2018年4月10日更新
ヒメマスの刺身や塩焼きなどおすすめ料理をご紹介!旬の時期や価格についても
紅色の身肉をしたヒメマス。マスやサケ類の中で一番美味しいと言われています。かつては釣りの世界でも釣りの対象魚でした。今回はサケ科の魚、ヒメマスの刺身や塩焼きなどおすすめ料理をご紹介します。ヒメマスが最も美味しい旬の時期や、気になる価格も見てみましょう。
- 目次
- ヒメマスのおすすめ料理
- ヒメマスの旬は?
- ヒメマスとベニザケの違い
- ヒメマスの養殖問題について
- 気になるヒメマスの値段は?
- ヒメマスの美味しいレシピをご紹介!
- 刺身や塩焼き!おいしくヒメマスを食べよう
ヒメマスのおすすめ料理
ヒメマスはサケ目サケ科サケ属の淡水魚です。学名はOncorhynchus nerka nerkaと言います。日本では北海道の阿寒湖とチミケップ湖に自然分布しています。アイヌ民族に馴染みのあることからアイヌ語でカパチェポとも呼ばれることがあります。大きさは20~30cmほど。大きいものは50cmになるものもいます。
身肉は紅色。ほかのサケ類と同様に塩焼きや刺身、フライ、ムニエルはヒメマスのポピュラーな食べ方です。焼くと身がしまり旨みが強くなります。味の評価はマスやサケ類の中で一番美味しいと言われていますが、鮮度落ちは早い魚です。
ヒメマスの刺身
ヒメマスは天然ものと養殖のものがありどちらも高級魚とされています。刺身など生で食べる場合、天然のサケ科の魚にはアニサキスやサナダムシの寄生虫がいることがあります。寄生虫が人体に入ってしまうと、強い腹痛や腹部膨張などの症状を伴う食中毒を起こしてしまいます。新鮮なヒメマスの刺身はうま味が強く美味しいと言われますが、寄生虫には注意しなければなりません。
天然のヒメマスを刺身で食べる場合は、身肉を一定時間凍らせて、半解凍して刺身にするのがおすすめです。一定時間身肉を凍らせることアニサキスなどの寄生虫を死滅させることができるのです。この食べ方はルイベと呼ばれます。
ルイベとはサケを生で食べるときの寄生虫による中毒防止の危険回避の調理法で、アイヌ民族の間に伝わる知恵の一つです。ヒメマスのルイベの味わいは、うま味が豊かで美味しいと言われます。養殖のヒメマスには寄生虫はいないので生でも安心して食べられます。刺身でヒメマスを味わうには、養殖のヒメマスを調理するか、天然のものならルイベで食べるのがおすすめです。
ヒメマスの塩焼き
塩焼きはヒメマスの最もポピュラーな料理です。焼くと皮目に独特の香ばしい食欲をそそる風味がします。焼いても身肉は硬くならず身離れもよいです。ヒメマスの脂ののった身と塩が絶妙にマッチした塩焼きの味は、白いご飯によく合います。
切り身ではなく小ぶりのものを丸ごと塩焼きするときは、ヒレが焦げやすいので、ヒレに塩を多めにまぶして焼くと焦げずに焼くことができます。
ヒメマスの燻製
塩焼きも刺身も美味しいヒメマスですが、ヒメマスの燻製もとても美味しい絶品料理です。ヒメマスの燻製は余分な水分が抜けて旨みがぎゅっと詰まり、身はソフトな食感です。煙の香りが食欲をそそります。お酒のつまみによく合う料理でもあります。またヒメマスの燻製は家庭でも簡単に作れます。
内臓とエラを外しきれいに洗ったヒメマスを塩もみしてぬめりを取ります。塩をまぶして一晩冷蔵庫で寝かせ、そのあと流水で塩やぬめりを洗い流します。風乾して表面を乾かして、燻煙(3~4時間くらい)し、一晩寝かせれば味が染みた美味しいくんせいができます。
冷凍保存で1~2カ月保存可能です。冷蔵なら2~3日は保存できます。
ヒメマスの旬は?
ヒメマスの美味しい旬の時期は春から初夏にかけての頃、5月~7月頃が旬の季節だと言われます。産卵期が9月~11月頃と言われ、産卵前に体にいっぱい栄養を蓄えている季節が美味しい旬の時期です。
ヒメマスとベニザケの違い
実はヒメマスとベニザケは同じ魚なのです。
湖などの淡水域で生まれ幼魚時代を過ごしたベニザケのうち、その一生をその場で過ごすベニザケをヒメマスと言います。
ヒメマスは生まれた湖などの淡水域で一生を送る湖沼残留型(陸封型)のベニザケ、そしてベニザケと名の付く個体はある時期になると海に降り、海で成長し(降海型)、産卵時に溯上するものをベニザケと呼んでいます。
ヒメマスの養殖問題について
北海道の阿寒湖とチミケップ湖を原産にしたヒメマスは、道内では支笏湖、屈斜路湖、洞爺湖などに移植され、本州では青森県の十和田湖、栃木県の中禅寺湖などに移植されて現在生息しています。明治時代にヒメマスが十和田湖に移植された話は大変有名な話です。
近県では富士五湖に移殖されたヒメマスが生息しています。1980年代前半までその数も多く、食用だけでなく釣りの対象魚としても人気でしたが、現在は絶滅危惧種に指定されており毎年決められた数しか水揚げされません。
その理由にはヒメマスの産地である中尊寺湖の原発事故よる放射能汚染や、ヒメマスが生息する湖へワカサギが放流されたことで、餌の取り合いがおこりヒメマスが減少するなど生態系の崩れによってヒメマスの数が減少したことなどがあります。そのためヒメマスを養殖して数を増やそうと、北海道や栃木県、山梨県、静岡県などの水産技術研究所などがヒメマスの養殖に取り組んでいますが、その生産量は多くないのが現状です。
生産量が増えない理由はヒメマスの養殖の歴史が浅く資料が少ないため、水質の変化で幼魚が弱ってしまうなどと飼育が難しい魚であるということのようです。養殖技術が確立しヒメマスの養殖が進み、漁獲量が以前のように増えることへの期待が寄せられている現在です。
気になるヒメマスの値段は?
高級魚と言われるヒメマスは天然ものや、養殖のものを通販で購入することができます。その値段は、代表的な川魚のニジマスや、ヒメマスとの共存が難しいワカサギに比べると高価な値段です。また旬の時期以外でも冷凍技術の発達で通年美味しいヒメマスが購入できます。
通販のヒメマスの価格は?
ヒメマスの原産地である阿寒湖の阿寒湖漁業協同組合では天然もののヒメマスを通販で売り出しています。その価格は1匹160~180gの天然ヒメマス1kg(5~6匹)で2500円(税抜き)です。
ヒメマスの養殖に成功し、養殖のヒメマスに力を入れているヒメマスの有名産地の十和田湖増殖漁業協同組合では、養殖のヒメマス1匹100~125gくらいの小さめのもの1kg(8~10匹)が4800円(税込み)、1匹155~200gくらいの大きめのもの1kg(5~6匹)が4800円(税込み)の値段で販売しています。
ヒメマスの美味しいレシピをご紹介!
身は紅色で柔らかく、味わいは淡白であっさりとしているヒメマスは塩焼きや刺身はもちろん、フライやムニエルなど洋風に料理しても美味しくいただけます。ほかにもたくさん料理のアレンジがきくヒメマス。簡単で美味しいヒメマスに料理のレシピをいくつか紹介します。
ヒメマスの和風レモン大葉パスタ
ヒメマスで作る簡単で美味しい和風パスタです。ヒメマスの紅色、しめじの茶色、大葉の緑がアクセントになり、色合いも綺麗でおしゃれなパスタ。お友達とお話ししながらササっと作れるおもてなし料理にも最適です。
<材料・2人分>
- ヒメマス・3切れ
- しめじ・1パック
- 醤油・小さじ1
- レモン汁・大さじ1
- 大葉・5枚
- バター・小さじ2
- オリーブオイル・大さじ1
- にんにくチューブ・小さじ1
ヒメマスのしっとりふりかけ
ご飯と相性の良いヒメマスの自家製ふりかけです。作っておくとご飯のお供に便利です。お弁当のご飯の上に、そしておにぎりにも便利に使えます。ヒメマスのサーモンピンクが白いごはんに生えお弁当にも色を添えてくれます。海苔やゴマとの相性も抜群!常備しておきたいご飯の名わき役です。
<材料・90g分>
- ヒメマス・150g
- 味醂・大さじ2
- 酒・大さじ2
- 白だし・大さじ2
- 砂糖・小さじ2
- 塩・小さじ1
ヒメマス&とうもろこしのタルト
ヒメマスのサーモンピンクが卵とトウモロコシの黄色の地のアクセントになっている、見た目も綺麗なお洒落なタルト。ヒメマスをお洒落にアレンジした料理です。前菜に、ブランチのメニューに加えてみたくなる料理です。
<材料・18cm ×18cmのタルト型>
- 市販のパイシート・2枚
- ヒメマス(焼いてほぐす)・1切れ
- とうもろこし(実のみ、缶詰(1缶)でも可能)・1本分
- カッテージチーズ(裏ごしタイプ)・200g
- 卵・1個
- 塩、胡椒・各少々
刺身や塩焼き!おいしくヒメマスを食べよう
刺身や塩焼きはもちろん、燻製にしても美味しいヒメマス。生食するときは寄生虫に注意してください。色も綺麗で淡白な味わいは和食にも洋食にも美味しくアレンジできます。現在ヒメマスの数は減少し、養殖の技術の研究がなされています。美味しいヒメマスがたくさん食べられるように養殖の開発に期待が寄せられるところです。手に入ったときはぜひ美味しく料理してみてください。