2017年11月15日更新
黒酢ってどんなお酢?普通の酢との違いや黒酢の代用について
調味料売り場に行くと、一般に見かけるお酢と並んで、コーヒーのように黒褐色をしたお酢が並んでいますよね。黒酢って書いてあるお酢のことです。健康維持食品がブームとなっている今、注目をあつめている黒酢!そこで今回はその黒酢の正体を探ってみました。ダイエットや美容そして健康にいいと注目されている黒酢って一体どんなお酢なんだろう?普通のお酢との違いはなんだろう?その黒酢の成分や製造法そして効用をのぞいてみました。
黒酢とは
ダイエットや美容そして健康維持に注目されているお酢の中でも黒褐色をした黒酢。そもそも黒酢は普段使用しているお酢(米酢)と同様、穀物酢の一種です。
原料となる穀物や製造法に違いがあり、黒褐色をしたお酢ができあがりました。黒酢と一般に使われるお酢の原料、そして製造法の違いをみていきましょう。
黒酢と普通のお酢との原料の違いは?
黒酢も普段使用しているお酢も穀物酢です。そもそもの原料は穀物ですが、黒酢は玄米に大麦または小麦のみを原料としているのに対して、普通のお酢(米酢)は原料にその名のとおり精米を使っています。
黒酢は、農林水産省の規格(JAS)に基づいて1Lにつき180g以上の玄米を使用し発酵・熟成させた「米黒酢」と、大麦だけを使用して同様に発酵・熟成させた「大麦黒酢」の2種類の黒酢があります。一般的に黒酢というと「米黒酢」をさします。味は「米黒酢」は「大麦黒酢」にくらべて少し酸味が強く、「大麦黒酢」はサッパリした味わいです。
ちなみに海外でも黒酢はあります。良く耳にするバルサミコ酢はイタリアの黒酢とよばれ、イタリア料理には欠かせない高級調味料です。バルサミコ酢の原料はブドウで、ブドウを煮詰めたあと樽に詰めてワインビネガーを加えて発酵させ作れています。
そのほか中國にも玄米やもち米、コーリャン、麦、雑穀のほか、漢方材料を原料とした黒酢があります。
製造方法にどんな違いがあるの?
では日本の黒酢に話を戻し、黒酢の製造法を見てみましょう。
黒酢は玄米と大麦または小麦の原料を壺の中に仕込み、自然環境の中で約1~3年という長期熟成期間を経て完成したお酢です。それに対して普通の酢は原料の精米を蒸して、金属製(ホーローやステンレス)の容器で4か月ほどの短時間、発酵させて完成したお酢です。黒酢は普通の酢に比べて長い熟成期間を経ているため、色が黒褐色であり、コク・香り・旨みが普通のお酢より濃いと言われています。
他のお酢と代用は可能?
黒酢は発酵・熟成に長い時間がかかっている分、普通のお酢よりアミノ酸などの成分の含有量が多いですが、成分を気にしないのであれば、他のお酢との代用は可能です。だたし黒酢は黒褐色をしているので、すし飯など色を白く仕上げたい場合は普通のお酢を使用したほうがよいですね。レシピに黒酢と記載しているお料理は、普通のお酢に代用はできますが、やはり黒酢の独特なコクや風味にこだわってのことなので、黒酢を使用するとお料理をよりおいしく仕上げることができます。
黒酢の成分
健康維持食品として注目されている黒酢の魅力は、食事ではなかなかバランスよく摂取できないアミノ酸や必須アミノ酸を多く含まれている点です。その他、黒酢の主成分となる酢酸、有機酸、ビタミンB郡やミネラルが他のお酢より、熟成を重ねている分、豊富に含まれているところが魅力です。
黒酢にはどんな効用があるの?
健康維持食品として人気にあげる黒酢は、普通のお酢に比べて熟成期間が長いだけに、体にいい成分が豊富に含まれているのはわかりました。では実際に黒酢の成分にどんな効用があるかみてみましょう。
疲労回復
主成分である酢酸は体内でクエン酸に変わります。このクエン酸は疲労の原因となる乳酸を分解してくれるため、疲労回復に効果的といわれます。
美肌効果を得られる
成分に含まれる有機酸が腸内環境を整え、腸の運動を良くしてくれるので、便秘や下痢の改善につながり、肌荒れやニキビが改善されます。有機酸がもつ効力でアンチエージングなどの美肌効果が得られます。
ダイエットに効果的
黒酢に豊富に含まれているビタミンB郡やミネラルにより代謝がよくなり、内臓脂肪の減少が促されダイエットに効果的です。さらに黒酢の魅力成分のアミノ酸は脂肪燃焼に大いに活躍してくれます。
骨を強くしてくれる
有機酸はカルシウムの吸収を助けてくれるので、骨を強くしてくれます。骨粗しょう症防止に効果的です。
血圧や血糖値を下げる
主成分の酢酸が血圧降下の働きを促し、高血圧の防止に効果的と言われます。また糖尿病の方が心配される血糖値を下げる効果も認められています。
黒酢の味はどんな特徴があるの?
長い熟成期間を経て完成した黒酢。香りについては長い熟成期間を経ているだけあり、他の酢に比べてまろやかな香りで、色からもわかるように、独特のコクと風味があります。普通のお酢に感じるツンとした香りではなく独特なまろやかな香りです。普通のお酢に比べて成分の含有量が多いので、濃い味に感じます。
黒酢の中でも米黒酢は大麦黒酢より酸味が強く、原液のままでは少し飲みずらですが、ほかの飲み物に混ぜて飲むと黒酢ならではのコクや風味を楽します。大麦黒酢は米黒酢よりさっぱりとした味です。
黒酢を使ったおすすめ料理
黒酢の独特なコクや風味は、魚や肉の臭みを抑える効果あります。黒酢の持ち味の風味を活かしながら酢酸でお肉の油っぽさを押さえコクをだしたお肉料理や、黒酢の味になれると普通のお酢の代用としてドレッシングやカルパッチョなど素材の味をそのまま楽しむお料理にも使え、美味しく健康的に黒酢を摂ることができます。参考までに黒酢と相性のいいおすすめなお料理を3選ご紹介します。
黒酢酢豚
酢豚に黒酢を使用すると豚肉の臭みをとると同時に独特な風味が付いてコクのある品に仕上がります。
黒酢のマリネ
煮込み料理はコクや風味がでていいけれどマリネにはちょっと…と思ってしまいがちですが、黒酢はほかの酢に比べて酸味が柔らかく、まろやかな香りなので、お刺身のマリネや生野菜のマリネにも最適です。
黒酢の魚の照り焼き
照り焼きのお魚というと一般的に白身魚ですが、黒酢のまろやかなコクと豊富なアミノ酸の味わいが淡白な白身魚に絡んで、黒酢と白身魚の相性はばっちりです。魚の臭みが和らぎ味わい深い一品になります。
黒酢がないときに代用できる調味料
「しまった!黒酢を切らしちゃった」などと、今、使いたい調味料をうっかり切らしてしまったということはよくあることです。そこで黒酢を切らしてしまったというときに、黒酢に代用できる調味料をご紹介します。ただし代用はあくまでも代用なので黒酢本来の独特のコクや風味にはかないません。
米酢を代用するときはこんな工夫をしてみよう
黒酢の代用には家庭にある米酢(普通のお酢)が代用に使えます。
米酢を代用にする時のポイントはレモンやスダチのしぼり汁を加えることです。これは黒酢の方が米酢よりも酸味が強いので酸味を足す意味で加えます。加える分量は味を見ながらお好みで酸味を出してください。
また黒酢には独特のコクがありますが、同じようなコクは代用の米酢ではなかなか出しづらいです。米酢を代用したときは、たとえば調理に加える砂糖を上白糖ではなく黒糖などコクのある砂糖類を用いたり、上白糖を使う場合もそのまま加えるのではなく煮詰めてカラメル状にしたものを米酢と一緒に料理に加えると料理の味にコクを足すことができます。
イタリアのお酢・バルサミコ酢を代用するときは
バルサミコ酢はぶどうの濃縮果汁で作ったお酢です。長期間樽で熟成させているので独特なフルーティーな芳香があります。甘みも少しありデザートにも利用されるお酢ですが、黒酢がない時に黒酢の代用に使用できるお酢です。
バルサミコ酢は醤油と相性がよいので、バルサミコ酢を黒酢の代用にするときは、醤油やケチャップ、もしくはウスターソースを足してコクを付けて使用してみましょう。またバルサミコ酢も酸味はきつくないので、酸味を出したいときはレモン汁かスダチなどのしぼり汁や、赤ワインを熱しアルコール分を飛ばしたものを加えるとより黒酢に近い味わいになります。
【関連リンク】
・米酢と穀物酢の違いや特徴
・バルサミコソースとは?どんなお料理に合う?
・バルサミコ酢とは?その効果や栄養、使い方について
・バルサミコ酢に賞味期限はある?保存方法は?
黒酢ってこんなお酢!
壺の中で数年間熟成した黒酢は、豊富なアミノ酸を含んで健康維持にうれしい成分を含んだお酢です。いつも使用しているお酢を黒酢に変えることで、食事から摂取しづらい栄養素をいっぱい体に取り入れることもできます。黒褐色な色合いからもわかるように、独特な風味とコクと旨みは、色々なお料理に使用できます。上手に黒酢を食事に取り入れ健康維持を図ってください。