2018年8月26日更新

姫竹(根曲がり竹)の食べ方、栄養について

春になると美味しい山菜が春の季節の食卓を彩りますよね。筍などはまさに季節を感じる食材です。今回は山菜の一つである姫竹について調べました。食べ方や栄養についてご紹介します。旬の時期に備えて、美味しく味わえるように、姫竹の情報をメモしてくださいね。

  1. 目次
  2. 姫竹(根曲がり竹)とは
  3. 姫竹(根曲がり竹)の旬
  4. 姫竹(根曲がり竹)の保存方法
  5. 姫竹(根曲がり竹)の食べ方
  6. 姫竹(根曲がり竹)の栄養について
  7. 姫竹(根曲がり竹)!新鮮のうちに美味しく食べよう

姫竹(根曲がり竹)とは

姫竹とは「竹」と書きますが、竹ではないので筍でもありません。姫竹はチシマザサ(千島笹)という笹の若芽です。イネ科ササ属の山菜で、学名はSasa kurilensisと表記されます。地表の近くで稈(かん・イネ科植物の茎 に見られる節と節の間が中空の茎)が弓上に曲がっていることで「根曲がり竹」とも呼ばれています。

昔から手軽に採取できる美味しい山菜として親しまれています。春の味覚として楽しむゴロンとした厚みのある孟宗竹の筍と比べると、1~2cmくらいの太さの細くて小さいものですが、香りがよく、アクも少なく、食感がよいと好まれています。

チシマザサは大型の笹ですが、笹と言っても笹自体、竹と近い種であることや、味も筍に近いことから筍の一種として扱われていることがほとんどです。皮は緑で根の方は薄い赤紫色をしています。皮を剥くと黄緑色をしています。細長い形状の筍であるハチク(淡竹)とよく似ていて、食べ方もハチクと同じような食べ方で料理されます。

姫竹を根曲がり竹と呼ぶわけ

姫竹とは山陰地方でよく呼ばれている呼び名ですが、信州から東北地方に行くと根曲がり竹とよばれます。そう呼ばれるわけは、根曲がり竹と呼ぶ地方は、冬に雪が多く、チシマザサの若芽が芽を出し始める頃は、まだ雪が積もっていることがあり、雪の中から出てきた芽は、雪の重みで根元が曲がっているものが多いことから、この地方の人たちは姫竹のことを根曲がり竹と呼ばれるようになったそうです。

姫竹(根曲がり竹)の旬

姫竹(根曲がり竹)の美味しい旬の時期は5~6月です。主な産地は、山陰や上信越地方、東北地方、北海道などです。地方によって芽を出す時期や採取できる時期が違いますが、おおよそ5月初旬か収穫され始め、遅くても6月の初旬には収穫されます。

収穫される期間は短く、また芽を出すと成長が早くて1~2日でかなり大きくなってしまうので、美味しい時期を逃してしまうこともあります。笹やぶの根元にはえるので、姫竹狩りをするのなら笹の葉を探し根元をよく探りましょう。大きく成長したものは硬くて食べられません。食べられるのは、まだ葉が開いていない新葉です。青みを増さない白味かかったものが柔らかい姫竹(根曲がり竹)です。

姫竹(根曲がり竹)の保存方法

姫竹(根曲がり竹)は筍と同じで、収穫後時間が経過するごとに、どんどん風味が薄れ、アクも強くなってしまいます。ですから収穫もしくは購入後はその日のうちに調理してしまうことがおすすめです。すぐに食べない場合はできるだけ早く下茹でしましょう。姫竹(根曲がり竹)は茹でずに保存することはできません。

姫竹(根曲がり竹)の下茹では筍とちがい簡単

姫竹(根曲がり竹)を保存する場合は下茹でしますが、アクがあると言っても筍のような強いアクではないので、糠や米をといだ水などを使わなくてかまいません。普通に茹でるだけで大丈夫です。茹でたら皮を剥き、水に浸した状態で蓋をして冷蔵庫で保存します。水はこまめに変えるようにしてください。この状態で3日くらいは保存可能です。

もう少し長く保存させたい場合は水煮の状態で密封できる瓶などの容器に移し、電子レンジで沸騰させるか、あるいは沸騰した湯に瓶を首まで浸して煮沸した状態にすると、過熱殺菌処理をした状態になり、長く保存することができます。それでも保存時間は2週間くらいです。

冷蔵にしても、過熱殺菌処理をした状態で保存したものにしても、保存期間はあくまでも目安ですので、記載の期間でも味や香りに変化のある時は破棄してください。

冷凍保存をする場合

冷凍保存する場合は、筍と同じように一度茹でてから冷凍します。ただし、冷凍したものは風味も食感もかなり落ちてしまいます。できないことはありませんがおすすめはできません。

姫竹(根曲がり竹)の食べ方

姫竹(根曲がり竹)の収穫したての新鮮なものは、筍と違いアクが少ないので、茹でずに生のまま揚げ物や天ぷらにして食べるのがおすすめです。天ぷらにする場合は縦に反割りにして使います。そうしないと油の中で破裂してしまう場合があるからです。

そのほか味噌汁や煮物、炊き込みご飯などはポピュラーな食べ方です。基本的には筍の料理と同じように料理して食べます。信州や東北地方では缶詰のサバの水煮を使い、姫竹(根曲がり竹)をみそ仕立てにした汁物が郷土料理として紹介されています。

姫竹(根曲がり竹)の炭火焼き

収穫したての新鮮なものは、筍と違いアクも少ないので、皮つきのままで七輪やグリルで素焼きして食べます。素焼きした姫竹(根曲がり竹)は皮を剥き味噌や醤油で食べますが、香りがたち、柔らかくて甘みがありとても美味しいです。

姫竹(根曲がり竹)のホイル焼き

姫竹(根曲がり竹)は細いのでホイルにくるんで焼くと、その分水分を閉じ込めることができ、ぱさぱさにならずに焼くことができます。新鮮な生の姫竹(根曲がり竹)のホイル焼きは、とうもろこしを焼いたような味がするそうです。ホイルの中に水とお酒を少々加えて焼くと酒蒸しになります。どちらも焼きあがったものに、塩を振って食べると甘味が増し美味しいです。

姫竹(根曲がり竹)の栄養について

笹の種類の中でも葉を美味しく食べることができるチシマザサの若芽である姫竹(根曲がり竹)の栄養成分は、食物繊維ビタミンB、C、K、葉酸などのビタミン類、カルシウムやカリウムなどのミネラル類、多糖類が含まれています。笹は胃腸を整え、傷の治りを高める効果があるので、野生の様々な動物も笹をよく食べ効果にあやかろうとします。スタミナをつけるのにも効果的な栄養成分が含まれているようです。春が旬の姫竹(根曲がり竹)には、タラの芽のように春に季節の山菜が持ち合わす苦味があります。これは体をデトックスしてくれる効果があるのです。山菜として楽しむ姫竹(根曲がり竹)には、その季に必要な栄養成分をたくさん含んでおり効果に期待されます。

笹でも筍と同様に成分表示されることもある

日本では竹と笹の区別を一般的には、「大きく成長するのが竹、小さいのは笹」とか、「茎を利用するのが竹、葉を利用するのが笹」というように、竹と笹をはっきり線引きして区別しないことがほとんどです。たとえば竹は北海道などの寒冷地には生えません。それゆえ孟宗竹のような筍は生えません。北海道でいうタケノコ狩りとは、チシマザサの若芽である姫竹(根曲がり竹)のことをいいます。竹と笹の大きな線引きがないので、書物によっては筍の栄養成分が姫竹(根曲がり竹)として記載されている場合もあります。

姫竹(根曲がり竹)!新鮮のうちに美味しく食べよう

笹の葉である姫竹(根曲がり竹)は生での貯蔵が難しいため、採ったらすぐに調理するのがおすすめです。筍よりアクが少ない分、茹でずに生のまま調理できます。若芽はすぐに大きくなってしまいます。美味しく食べられる期間の短いので、旬の時期を見逃さず、春の味を存分に楽しんでください。