2016年12月23日更新

チーズのみに使用されているナタマイシンの危険性

チーズの表面

ナタマイシンとは、日本ではチーズの表面処理剤としてのみ使用が認められている食品添加物です。ただ、ナタマイシンは抗生物質であるという側面や過剰摂取によって体調不良を起こす可能性のある物質でもあります。

  1. 目次
  2. ナタマイシンとは
  3. チーズに使用する目的
  4. ナタマイシンの危険性

ナタマイシンとは

ナタマイシンとは抗真菌性物質であり、別名でピマリシンとも呼ばれています。

放線菌という微生物が元になっており、医薬品としての用途もある抗生物質でありながら、耐性菌などの恐れの少ないものとされているため、食品添加物としての用途があります。

ただ、EUでは食品への使用が認められているものの、ナタマイシンが抗生物質であるという側面から、表面保存剤として特定のチーズやドライソーセージのみに限定的に使用を認めている状況です。また、アメリカでは肉への使用が禁止されていますが、諸外国では使用しているケースも多くあるようです。

国の食品安全委員会によると、ナタマイシンの抗生物質であるという側面は気にしなくて良いという見解が出ているようですが、今後TPPにより諸外国からナタマイシンが使用されている輸入品が入ってくるとなると、あまり安心はできない気がします。

チーズに使用する目的

ナタマイシンは、日本では2005年に食品添加物としての使用が認可されています。ただし、食品衛生法による使用基準が設定されており、使用が認められているのはナチュラルチーズのハード及びセミハードの表面部分のみであり、使用量も0.020g/kg未満とされています。

ナタマイシンは、チーズ表面に発生するカビを抑制するための表面処理剤としての用途しか認められていない物質ということになります。ナタマイシンは、保存料として使用されるソルビン酸やと異なり、浸透性が小さく表面に残存することができるので、表面にカビが生えやすいチーズには有用ということになります。

ナタマイシンの危険性

ナタマイシンには、急性毒性、催奇形性や変異原性、アレルギー反応、また抗生物質であるという点で気になる、長期にわたる摂取での耐性も蓄積されないという研究報告があるようです。
ただし、繰り返して摂取することで吐き気や嘔吐、食欲不振や下痢などを引き起こす恐れのある危険性のある物質とも言われています。そして、微生物の増殖を抑える力がソルビン酸や安息香酸の数百倍と言われているのです。ナタマイシンには毒性はないとされていますが、強力な活性があるという点が、人体に影響はないのか懸念されるところではあります。

ナタマイシンは、通常食品添加物や医薬品に使用される程度の摂取量であれば、健康に害をもたらさないという見方がされていますが、それを実証する決定的な研究結果は今のところないようです。

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