2018年4月21日更新
韓国冷麺と盛岡冷麺って何が違うの?具材の違いや気になるカロリーについて
焼肉屋さんでは定番メニューの冷麺。焼肉の後の冷麺って美味しいですよね。冷麺というと韓国の美味しい麺類ですが、日本の盛岡に韓国の冷麺に匹敵する美味しい冷麺があるんですよ。今回は韓国冷麺と盛岡冷麺の違いを調べました。
韓国冷麺と盛岡冷麺の違いとは?
冷麺と言えば韓国ですが、日本の盛岡にも名物の冷麺があるんですよ。韓国冷麺は朝鮮半島由来の冷製の麺料理で、初めて日本に登場したのは1939(昭和14)年、平壌出身の韓国人が神戸市に開店したお店から伝わりました。その後冷麺は日本中に広まり、現在は日本の焼肉店では定番のメニューになっています。定番メニューに上がる程、日本で人気になった韓国冷麺は日本人の口に合うように味が徐々にアレンジされてきました。
アレンジされていったものの中の一つに岩手県盛岡市の盛岡冷麺があります。盛岡冷麺はわんこそば、じゃじゃ麺と並んで盛岡の三大麺といわれています。また韓国冷麺には朝鮮民主主義人民共和国の平壌発祥のムルレンションと咸興発祥のビビン(ピビム)ネンションの2種類があります。ちなみに盛岡冷麺の創始者は咸興出身で、盛岡冷麺は朝鮮半島に伝わる咸興冷麺と平壌冷麺を融合させた冷麺なんです。
朝鮮半島ではお茶碗を手に持って食べることはよいマナーではないとされていますが、このムルレンションはスープを飲むのに器を持って口に当てて飲んでも良いそうです。お国柄を感じる面白いマナーですね。
韓国冷麺(平壌冷麺)の原料
韓国冷麺の麺はそば粉を主原料にしています。平壌冷麺はそば粉とマメ亜科の一年生植物ヤエナリの種子の緑豆の緑豆粉を原料にした太くて黒っぽい噛み切りやすい麺です。そば粉と緑豆粉とつなぎにでんぷんや小麦粉を材料にした生麺をゆで上げてすぐに冷水で冷やして使います。
韓国冷麺(咸興冷麺)の原料
咸興冷麺はそば粉を主原料にトウモロコシやジャガイモなどのデンプンを原料にしています。細くて白っぽい麺をしており噛み切りにくく、つるつる食べるというイメージの麺です。
咸興冷麺のコシの強さは平壌冷麺より強く、次にご紹介する盛岡冷麺と同じくらいのコシがあります。基本的には平壌冷麺は太くて黒っぽい麺、咸興冷麺はツルツルした白っぽい細い麺ですが、実際には平壌冷麺でも白っぽく細い麺を使っている店や、咸興冷麺でも蕎麦粉入りの黒っぽい太麺を使っているお店もあります。
盛岡冷麺の原料
盛岡冷麺はパスタと同じように小麦粉を主原料としています。そば粉を入れずジャガイモのでんぷんが中心で片栗粉をつなぎとして用い、コシのある太麺なのが特徴です。そのコシの強さは平壌冷麺より強いです。
見た目は白黄色っぽい色をしています。太麺なのが基本ですが、お店によっては中細麺を出すところもあるようです。昔の盛岡冷麺は麺のコシの強さから「ゴムのような麺」などと言われる時期もありましたが、その後日本人の口に合うようにアレンジされて、表面はツルッとした喉ごしが良さが今の盛岡冷麺の特徴になっています。
ちなみに盛岡冷麺はその誕生と盛岡冷麺の浸透の経緯から、日本の名物麺料理である讃岐うどん、札幌ラーメン、長崎ちゃんぽんなどと同様に国の行政委員会が「特産」もしくは「名産」と表示することを認め、盛岡冷麺は「本場」の味と国からも認められています。
韓国冷麺と盛岡冷麺の成分について
冷麺というとピリ辛のイメージですが、韓国冷麺と盛岡冷麺はその辛さの出し方やトッピングの具材に違いがあります。韓国冷麺でも平壌冷麺のムルレンションと咸興冷麺のビビン(ピビム)ネンションとでは汁や辛さの出し方、トッピングの具に違いがあるのです。ではさっそくどんな違いがあるのか見てみましょう。
韓国冷麺の具材
平壌発祥のムルレンミョンは、固く締めた太麺の上に味付けしてある肉類・ゆで卵・キムチ・錦糸卵・ナシなどが具材にのせられています。最後に肉で取ったダシと大根と水キムチの汁トンチミを加え透明で淡泊な冷たいスープ(ユッス)をかけて食べます。平壌冷麺の辛さは具材のキムチやトンチミの中の水キムチのよるものです。
これに対して、咸興発祥のビビンネンミョンは、コチュジャン、酢、ごま油、砂糖などの合わせた調味料で麺を和え、肉類、ゆで卵、胡瓜の千切りなどを具材に盛られています。辛さはコチュジャンから由来する辛さです。スープを入れずに辛味を付けた冷麺と大根の塩付け汁にスープを足した辛くない水冷麺があります。水冷麺は果物の梨などを材料にトッピングされているさっぱりとした冷麺です
盛岡冷麺の具材
麺に種類は太麺と中細麺の2種類があります。辛さは韓国冷麺より辛くはありません。辛さのもとは具材の「キャベツと大根のキムチ」の辛さです。爽やかな酸味と辛さが特徴だと言われます。コクと旨みがしっかりつまった牛骨と鶏ガラからとった出し汁をかけていただきます。
麺のコシの強さそしてスープのコクを強く感じます。辛さは具材のキムチの量によって全体の辛さを調整できます。キムチが具材の主体となる盛岡冷麺はスープがキムチと合間って美味しさを増してくれるのが魅力です。具材はキムチのほか麺やスープとの相性が抜群の牛肉のチャーシュー、ゆで卵、三杯酢漬けのきゅうりが添えられています。
韓国冷麺と盛岡冷麺の成分について
韓国冷麺と盛岡冷麺の主な成分やカロリーは主に具材の成分ではなく麺およびスープの成分によってカロリーが異なります。
カロリーや糖分について
韓国冷麺そして盛岡冷麺も麺の主成分はそば粉や小麦粉などの炭水化物です。炭水化物が多いことはそれだけ糖質を多く含んでいるということです。それにプラスされてスープの成分や具材の栄養成分を考えると、冷たくツルツル食が進んでしまう冷麺ですが、カロリーや糖質はかなり高い食品だと考えられます。
具体的な数字は一概に言えませんが、麺の原料である小麦粉は100gあたり366~368kcal、そば粉は359kcal、とうもろこしは349kcalです。麺の原料のカロリーにスープのカロリーや具材のカロリーを考えるとかなり高カロリーの食品であることがわかります。おおよそでは1杯500kcalとも言われていますが、この数字は具材やスープによっても変わります。
一例ですが「韓国 宮廷冷麺」(輸入元・ハウチョンジャパン)の1人前当たりのカロリーは麺が239.9kcal、スープは11.2kcal、のうち、麺の炭水化物は52.3g、スープは2.2gという数字が出ています。それにトッピングの栄養成分が加わります。
韓国冷麺も盛岡冷麺のどちらも美味しい
韓国冷麺には平壌発祥のキムチの辛さの利いた辛い冷麺、そして咸興発祥の豆板醤の利いた冷麺と辛さのない水冷麺があります。どちらも美味しい冷麺です。そして日本の盛岡にも国の行政機関が「特産」とか「名物」と認めた冷麺がありました。盛岡の冷麺の発祥は咸興出身者が朝鮮半島に伝わる咸興冷麺と平壌冷麺を融合させた冷麺をこの地から発信して生まれたものです。
盛岡冷麺は咸興出身者によって作られたものなので、麺のコシの強さが咸興冷麺と似ているのかもしれませんね。現在は焼肉屋さんの定番メニューにあげる冷麺は冷たくピリッときいた辛さが食欲を増しますが、カロリーや糖質の高い食品です。ダイエット中の方は食べ過ぎにご注意して召し上がってください。