2020年10月28日更新
揚げ油がぶくぶくと泡立つのはなぜ?新品の油を使ってもダメな理由
手の込んだ料理を作れる揚げ物ですが、新品の油を使っているにも関わらず、コロッケやとんかつを作る際に揚げ油からぶくぶくと泡が立ってしまう…という状況になった方は多いでしょう。天ぷらでは大きな泡が立つことはありませんが、パン粉を用いる際に揚げ油が泡立つ原因は何にあるのかご紹介します。
- 目次
- 新品の揚げ油を使っているのに…ぶくぶくした泡が発生!
- 問題ない泡と問題ありの泡の違い
- ケガのもと!揚げ油がぶくぶくと泡立つ原因
- ぶくぶく泡を防ぐためのチェックポイント
- 揚げ油を上手に使ってぶくぶく泡を阻止!
新品の揚げ油を使っているのに…ぶくぶくした泡が発生!
満腹感たっぷりの揚げ物は家庭でも欠かせない調理法ですが、食材を揚げる際にすぐぶくぶくとした大きい泡が出てきてビックリしたことがある方は多いことでしょう。特に古い油を使っているわけでもなく、むしろ新しい油を入れたばかりで泡が発生すると食材の質が悪かったのかと思いがちです。揚げ物は必ず多少の泡は出てきますが、あまりに大きい泡が発生するとケガの心配もあります。
同じ揚げでも天ぷらは泡が出にくい
同じ揚げ調理の天ぷらは、フライに比べてさほど泡が出ません。天ぷらにする食材にもよりますが、泡は出ても許容範囲といったところです。多少の泡は食材に含まれる水分によって出るもののため、全く泡が出ないということはありませんが、コロッケやとんかつ、アジフライなどは天ぷらの比にならないほどぶくぶくとした泡が出ることが多いと感じるでしょう。
パン粉を使う揚げ物は泡が出やすい
コロッケやとんかつなどの揚げ物をする際は、最後にパン粉を付けて下処理を済ませますが、使用するパン粉が乾燥したパン粉ではなく、しっとりとした生パン粉を使っていると揚げ油がぶくぶくと出やすい傾向にあります。生パン粉の方が水分を多く含んでいるため、揚げたときに大きめの泡が出やすい状態になります。
問題ない泡と問題ありの泡の違い
揚げ物をする上で、揚げ油の泡が立つのは避けて通れぬ道です。しかし、その泡には問題のない泡と原因を突き止める必要がある心配な泡の二つがあります。気にしなくても問題ない泡と気にしなければならない泡の違いについて知っていきましょう。
問題ない泡
揚げ物をすると必ずと言って良いほど出てくる泡ですが、問題ない泡は気泡レベルの小さい泡のことです。どのような食材にも水分が含まれており、高温の揚げ油に入れることによって中の水分が変化します。食材の水分は高い温度によって気体になるため、その変化で発生している気泡のような泡は問題ない泡になります。
問題ありの泡
食材を入れてすぐにぶくぶくとした異変を感じる泡は問題ありの泡です。気泡とは呼べないほどの大きな泡が一つ一つはっきりと見えるこの状態は、カニ泡と呼ばれており、揚げ終わった油には密集した泡が集まったまま、しばらく消えない状態になります。
ケガのもと!揚げ油がぶくぶくと泡立つ原因
揚げ物はただでさえ細心の注意を払いながら行う必要がありますが、カニ泡が続々と発生すると最悪の場合ヤケドを負う可能性もあるため、非常に危険です。揚げ油がぶくぶくと泡立つ原因をしっかりと確認していきましょう。
溶き卵によるレシチンが原因
フライだけでなく天ぷらにも同じことが言えますが、溶き卵をたくさん使うと卵黄に含まれるレシチンという成分が溶けて外に出ることで大きな泡が発生します。レシチンが溶け出すほど濃い泡が出てきますが、油を足すことで勢い付いた泡を抑えることができます。
レシチンは乳化剤として使われている成分です。乳化とは水と油を混ぜる役割のことをいいます。
食材に含まれる水分が揚げ油と混ぜ合わさることにより消えにくいぶくぶくとした泡が発生するわけです。
大量揚げによる温度の低下
夏の暑い季節は特になるべく早く揚げ物を終わらせたいと一気に食材を投入してしまいがちですが、適度に上がった油に大量投下してしまうとそれだけ温度が下がります。そこに食材の水分量なども関係して一気に大きな泡を発生させる原因へと繋がります。面倒に感じるかもしれませんが、食材は少しずつ様子を見ながら揚げていきましょう。
揚げ油の酸化
揚げ物をしていてすぐに大きめの泡が出る大半の理由はやはり油の酸化です。普段は目にしないほどのぶくぶくとした泡に加えて、鍋の側面にいつまでも茶色い泡が残っている場合は油の酸化が主な原因です。
動物性油脂が溶け出すため
肉や魚といった動物性油脂が含まれている食材は、揚げている最中に油に溶け出し、大きく消えにくい泡が発生する原因になります。溶き卵のように油を足せば泡の発生を多少抑えることができますが、それでも消えない場合は上記のいずれかに該当する原因が潜んでいる場合があるため何が原因か見極めが重要です。
ぶくぶく泡を防ぐためのチェックポイント
- 新しい油を使う
- 食材は少なめに入れて揚げる
- 溶き卵は付けすぎない
これらを確認すれば驚くような泡の発生を防ぐことができます。動物性の食材や卵の溶け出しなどは気になるようでしたら足し油をして様子を見ながら行ってください。
揚げ油は何回まで使える?
揚げ物はコロッケやとんかつ、天ぷらなどに加え、ドーナツなどのおやつを作る際にも使う登場頻度の高い調理法ですよね。
したがって、もったいないからと何度も使い続けがちですが、前述した通り「使い回しの油」もぶくぶく泡の原因です。
いわゆる油の劣化や酸化と呼ばれますが、家庭で使える揚げ油の頻度は3~4回程度。しかし、これは正しい使い方をした場合に限ります。
調理中は高温にしすぎないことを意識し、180℃前後になるように調節を行います。揚げている最中も菜箸で混ぜるようにし、使用した後は迅速に揚げカスをすくい上げましょう。
温度が落ち着いたら油こしなどで更に細かいカスを除去したら、保存できる容器に移して適切に保存します。油は光や熱によって劣化、酸化が進んでいくため、保存容器に入れて少しでも痛みを少なくすることが大切です。
ただし、異臭がする、粘り気がある、煙が出る、泡が立つといった普段の揚げ油からは見られない異変を感じた場合は、目安の回数に達していなくても油が傷んでいる可能性大です。体のためにも速やかに破棄しましょう。
揚げ油を上手に使ってぶくぶく泡を阻止!
揚げた直後に大きな泡がぶくぶくと出るとビックリしてしまいますが、その原因を未然に防げば泡立ちを抑えることが可能です。揚げ油を使った調理は高熱の油を使っていることで大人でも危ないと感じることがあります。事故やケガの防止のためにも、揚げ物をする際は原因を知ってトラブルを回避しながら調理に挑みましょう。