2017年5月11日更新

食べる化粧品!小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)の効果

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)

みなさんは小麦胚芽をご存知ですか?
お米の胚芽同様とても小さな部分ですが、そこから栄養豊富な油がとれるんですよ。
では、小麦胚芽油には一体どんな効果がつまっているのでしょうか。また、どんな使い方ができるか見ていきましょう。

  1. 目次
  2. 小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)とは
  3. 小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)の効果とアレルギー
  4. 小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)の使い方

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)とは

小麦胚芽

小麦の胚芽を圧搾したり、二酸化炭素を使って取り出される植物油です。
茶色がかった色をしており、小麦粉特有の香りが特徴です。

希少価値の高い油としても有名

1kgの小麦胚芽からたった10gしか採れないこの油は、穀物胚芽油に分類されます。低温圧搾技術により胚芽に含まれる良質な脂質だけを抽出。
添加物は一切加えず100%自然素材からなります。

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)の成分

胚芽にはオレイン酸、リノレン酸、リノール酸など多くの生理活性物質が凝縮しており、不飽和脂肪酸の含有量は全体の80%に達します。そしてこのうち55%がリノール酸です。リノール酸は細胞膜に働きかけ、細胞間の正常な分裂と代謝を助けてくれます。
また、注目すべきはビタミンEの含有量。植物油で最多を誇ることから、保健機能を持った植物油として認められているんですよ。ビタミンEはα、β、γ、δの4種類あり、小麦胚芽油は全種類を兼ね備えた貴重な食品であるため、栄養学界でビタミンEの宝庫と賞賛されるほど。
もともと生理活性作用のあるビタミンEは体内でも合成されますが、小麦胚芽油のビタミンEは体内でその30倍吸収されやすいという特徴を持っています。

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)の効果とアレルギー

1970年代ニクソン大統領が海外訪問の際、必ず身につけていたのがこの小麦胚芽油です。当時より、すでに健康への効果は認められていたようですね。
しかし、一部の人にはアレルギー反応が出るともいわれています。これは一体どういうことでしょうか。

美容や健康に対する効果

小麦胚芽油はコレステロールや中性脂肪を下げて血液をサラサラにし、全身の血液循環をよくします。これにより脳細胞が活性化し、継続的に摂ることで思考力や記憶力が高まるといわれています。

他には食べる化粧品と呼ばれ、皮下の結合組織を強くして血液循環循環を良くし、皮膚にハリと弾力を与えてくれる効果もあるようです。特に外科手術の痕や、ニキビあと、乾燥肌によるくすみ、シミの改善に最も効果があるとされます。

抗酸化作用では、活性酸素を抑制し皮膚本来の保湿効果を高め、きめ細かい状態にするほか、 皮膚細胞の新陳代謝を促しシワなどを防いでアンチエイジング効果を発揮します。
全身においては、肝機能や免疫力を高めるほか、血中の脂質を溶かして血管を柔らかくし、動脈硬化や高血圧、脳卒中を予防する効果もあるんです。
小麦胚芽油は数多くある抗酸化物質の中でと指折りの抗酸化剤として、心臓疾患、肺気腫、更年期障害、貧血、筋ジストロフィーといった中高年特有の病気治療にも用いられます。

アレルギーの心配は?

小麦胚芽油は健康食品であり、薬品ではないものの、摂りすぎには注意が必要です。
先ほど説明したビタミンEには、基準値を超えて大量に摂取するとアレルギー反応を起こし、血栓性静脈炎や肺塞栓症を引き起こす可能性があります。
とはいえ小麦胚芽油はビタミンEになる前の状態に過ぎず、体がビタミンEを必要とした時に体内でビタミンEに変換され使われるもの。あまり心配はいりませんが、きっちり適量を確認した上で、小麦胚芽油のビタミンEを摂りたいという人には、適量ずつ摂れるソフトカプセルがオススメです。

小麦アレルギーの心配は?

小麦は特定原材料7品目に指定されるほどアレルギー発生の症例数が多く、また症状が重篤である食物の一つです。食物アレルギーは食物に含まれるタンパク質が要因とされています。
小麦胚芽(小麦粒の約2%)の約34%がタンパク質です。この小麦胚芽から抽出されたのが小麦胚芽油になります。
日清製粉のサイトを見てみると小麦胚芽に関するアレルギー情報は記載されていませんでしたが、小麦アレルギーの方は使用しないに越したことはないでしょう。

食物アレルギーは、人によりごく微量のアレルギー物質(たんぱく質)によっても発症します。そのため、その含有量にかかわらず特定原材料等を含む旨の表示が必要です。ただし最終加工品における特定原材料等の総タンパク質量が数μg/mlの濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合はアレルギー症状を誘発する可能性が極めて低いため、表示を省略することができるとされています。

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)の使い方

原料となる小麦胚芽は発芽後1週間以内の良質なものを使い、低温処理で抽出しています。世界基準に合う原料を厳選しているため、信頼性の高い植物油として注目されています。
少し高額ではありますが、正しい使い方を知って十分な効果を得ましょう。

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)を食べる場合の使い方

そのまま食べる場合は、1日5mlを目安に摂りましょう。
小麦胚芽油は加熱してもある程度は栄養が保たれるため、炒め物にも使えますが、長時間の加熱には弱く食用油の中では酸化しやすい部類になります。
栄養を守りつつ、毎日飽きずに摂るにはサラダドレッシングの材料として使うのが最適です。
アンチエイジングや免疫力強化、妊娠力を上げたい人は小麦胚芽油の適量摂取が効果的ですよ。

小麦胚芽油(ウィートジャームオイル)を食べる以外で使う場合

小麦胚芽油はマッサージオイルとしても活躍します。入浴後、手に少量とって気になる部分に伸ばしていきます。軽くマッサージするだけで十分な効果が得られますよ。体内からだけでなく、皮膚表面からも抗酸化作用があり、日中傷ついた皮膚を保護し、目の周りなどの薄い皮膚に保湿効果があります。
植物油の中では珍しく小麦特有の匂いがあるため、匂いが気になる場合は爽やかな香りのアロマオイルと混ぜて使うのもいいですね。
使い方としては、小麦胚芽油をアーモンドオイルを合わせて10%まで薄めておき、マッサージする時に10mlにつき植物性のアロマオイルを2-3滴入れれば、香りのバリエーションも楽しめて一石二鳥ですよ。

小麦胚芽油は、胚芽のわずかな脂質からとれるというだけあって、他の植物油にはない凝縮された栄養が魅力です。少量で効果が得られるため、毎日続けやすいのがいいですね。
みなさんも一度「食べる化粧品」を試してみてはいかがでしょうか。

【参考サイト】
・日清製粉グループ 元気予報.com スゴイ小麦の健康成分 小麦胚芽油(http://www.genkiyohou.com/komugi/haigayu.html)
・日清製粉グループ 研究開発 小麦の栄養と機能(http://www.nisshin.com/company/research/nutrition/)