2021年5月7日更新

水ようかんが分離する原因って?ツヤのある水ようかん作りのコツは温度が大切

水羊羹

入院中の母が真冬に水ようかんが食べたいというので自分で作ってみたのですが見事に分離してしまいました。というわけで今回は水ようかんが分離する原因や手作りで必須となる寒天、アガー、ゼラチンなどの情報も交えてお伝えしていきます。

  1. 目次
  2. 水ようかんが分離して二層になる
  3. 水ようかん作りに合った凝固剤
  4. 水ようかんが分離する原因とは
  5. もう分離させない!水ようかんを綺麗に作るコツ
  6. 手作りでしか味わえない自家製水ようかんを楽しもう

水ようかんが分離して二層になる

涼し気で喉ごしツルンと美味しい水ようかんを大量生産したいと手作りしたことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、型に流し込んで冷やした水ようかんをいざ食べようと確認してみると、透明な部分とあんこが綺麗に二層になっていた経験をしたことがある方も多いでしょう。二層にして見た目に個性を持たせるために意図的に分離させる場合は問題ないですが、水ようかんは全体がなめらかなあんこの味が魅力のため、できれば均一で綺麗な仕上がりにしたいですよね。冷蔵庫に入れる前は分離していなかったのに…と苦い経験をした方も多いことでしょう。

水ようかんの分離をよく見てみよう

冷やした水ようかんを確認してみると、ほとんどの場合あんこが下で水が上になっていることでしょう。一見二層になっていてまた違った綺麗さがあると思いますが、この状態は分離中ため、味については美味しいとは言えません。通常あんこが詰まっているところにあんこがない状態ですから、当然食感や味も悪くなります。なめらかで美味しい水ようかんを作るためにはバランスが最も重要なため、分離させないことが大切です。

水ようかん作りに合った凝固剤

ゼリーやプリン、水ようかんなどは凝固剤を入れることによって固めることができますが、これら凝固剤はどれを使ったら良いか分からないと感じている方も多いことでしょう。それぞれの違いを把握してどの凝固剤がどのようなデザート作りに合うのか覚えておくと良いですね。

アガー

アガーはゼラチンや寒天と比較すると最も透明度の高い凝固剤です。色の良さを生かせる種類であり、常温でも溶けません。無味無臭であるため、風味や味を邪魔せずに美味しく固めることができます。

固さは寒天とゼラチンの中間くらいのプルプルとした食感です。柔らかく、ふるふるとしたなめらかな口当たりで、ゼリー、プリンに加え、水ようかんとも相性が良い凝固剤になります。

アガーとは何?アガーの使い方について

ゼラチン

凝固剤として使われる頻度が高いゼラチンは、アガー、寒天と比較すると口どけが良い種類です。弾力性と粘性に富んでおり、柔らかくもプルンとした食感に仕上げることができます。色は薄い透明感のある黄色をしており、体温で溶けるため冷蔵で固めるのが基本です。

泡を抱き込む性質をしているため、ふわふわな仕上がりにすることもできます。ゼリーやプリン、ムースなどに加え、ババロアやマシュマロなどの食感にすることも可能です。

寒天

寒天はアガーやゼラチンの中で最も凝固力に優れた凝固剤です。固める力が強い寒天は、歯切れの良いなめらかな食感に仕上げることができます。

アガーやゼラチンのように透明感や弾力性はありませんが、食物繊維を含んでいるため人気です。色は白濁をしており、杏仁豆腐やところてん、水ようかん作りに最適です。常温で固まり、粉末寒天、棒寒天、糸寒天などの種類があります。

上記の通り、水ようかん作りに適しているのはアガーや寒天です。

水ようかんが分離する原因

お菓子作り初心者でも簡単に作れそうな水ようかんですが、二層に分離してしまう原因は「あんこの重さ」です。

水よりも重いあんこは、型に流した後にゆっくりと沈殿していきます。そのため、冷蔵庫から取り出した際に下にあんこが落ちてしまい、二層になるという仕組みです。

あんこと水を分離させないようにするためには、下記からご紹介する温度を調節する方法が最も簡単です。

もう分離させない!水ようかんを綺麗に作るコツ

自分用にも贈り物にも嬉しい水ようかんは、色が均一に揃った水ようかんが理想ですよね。しかし、いつも分離してしまうという方は少しの工夫で格段に上手に作れるようになります。誰でも綺麗に作れる水ようかん作りのレシピとコツをご紹介します。

失敗知らず!水ようかんを綺麗に作るコツ

水ようかんを綺麗に作るコツは「冷ます」ことと、「かき混ぜる」ことです。水ようかん作りで活用されることが多い寒天は、40℃程度が固まる手前です。

型に流し入れる前に液をかき混ぜながら冷ますことで、あんこが沈殿する前に水ようかんが固まります。

水ようかんを作る際にいつも分離してしまうという方は、混ぜながら冷ますという工程を加えてみましょう。

水ようかんのレシピ

水ようかん作りで多用される寒天は、前述した通り「粉寒天」「棒寒天」「糸寒天」の3種類あります。その中でも粉寒天は最も多く使われている寒天であり、粉末の形状をしているため水で戻す必要がありません。寒天の中では扱いやすい種類ですが、棒寒天や糸寒天と比較すると仕上がりが大きく変わります。

寒天はただ固める凝固剤にすぎないと思われがちですが、棒寒天や糸寒天は独特の粘り気のある仕上がりにすることが可能です。反対に、粉寒天はコリコリとした口辺りさっぱりの仕上がりになります。

なめらかで粘りのある水ようかんは本当に美味しいですから、グレードの高い仕上がりにしたい方は是非棒寒天や糸寒天をご使用ください。ここでは棒寒天や糸寒天を使った水ようかんのレシピをご紹介します。

【材料/玉子豆腐器 1缶分】

  • 棒寒天または糸寒天 1.6g
  • 水 200g
  • 上白糖 40g
  • こしあん 200g

水ようかんのレシピ

  1. 棒寒天や糸寒天は粉寒天と違い、まず水で戻す必要があります。初めに準備した棒寒天や糸寒天をハサミなどでカットし、分量の1.6gを計量していきます。ボウルにたっぷりの水を入れ、カットした寒天を浸けておきます。浸水時間の目安は6時間程度ですが、時間がない場合は40℃前後のお湯に浸けておきます。1日以上浸けないことと、夏場で室内の気温が高い場合は、冷蔵庫で戻していきましょう。
  2. 時間が経ったら寒天を洗い、鍋に洗った寒天と分量の水200gを入れ、中火から強火にかけていきます。沸騰したら2~3分程度そのまま火にかけ、鍋の中の寒天を最後まで完全に溶かしていきましょう。
  3. 鍋の中の寒天がしっかりと溶けたら、分量の砂糖40gを入れてゴムベラで混ぜていき、砂糖が溶けたら火を止めます。②の段階で寒天がしっかり溶けきっていないうちに砂糖を入れてしまうと、寒天がそれ以上溶けなくなるため必ず寒天が溶けてから砂糖を加えてください。
  4. ボウルにこしあん200gを入れ、そのまま③の寒天液をザルで濾しながら加えていきます。寒天液とこしあんがよく混ざるように、ゴムベラでしっかり混ぜていきましょう。ボウルの中で混ぜあったら再び鍋に戻し、中火で水ようかん液にとろみがつくまで煮詰めていきます。
  5. ここからが水ようかん作りのコツです。鍋の火を止めたら水ようかん液をボウルに移し、さらに一回り大きいボウルに冷水を張ってその中で水ようかん液を冷ましていきます。40℃程度まで温度を下げたいため、湯気がなくなるまでかき混ぜながら冷やしていきます。
  6. 水ようかん液の温度が落ち着いたら、容器に入れて冷蔵庫で3時間以上冷やし固めます。ちなみに寒天は常温でも固まりますが、水ようかんは冷えている状態が一番美味しく食べられますから、中までしっかりと冷やしていきましょう。
  7. 中までしっかり冷えたら型から外し、お好みの大きさにカットして出来上がりです。賞味期限は冷蔵庫で3日以内ですが、なるべく早めに食べ切ってください。

手作りでしか味わえない自家製水ようかんを楽しもう

使う材料が少なく、誰でも簡単に作れそうな水ようかんですが、実は失敗例が多いお菓子です。特に分離する失敗が多く、その原因はあんこが沈殿することが原因です。温度が落ち着くまで水ようかん液を混ぜてあげれば失敗知らずの美味しい水ようかんを作ることができますから、二層になってしまう方は是非一度「冷ましながらかき混ぜる」を工程に加えて均一で綺麗な水ようかんを作ってみてくださいね。