2020年9月24日更新

安定のおいしさが作れるクリームタータ(ケレモル)とは?使い方を解説

メレンゲ

お菓子作りに詳しい方は見聞きしたことがあろうクリームタータとは、細かく密になったメレンゲやケーキなどを作る際に、少量加えるだけで簡単に泡立ちが良くなる気泡の安定剤のようなものです。今回は、別名ケレモルとも呼ばれるクリームタータの使い方などもご紹介します。

  1. 目次
  2. クリームタータ(ケレモル)とは
  3. クリームタータを使うときの使用量は?
  4. クリームタータがないときの代用と注意点
  5. クリームタータはどんな食べ物に合う?
  6. クリームタータの上手な使い方とは
  7. クオリティの高い製菓を作るならクリームタータ!

クリームタータとは(ケレモル)

クリームタータとは、酒石酸水素カリウムと呼ばれる食品添加物のことを指し、元となるのはぶどう酒です。ぶどう酒を製造する際に発生する酒石を再結晶させた後、精製され作られます。

沈殿物や樽の壁に付着する酒石は、カリウムやナトリウムなどと繋がると酒石酸水素カリウムと呼ばれる物質や、酒石酸ナトリウムという物質になります。酒石酸水素カリウムは、もともとレモンやぶどうといった酸味を感じる果物に含まれている成分であり、食品添加物としても指定されているため、安全性について不安に感じる必要はないと言えます。

クリームタータやクリームオブターター、ケレモルなど様々な呼び方があり、主にメレンゲをより密集させた泡に仕上げたい際に使われています。

酒石酸とは。その用途と効果

クリームタータを使うときの使用量は?

クリームタータを使用する際の量は、卵白一個分でひとつまみ程度が目安です。

ふるふるとした食感のシフォンケーキ作りなどはキメ細かい濃密な泡を作ることが美味しく作るカギですが、確実に気泡を潰さず作りたいというときにクリームタータを入れてみましょう。

クリームタータを入れるのと入れないのとでは混ぜているときに大きな違いを感じるほどです。

作るものや使用する材料なども場面によって変わるため、初めは様子を見ながら量を調節して作ってみると失敗せず作れます。

クリームタータがないときの代用と注意点

お菓子作りをしているときにクリームタータが手元にない場合、酒石酸を代用で使うこともあるようです。

酒石酸は薬局などで販売しており、以前は市販されている酒石酸をお菓子作りの材料に使用していたこともあったようですが、薬品として販売している酒石酸は食品用に作られたものではないため、あまり詳しくないという方は酒石酸で代用するのは避けた方が無難です。

もちろん食品添加物として、食用を目的としている酒石酸もありますが、使用するなら製菓店で購入したものや、食品用と記載されているかどうかを確認し、口に入れても問題ないかどうかの判断が必要です。

不安な方は一般的に泡立ちが良くなると言われるレモン汁などの代用で留めておきましょう。

クリームタータはどんな食べ物に合う?

ここまでで、クリームタータがシフォンケーキやメレンゲを作る上で必要になる材料ということは分かりましたが、その他にどのようなお菓子と合うのでしょうか。なくても良いけれど、入れた方が格段に美味しくなる食品はたくさんあります。

マカロン

マカロン

お菓子作りの中でも比較的難易度の高いマカロンは、クリームタータを使って失敗知らずになりましょう。

ぷっくりとしたフォルムが可愛らしいマカロンですが、ピエ(マカロン下部にできるレース状の膨らんだ部分)を出すのは一苦労と感じている方も多いことでしょう。

ピエが出ない原因はメレンゲの泡立てが足りないことも挙げられるため、その点をクリームタータで改善できれば見た目も美味しいマカロンが出来上がります。

メレンゲクッキー

メレンゲクッキー

何個でもパクパクと食べられるメレンゲクッキーも自分で作るには最適のお菓子です。一口サイズの小さいメレンゲクッキーも、口の中で味わえばサクサクほろほろの食感を十分に楽しめます。そんなメレンゲクッキーも濃密な泡を作ることが大前提です。クリームタータを使って大変な泡立て作業を少しだけ楽にしてみてはいかがでしょうか。

スフレチーズケーキ

ふわふわで柔らかなスフレチーズケーキは万人受けするお菓子ですが、口の中でほどけていくような食感を実現するためにはクリームタータでメレンゲをしっかり泡立てていきましょう。クリームチーズの存在が感じられる香りはたまらない美味しさです。

クリームタータの上手な使い方とは

クリームタータを使って上手なメレンゲを作るためには、前述した目安の量を基準に様子を見ながら加えてみましょう。

メレンゲ作りには水気のないボールや湿気がないことが重要です。それらの環境を整えたら混ぜていくのですが、手動では泡立てるのが大変なため、できればハンドミキサーなどの器具を使うと良いでしょう。

クリームタータを入れて混ぜると徐々にメレンゲができてきますが、泡立ちの状態は混ぜるうちに変化してくるため、使用したいお菓子の用途によって変えてみてください。

6~7分立て

柔らかめの質感でムース作りなどに適しています。角が出来てしまう場合があるため、クリームタータを入れたら様子を見ながら混ぜてください。混ぜるのをやめると筋が立たないか、筋が立ってもすぐに消える状態です。

9~10分立て

角がはっきりと目立つ状態で、ケーキ作りに適しています。角を持ち上げて先が斜めに曲がる程度か、ボールを逆さにしても落ちない程度が9~10分立てです。これ以上の泡立てはやり過ぎになってしまうため、慣れない内は一旦手を止めて確認しましょう。

クオリティの高い製菓を作るならクリームタータ!

食品添加物であるクリームタータは、密度の高いメレンゲを作る上で強力な助っ人になります。前回上手くメレンゲが作れても、毎回成功するとは限りません。そんな失敗を回避させてくれるクリームタータは、お菓子作り初心者やプロにも幅広く活用されています。美味しくふわふわなケーキ作りに挑戦したいという方は、是非一度クリームタータを使って違いを実感してみてはいかがでしょうか。