっとしたタイプは醤油のように黒く、どろっとしたタイプはこげ茶色をしているようものが多いようです。
料理によって使い分けよう
味や口当たりの違いを知ったところで、今度は実際にどんな料理に合うか見ていきましょう。
それぞれの特徴を生かした使い方をすると、食材の美味しさがアップしますよ。
使い分けのコツ
ウスターソースは、そのさらっとした性状で他の調味料の口当たりを邪魔せず、食材の中に味が入りやすいのが特徴です。程よい甘みと酸味はケチャップなどと合わせて洋食にも。
中濃ソースは、コロッケなど揚げ物のトッピングはもちろんのこと、材料にとろみを残しつつ表面にしっかり味をつけたい肉料理やコクのある甘辛のレシピに最適です。
オイスターソースはウスターソース同様、さらっと材料になじむので炒め物から煮物たきものまで幅広く使えます。海鮮風味を出したいときに取り入れたり、海鮮食材に合わせると美味しさが増しますよ。
使い方は?
ウスターソースは、炒め物や煮物で加えた後強火でしっかり水分を飛ばして味を強調させる使い方がオススメです。
この使い方は、ウスターソース本来のスパイシーな香りと酸味が最も残る方法であり、素材にからまるウスターソースの味は絶品ですよ。
ほかにはデミグラスソースなど、合わせ調味料にして煮詰めてソースにする
使い方もあります。
中濃ソースはとろっとしたミートソースやハヤシライス、カレーのアクセントに使うと美味しく食べられます。
また、甘じょっぱさを強調した味つけの焼きそばや肉の煮込み料理にもピッタリです。
オイスターソースは、肉や野菜と炒めるとコクや海鮮風味がでて地味な素材も豪華に仕上げることができます。
また、最近ではマヨネーズと合わせる合わせ調味料、オイマヨが人気です。あっさりしたオイスターソースはマヨネーズの酸味とよく合うため、合わせ調味料のアクセントにもピッタリですよ。
ほかには、芳醇な牡蠣の香りを活かした中華風おこわや、さらっとした口当たりの中華スープにも使えます。
似ているようで、全く違うこれらのソースを上手に使って、毎日美味しく楽しく料理をしてみてはいかがでしょうか。