2017年2月1日更新

バレリアンは臭いけど効果抜群!? 〜その効能と副作用とは〜

バレリアン

バレリアンというハーブがあります。
このハーブは不眠など、睡眠に関する問題や障害を改善してくれることで有名なので、そういった悩みを持っている人は一度くらい名前を聞いたことがあるかもしれませんね。
とはいえ、ハーブはハーブ。バレリアンは薬ではありません。
だれでも手に入れられる植物で、はたしてどれくらいの効果が得られるものなのでしょうか。
また、バレリアンには睡眠改善以外にどんな効能があるのでしょうか。

  1. 目次
  2. バレリアンとは
  3. バレリアンの栄養成分とは
  4. バレリアンの効果・効能とは
  5. バレリアンの基本的な使い方
  6. バレリアンの副作用や注意点は?
  7. 用法・用量を守ってバレリアンで快眠を!

バレリアンとは

バレリアンは、オミナエシ科カノコソウ属の多年生植物。日本ではセイヨウカノコソウと呼ばれているハーブです。
原産はヨーロッパで、主に根が薬用として利用されています。

バレリアンの味と香りはどんなもの?

バレリアンは、少し苦みのある独特の味をしています。
独特さは香りも同じで、人によって、もしくはそのときによってまったく違う印象を受けるようです。甘い香りがするという人もいれば、木のにおいを感じる人もいます。また、トイレのようで臭いという人もいるようです。

バレリアン=マタタビ?

バレリアンのにおいは人によっては悪臭ですが、猫にとってはたまらない香りのようです。
バレリアンはマタタビと同じように猫を酔わせると言われています。

バレリアンの栄養成分とは

バレリアンにはビタミン群とミネラル類の他、テルペノイド類やアルカロイド類なども含まれています。
ファレポサイド、ボルネオール、ボルニルイソバレレート、吉草酸、カノコノール、イリドイド、ボルニルアセテート、ケッシルアルコール、ケッソウグリコール、バレポトリエート、バレラノンなど。

バレリアンの効果・効能とは

バレリアンは、不眠症や睡眠に関する問題を解消するのに最適なハーブだと言われています。
なぜなら、効果・効能の最たるものが”不眠の解消””睡眠導入””不安やストレスの解消”だから。
これにより、きちんと眠れるようにしたり、睡眠の質を上げたりという効果が見込めるのです。
その効き目は抜群で、ドイツではバレリアンは睡眠薬として使われているほど。しかし日本では医薬品には指定されておらず、あくまでもハーブという扱いです。

バレリアンは不眠症に効果抜群

不眠症にはいくつか種類があります。
寝つけない、夜中に何度も目が覚める、熟睡できない、昼夜が逆転するなど。
バレリアンには、こういったさまざまな症状を改善する効能があるので、不眠症だけでなく、睡眠の質を上げるためにもちいられることも少なくありません。

不安をやわらげ、気持ちを落ち着ける効果も

バレリアンには、神経を落ち着けて気持ちをやわらげる効果もあります。
そのため、バレリアンが薬として処方されている国では、不眠のほか、抗不安薬としてもちいられることも珍しくありません。
もちろん、高血圧や胃腸の不調なども、神経性のものならバレリアンがよく効きますよ。
また、気持ちがやわらぐことで筋肉の緊張もほぐれるので、肩こりや腰痛、生理痛、ストレスからくる過敏性腸症候群、胃痙攣などにも効果があります。

傷や炎症にもバレリアン?

バレリアンは、潰瘍や湿疹、傷など局所的な外用にももちいられることがあるようです。
しかし外用の場合、刺激により炎症が起こることも考えられるため、専門家以外の利用はおすすめされていません。

バレリアンの基本的な使い方

バレリアンは乾燥させた葉以外にも、サプリや精油などが売られています。
どれも不安解消やリラックス、不眠の改善が目的なので、自分のスタイルにあったものを選ぶといいでしょう。
アロマとして使用する場合、専用に生成された精油を使い、その精油は飲用にはもちいないこと。ハーブティーを作るときは、食用として売られているドライハーブを買うようにしてください。

バレリアンのハーブティー

カップにバレリアンを小さじ2分の1入れ、熱湯を注ぐ。
3分ほど蒸らせば出来上がりです。
ただし、バレリアンだけのハーブティーは苦味が強く、慣れないうちは飲みづらいかもしれません。
ほかのハーブとブレンドする場合は、バレリアン1に対してほかのハーブを4の割合にするといいでしょう。

バレリアンの副作用や注意点は?

バレリアンの副作用

バレリアンの副作用は、公の発表ではなしとされています。
実際、多量に摂取しなければほとんど問題は起こりません。
しかし、バレリアンはその効果、効能から常習性や依存による過剰摂取が懸念されているハーブで、その際には胃腸への負担などが心配されているようです。
具体的には、頭痛、吐き気、高揚感、ふらつき、低体温、筋弛緩などです。

バレリアンの注意点

  • バレリアンには催眠効果があるため、睡眠薬と併用しないようにしましょう。
  • バレリアンの摂取は流産につながる恐れがあるので、妊娠中や妊娠予定の人は避けましょう。
  • バレリアンを摂取したあとは車や機械の運転はしないようにしましょう。

バレリアンを飲んでいい人と飲まないほうがいい人

バレリアンは日本ではハーブですが、薬として処方されている国もあるほど強い効果があるものです。
ですから、現在、すでに睡眠薬を服用している人は飲んではいけません。
また、現在睡眠薬を飲んでいなくて、これからも薬は飲みたくないという人も、バレリアンは避けたほうがいいでしょう。
それに加えて、一度バレリアンを摂取して眠りにつくことで、それから先もバレリアンが手放せなくなりそうな人も避けておいたほうがいいかもしれません。

バレリアンの摂取量はどれくらい?

バレリアンの推奨摂取量は一日一回、寝る前に400mg~900mgです。
厳密には、バレリアンのドライハーブ1.5g~3.0gから作ったハーブティーを400mg~900mgということ。睡眠の改善にはこれを一ヶ月程度続けるといいとされています。
睡眠以外に不安感などを取り除くためにバレリアンをもちいたい場合は寝る前以外にも服用して構いませんが、トータルして一日900mgはこえないようにしてください。

少しややこしいのがサプリメントのバレリアンの摂取量です。
基本的には、説明書きに書かれている用量を守れば問題ないのですが、サプリによって、バレリアン抽出物の含有量に着目して用量を算出していたり、バレリアンに含まれるバレレン酸で算出していたりとさまざま。
ですから、サプリのバレリアンを摂取するときは、バレリアンのハーブティーは念の為に飲まないほうがいいでしょう。

用法・用量を守ってバレリアンで快眠を!

眠れないと疲れが取れないし、体調が心配だし、いろいろ大変ですよね。
そんな不安を解消してくれるハーブがバレリアンです。
摂取には量などをしっかり気にしなければいけませんが、きまりを守れば質のいい睡眠が得られるのですから、こんなに嬉しいことはありませんよね。
明日が楽しみすぎて眠れない……そんなときのために、バレリアンを用意しておいてはいかがでしょうか。