2017年2月6日更新

きび砂糖とはどんな砂糖?気になるカロリーと栄養素

お砂糖にも真っ白い砂糖から褐色の砂糖、グラニュー糖のようにさらさらしている砂糖があるけれど、茶色く色づいたきび砂糖って一体どんなお砂糖なのでしょう?血糖値を気にする人は毎日の食事につかうお砂糖も気にしたい点です。今回は健康にいいと今注目されているきび砂糖をご紹介しながら、気になるカロリーや含まれる栄養素、きび砂糖ならではの効能を見ていきましょう。

  1. 目次
  2. きび砂糖とは
  3. きび砂糖の特徴
  4. きび砂糖の成分及び栄養素
  5. きび砂糖の効果効能
  6. きび砂糖を使ってみよう

きび砂糖とは

きび砂糖の作り方

きび砂糖はさとうきびが原料となったお砂糖です。通常使われている上白糖のように完全に精製された砂糖ではなく、精製する途中の砂糖液を煮詰めてつられています。そのためさとうきび本来の風味が味わえます。煮詰めることで上白糖とくらべると、糖蜜が残っているので色が薄い褐色をしており、さとうきび特有のコクがあります。上白糖より少し粒も大きく堅そうに感じますが、お料理には影響はありません。

きび砂糖のカロリーと糖質

きび砂糖100gにつき熱量は396Kcalです。原料が同じ上白糖は100gで384Kcalなので、砂糖の中でもカロリーは少し高めです。きび砂糖はさとうきびの糖蜜を含んだ精製度の低い砂糖です。純粋に精製された上白糖やグラニュー糖のようなクセのないすっきりした甘みというより、きび砂糖は還元糖(ぶどう糖や果糖など)や灰分が含まれる低純度であるため、その分甘味を強く感じます。甘みは黒砂糖よりまろやかで、上白糖やグラニュー糖より雑味がありますが、気にするほどの雑味ではありません。

実際の甘さ(甘み)

甘さは、さとうきびの苦さやアクを抜いた柔らかでまろみの甘さです。普通の砂糖と比べても甘味に基本的な違いはありませんが、人間の味覚というものは純粋なものより雑味が多い方に強く味わいを感じるものなので、その点から純度の低いきび砂糖は白いお砂糖に比べて甘みを強く感じます。ただ一般家庭で使用する場合はほかの砂糖と同量の分量を使用しても甘みに違いはありません。

きび砂糖の特徴

他の砂糖の代用になるか

甘味については他の砂糖と大した変りはありません。たとえばレシピに、砂糖大さじ1と記載されていればきび砂糖で代用する場合も大さじ1杯で甘みに変化はありません。しかしコクや風味、色あいや旨み成分に違いがあるので、色つきやコクや風味の特徴をつかんで使い分けるとさらに美味しい調理ができます。

おすすめのお料理

砂糖自体が薄い茶色なのでお料理の出来上がりも少し色づきます。コクと風味のある砂糖なので、根菜を煮てつくる筑前煮などの煮物や煮魚、魚の照り焼きに使用するのはおすすめのお料理です。独特のコクが魚の旨みを出したり、魚の生臭さをおさえてくれます。
その他お菓子やケーキ、パンなどコクや風味をかもしだすお料理にはおすすめのお砂糖です。

きび砂糖を使う上での注意点

薄い褐色をしているので、スポンジケーキを薄い色に焼きたい時や、ホイップクリームに使用すると色がついてしまいます。またきび砂糖は上白糖に比べるとコクがあるので、繊細な素材の旨みを活かしたい和食や、香りや素材の味を活かしたいフルーツのシロップなどに使用すると、出来上がった味に繊細さがなくなってしまうこともあるので、そういう場合は精製された上白糖やグラニュー糖を使用することがおすすめです。照り焼きに使用する場合は焦げやすいのでご注意ください。

きび砂糖の成分及び栄養素

きび砂糖の栄養成分

100gあたりのきび砂糖の成分は次の通りです。

・総熱量     396Kcal
・炭水化物    98.8g
・ナトリウム   10~30mg
・カリウム    142mg
・カルシウム   10~35mg
・マグネシウム  3~20mg
・リン      1.1mg
・鉄       0.15~0.45mg
・銅       0.05~0.30mg
(日新製糖・100gあたりの栄養成分表より)

成分の特徴

上白糖よりアミノ酸などのうまみ成分が多く含まれています。そのためお料理は色つきがよくなったり、照りがつきやすくなるほか、コクをまして風味が強くなります。上白糖よりカリウムやカルシウムなど体の健康維持に欠かせないミネラルが多く含まれています。たとえばカリウムは上白糖より70倍近く多く含まれて、カルシウムも約10~30倍多いです。黒砂糖に比べるとミネラルは少ないですが味はマイルドで、上白糖やグラニュー糖に比べるとミネラルは多いけれど味に繊細さがないのがきび砂糖です。

価格を見ると

製造過程に手間がかかることなどから、他の砂糖に比べて価格が少し高い砂糖です。しかし、精製された白い砂糖よりもカルシウムやナトリウムなどのミネラル成分が豊富で健康にいいという健康志向派の人には大変人気のある砂糖です。お砂糖は毎日つくるお料理には関わりの深いもの。お砂糖は食材ではないけれど補助的に健康に必要な栄養素持っているので、お砂糖の中でもきび砂糖の成分は健康に優しい成分として、その価格を考慮して購入される人もいます。

きび砂糖の効果効能

むくみをとる

きび砂糖に多く含まれている成分のカリウムは体のむくみをとる効能があります。カリウムは細胞の内側や外側の水分や浸透圧を調整してくれる効能があり、むくみの予防効果があります。また腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑えて、利尿作用を促す効能があります。効果的にナトリウムが排泄されることにより高血圧の予防にもつながります。

イライラを解消

カルシウムが多く含まれていることで、イライラ感を解消してくれると注目されています。カルシウムは天然の精神安定剤と言われるほどの成分。リラックスをはかるティータイムに、カルシウムが豊富に含まれているきび砂糖を使ったつくられたお菓子は、リラックスタイムの気分解消により効果を上げてくれます。その他、たとえば発育期の子供、妊婦や授乳期に女性、高齢者は、同じ甘味料も上白糖よりカルシウムを多く含んでいるきび砂糖を利用すると、様々な体長不良や病気への効能を補助してくれます。

血糖値の上下がゆっくり

精製される途中に砂糖液を煮詰めてつくられたきび砂糖は、精製されていないことから、糖質がゆっくり体に吸収されて、血糖値の上下にゆっくり時間がかかるため、少しの糖分で長い時間、糖質が体を維持してくれます。そのため血糖値を気にする糖尿病などを患っている人は、上白糖よりきび砂糖を好んで摂取する人もいます。また精製されておらず吸収が緩やかなので、ダイエットしている女性や便秘にも効果があると言われています。

きび砂糖を使ってみよう

糖質は体には欠かせない栄養源であり、その糖質の代表に砂糖があります。砂糖も原料や製造方法によって成分が異なり効用や適するお料理も様々です。さとうきびを原料に精製途中の砂糖液を煮詰めてできたきび砂糖は、ミネラルも豊富で体にやさしいお砂糖として人気です。特徴を把握して、上手に調理することで毎日の食事も健康でかつ美味しく楽しめます。価格は少しお高めですが、毎日の食生活に上手に取り入れてみましょう。