2017年4月24日更新
使い道は無限大!ウスターソースの魅力とは
ウスターソースは私たちにとって身近なソースの1つですね。甘辛く、素材の風味を倍増させる絶妙な味は、串カツなどを通じて海外でも人気となっているんですよ。
今回はそんなウスターソースについての紹介です。
ウスターソースとは
ウスターソースは300年ほど前にイギリスで生まれたソースを、日本人が改良した日本独自のソースです。
一体どのような材料をもとに、作られているのでしょうか。
味や原材料について
ウスターソースは見た目は醤油によく似ていますが、醤油にはない香辛料の香りと甘酸っぱさが特徴です。
材料は野菜と果物をベースに、唐辛子、しようが、ネギなどの香辛料、酢、砂糖、塩で調味されます。
ちなみに起源となったイギリスのソースは、大麦由来の酢、ワインビネガー、醤油、水あめ、塩、エツ(魚)、
タマリンド(豆)エキス、玉ねぎ、にんにく、セロリ、唐辛子、しようが、胡椒、ウイキョウなど30種類の香辛料と調味料を配合し、じっくり煮込んでから濾して作られます。
こんなたくさんの材料を使っていたなんて驚きですね。
ウスターソースの由来は
ウスターソースは、イギリスで最も有名なソースメーカーであるリーペリン(Lea & Perrins)社製のウスターシャソースからきています。
時代を遡ると、1830年イギリス帝国時代、パキスタンに駐留していたサンディーズ(Lord Marcus Sandys)は、インドに立ち寄った際にウスターソースのレシピを手に入れます。彼はイギリスに帰国後、そこで化学者をしていたリー(John Wheeley Lea)とペリン(William Perrins)にこのレシピを渡し、同じ材料と分量でソースを作るよう注文をします。
試作品の段階では、とても満足いく味ではなかったものの、出来たソースをさらに分析したところ、発酵した表面の一層に美味しさがあることが分かりました。
この旨味の凝縮した部分を商品化して市場に出したところ、すぐに人気の味となったのです。
1838年の発売開始当初、リーとペリンはイギリスのウスターシャ州に最初の生産拠点を設けたこともあり、このソースはウスターソース(Worcestershire sauce)と名付けられました。
現在、ウスターソースにもさまざまな種類が登場し、豊富なブランド展開を見せています。
しかし、イギリス国内で生産されるウスターソースは今もこのリーペリン1社だけということですので、根強い人気がうかがい知れますね。
作り方は?どんな料理向き?
ウスターソースをすぐ使いたい、少しだけ使いたいという場合には、自宅でも作ることができます。
日本と違ってウスターソースが手に入りにくい海外では、ウスターソースは自作することが多いようです。
自宅での作り方
トマトに他の野菜、果物を小さく切って水を加え、柔らかくなるまで長時間煮込み、それをさらにミキサーにかけます。
あとは砂糖、酢、醤油などの調味料を加えてこげ茶色になるまで煮つめれば完成です。
保存料、着色料など無添加なので、食品添加物が気になる方にもオススメですね。
海外ではこんな使い方も
ヨーロッパでは、お酒のつまみをはじめ、さまざまなメニューに使われます。
なかでも、牛肉料理やローストビーフといった牛肉の加工品との組み合わせが人気の食べ方となっています。
成分と賞味期限について
さらっと食べられるウスターソースですが、カロリーは気になるところ。
他にもどんな成分が含まれているのか、見ていきましょう。
糖質が低めの調味料
糖分や塩分が高めといわれるソース類の中でも、ウスターソースは低糖質に分類されます。
大さじ1あたりのカロリーは20kcalで、これは、濃口醤油(71kcal)より高く、中濃ソースや濃厚ソース(132kcal)より控えめ。
炭水化物は4.56g、塩分0.56g、たんぱく質0.17g、脂質0.02g、ほかにビタミンやクロムからなります。
ダイエットに最適、とまでは言えませんが、糖質カットを考えている人はソースを選ぶ時の参考にしてみてください。
賞味期限は長い?
ウスターソースは他のソースに比べ、酢の成分が多めであり、開封しなければおよそ24ヶ月です。
これはデミグラスソース(約18ヶ月)やステーキソース(約12ヶ月)に比べ、長くもつといえます。しかし、開封後はカビが生えたり温度差の影響で変質する可能性があるため、冷蔵庫で保管して、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
ウスターソースの成り立ちや由来について紹介しましたが、これを機にこれまでと少し違った角度からソースの味を楽しんでもらえれば幸いです。