2018年9月2日更新

かんぴょうの原料となる夕顔には毒がある?

夕顔

かんぴょうの原料である夕顔という植物は、同じウリ科の瓢箪(ひょうたん)は有名です。夕顔の花は夕方に咲いた花が午前中にしぼんでしまうことから名前の由来がきています。姿は冬瓜、名前は朝顔と似ている夕顔の毒性や食べる地域なども併せてご紹介していきます。

  1. 目次
  2. 夕顔とは?
  3. 夕顔・朝顔・ひょうたん・冬瓜の違いについて
  4. 夕顔の毒についてと美味しい料理の仕方
  5. これで完璧!夕顔を上手に使ってご飯のお供を作ろう

夕顔とは?

夕顔はウリ科の一年生つる草のことを指し、実全体に毛の多い植物です。北アフリカ原産で、日本に伝わったのは平安時代の中国を介してだと言われています。夕顔の特徴はその大きな実であり、素朴な味わいで使い勝手が良く、数多くの料理に使用できる植物でもあります。

また、似た姿をしているひょうたんもありますが、夕顔は同じウリ科の苦味が強いひょうたんを分化し、苦味を抑えたものがこの夕顔で食用として出回っています。

夕顔はかんぴょうになる

寿司屋などでもお馴染みの茶色い風貌をしたかんぴょう。甘くて美味しい寿司ネタですが、かんぴょうの原料となっているのはこの夕顔です。夕顔の実を細長い帯の状態に剥いてから加工し、最後にはかんぴょうの姿になって私たちの舌を楽しませてくれます。

しかし、夕顔を食べる地域である沖縄県では「チブル」という冬瓜のように煮物や炒め物などにアレンジした料理の方が人気です。様々な食べ方を違う地域でされている夕顔は、味付けが濃い料理でもマッチするので夕顔をそのまま食べる地域では重宝されているようです。

また、夕顔を栽培している地域はかんぴょうの生産が盛んな栃木県や新潟県、山梨県、長野県などですが、夕顔を積極的に食べる地域は岩手県などだそうです。岩手県では夕顔を「おふくろの味」と称して昔から料理にして食べられています。

夕顔の花について

夕顔は食用としてのイメージが強いため、実の方にスポットが当てられがちですが、夕顔は綺麗な白い花を咲かせる可憐な植物でもあります。そんな夕顔の花は夏の夕方頃に咲いたあと、翌日の午前中にはしぼんでしまうことからこの夕顔という名前が付けられました。由来はそのままの意味ですが、夕方に咲く花としても知られる夕顔は面白い一面を持つ植物でもあると言えそうです。

夕顔・朝顔・ひょうたん・冬瓜の違いについて

混乱してしまうことも多いですが、夕顔や朝顔、ひょうたんや冬瓜はどれも似ていますが異なる部分があります。分かりにくくなってしまうのですが、上記でも触れたようにまず夕顔とはウリ科である「ひょうたん」の苦味が少ないものを食用にした種類のものを指します。ひょうたんと夕顔は同じウリ科の種類なので親戚のような関係です。

また、夕顔と非常に名前が酷似した朝顔は梅雨の季節に良く目にするあの朝顔です。朝顔はヒルガオ科というカテゴリーに属するので、朝顔は夕顔やひょうたんとはまた別の植物ということになります。地域によっては夕顔を夜顔という呼び方で呼んでいるところもあるので混合しないようにしたいところですね。

そして最後に夕顔と良く似た冬瓜という種類の植物ですが、冬瓜もひょうたんや夕顔と同様にウリ科の植物になります。この二点は大きな実をつけることでも非常に似ているので見分けがつかない人も多いのですが、大きな区別の仕方としては夕顔の実は黄緑色で冬瓜は深い緑色、夕顔の実は柔らかく隙間なくぎっしりと詰まっていますが、冬瓜は実が固く、種の付近に隙間があるのが簡単にできる見分け方でしょう。

どれも似ていると感じる植物ですが、属するカテゴリーが違ったり、中を切ってみると違いが分かるなどの微妙な変化があるので、しっかりとそれぞれの違いを区別して上手に料理の材料として生かしていきましょう。

夕顔の毒についてと美味しい料理の仕方

味の染み込んだ美味しいかんぴょうの原料となる夕顔ですが、一部ではこういったひょうたんやかんぴょう、夕顔などを食したことによって食中毒になったという疑問の声もあります。毒が入っているものがあるかもと心配になっている人もいるかと感じますので毒性やバリエーションが広がる料理についても触れていきます。

夕顔に毒?

似ているものが多いので夕顔に毒があると思っている人もいますが、毒があるのは夕顔ではなくひょうたんの方です。

しかも食用と表記されているものではなく、食用ではない方のひょうたんに含まれる「ククルビタシン」という物質が原因となっているようです。

生のしかも食用ではないひょうたんを食べた場合、摂取した数時間で吐き気や嘔吐、腹痛や下痢などの消化器官に異常が発生します。食用としている夕顔などはこういった毒の心配はないのですが、食用ではないひょうたんなどを夕顔と誤って食べてしまうこともあるそうなので注意しましょう。

夕顔を美味しく食べよう!

味わいが素朴な夕顔はどのような料理にもマッチしますが、調理例としては煮物や炒め物、あんかけや味噌汁の具、スープや麻婆豆腐などにアレンジしても美味しく食べられます。また、お刺身にしてさっぱりと食べたり、コンソメを加えて洋風にしてもまた違った味付けで楽しむことができます。

これで完璧!夕顔を上手に使ってご飯のお供を作ろう

マイナー植物である夕顔についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。かんぴょうがなければあまり知られない存在なのですが、実は様々な料理法があるのが夕顔の魅力です。似ている植物が多いので困惑してしまう人もいるかもしれませんが、違いを知って区別することで夕顔が何かを分かるようになります。美味しい夕顔料理で味わい深い美味しさを引き出してみてくださいね。