2017年12月5日更新
リエットとパテの違いとは
素材を活かした調理法が豊富で、多くの人々を虜にするフランス料理。身近な豚肉を美味しく利用したリエットやパテもその1つです。これまで縁遠く感じられていた人も、フランス料理が身近に感じられるようになりますよ。
リエットとは
リエットは豚肉、家禽類(とり肉)、ウサギの肉を脂肪と共に煮て溶かした保存食品です。
リエットはフランスのル・マン、トゥール、アンジェ、ブロワの名産になっています。例としてル・マンの製法をご紹介します。
ル・マンでのリエットの作り方
豚の肩ロース(またはバラ肉)と豚の脂を細かく刻み、湯煮(※1)または蒸し煮します。そうすると表面に油が浮いてくるのですくい取っておきます。しっかり煮たら、塩、コショウ、カトルエピス(※2)を加えてすりつぶし再度火にかけます。
その後容器に詰め、湯煮したときにすくい取っておいた油で表面を覆い完成です。
(※1)湯煮…お湯で煮る調理法。ゆにと読む。
(※2)カトルエピス…フランスの4種類の香辛料を混ぜたもの。カトル=Quatre(4)、エピス=スパイス。
リエットの意味
リエットの語源はフランス語のつなぐという意味、リエ(lier)からきており、まさに合わせ調味料などの調味料同士をつないだり、スープに溶け込ませたりするのに使われます。
リエットはフランス語でつなぐという語源のリエの部分からきていますが、さらに深く掘り下げていくと「豚肉の塊」という意味を持ちます。材料は豚肉の塊なのでリエットと呼ばれていますが、リエットにも幅広い種類があります。例えばガチョウの肉やアヒル、鶏、ウサギ、他にもマグロやイワシなどの魚もリエットとしての役割を務めています。
基本的にリエットの意味を持つのは豚肉などの肉を脂とともに長時間じっくり煮詰めてつぶす手法を呼びますが、近年ではペースト状につぶしたものをいつしかリエットと呼ぶようになりました。リエットと一口に言っても調理方法の定義が少しずつ変化している状況のため、豚肉を脂で煮詰めてつぶしたものだけがリエットではなくなってきています。
パテとは
パテはもともとパート(パイ生地)を使って、具を包み加熱調理したものです。
ちなみに似た食べ物でテリーヌがありますが、テリーヌはパイ生地ではなく陶器の器に具を詰めて加熱調理したものです。
リエットとパテの違い
簡単にいうと
リエットは料理名
パテは調理法
ということです。どちらも主原料をペースト状にしたものに変わりはありません。
リエットの美味しい食べ方とは
本場フランスではパンに直接塗ったりサンドイッチに挟むなど、日常食としてバター以上にふんだんに盛って食べられています。
フランスのスーパーでは、上に一層ラードを張って瓶詰めにしたものや、肉屋さんの店頭で売られている様子が見かけられるほどなんですよ。
ポークだけじゃない!魚や他の食材も
リエットのベースは豚肉が主流ですが、ほかにもカモ肉、ウサギ肉、アヒル肉、鶏肉、ヒラメ、マス、マグロなどの肉からも作られることがあります。
本場の人たちはこれらをサラダにたっぷり塗ったり、パスタにからめたりして食べます。冷えて固まった脂肪分の中に、サラサラとした濃厚な肉のうま味の口どけが楽しめます。
一般的なポークのリエットに食べ慣れたら、これらの食材を使ったリエットを試してみるのも良いかもしれません。
冷凍保存する場合は
瓶詰めになっている場合は、1回分づつラップして冷凍庫へ。
冷蔵なら1週間程度ですが、これで2週間ほど美味しさが保たれますよ。