2019年2月16日更新

アラメの食べ方、カジメとの違い

アラメ

日本の食文化には海藻は欠かせない食材の一つですが、海藻の種類はたくさんあります。おにぎりには欠かせない海苔も海藻の一種ですし、汁のだしをとる昆布も海藻です。そして今回リサーチしたアラメも海藻の一種です。今回はアラメについて調べました。アラメの食べ方そしてよく似ているカジメとの違いやワカメとの違い、栄養などアラメの情報を盛りだくさんにお伝えします。

  1. 目次
  2. アラメとは
  3. アラメの食べ方
  4. よく似ているカジメとアラメの違いは?
  5. アラメの栄養
  6. アラメを上手に調理!

アラメとは

アラメはコンブ科の海藻です。主要な産地は伊勢志摩地方ですが、岩手県南部以南の太平洋岸、瀬戸内海、九州、日本海中部から南部にかけてと幅広く分布しています。直径2cmほどもある円柱状の茎の先に昆布のような暗褐色の大きな葉をひらひらとつけ、水深5mあたりに生えています。根元から葉先までの大きさは1~2mもある大きさです。岩礁に着生して生えているので、海の中では小魚や幼魚の隠れ場所に利用されたり、アワビやサザエなど植物性のものを食べる魚類のエサにもなっていますが、人間にとっても食用の海藻として利用されている海の植物です。

アラメの食べ方

アラメは刈り取った後、天日干しして乾燥させ、そのあと蒸してから細かく刻んで、葉の柔らかい部分を乾物として使います。ほかの乾物と同じように水で戻したアラメは、煮たり、みそ汁の具などにして食べます。刻むと粘りが出るのでとろろ状にしてご飯のお供もするのもアラメの美味しい食べ方です。アラメから抽出されるアルギン酸は増粘性の多糖類で、食品添加物の安定剤としても利用されてきました。ひじきより肉厚でやや歯ごたえがあり、ひじきなどに比べるとアラメは味が粗いと言われます。乾物の海藻の中では利用度は少ないですが、アラメは昔から日本各地で食べられている海藻です。

アラメの戻し方

アラメは蒸した後に刻んでいるので昆布などに比べると戻し時間が早いのが特徴です。アラメの上手な戻し方は、アラメの10倍くらいの水に10~20分浸けて戻します。戻しているうちに、水が茶褐色になりますが、これはアラメの天然の色素なので心配はいりません。十分に戻った状態では、元の量の3倍くらいの量になります。そのあと2~3回水を交換して、そして水でよく洗います。自然のままの海藻なので砂などが混ざっている場合があるのでよく洗ってください。水でよく洗った後、さらに大きなザルにあげ、ザルごともう一度水洗いするとなおよいです。水洗いが済んだら水気をよく切って料理に使います。

生アラメの食べ方

アラメのほとんどは乾物として流通されていますが、アラメの産地では加工せずに生の若いアラメを食べることもあります。湯通ししてそのまま醤油やポン酢をかけて食べたり、煮て食べることもあります。都心でもたまに生鮮品として店頭に入荷することがあります。

よく似ているカジメとアラメの違いは?

アラメとよく似ている海藻にカジメという海藻があります。アラメもカジメもおなじコンブ科の海藻で、カジメはアラメの近縁種です。よく似ていますが、観察するとアラメは円柱状の茎の先が二股に分かれていますが、カジメは分かれておらず中央部が厚く盛り上がった形をしています。そしてアラメの葉にはしわがあるのに対して、カジメの葉はしわがなくすべすべしているところが違います。カジメはアラメよりも深い海底に生えている点もアラメとカジメの違いです。カジメはアラメに比べて分布範囲が狭く、また水揚げ量も少ないのでアラメよりも値段が高いです。またカジメはアラメよりもアルギン酸の含有量が多いのでカジメの方がよく粘ります。

アラメとわかめの違い

アラメもわかめも同じ褐藻類の海藻です。褐藻類の中でアラメはコンブ科、わかめはアイヌワカメ科の海藻です。わかめは古くから日本人に親しまれてきた食材でそれは日本の古い歌集である万葉集の中にも歌われていることからも垣間見ることができます。わかめは岩などに根をはり葉状部分を海中に伸ばし生育します。わかめの茎は無分岐で、柔らかい葉の部分は50cmから大きいものは2mにも及ぶ大型の海藻です。長い歴史の中で産地も生産期もそして用途も変わっていったわかめ。天然ものだけを食べていた時代はほとんど乾物でしたが、技術の発達で現在流通するわかめは生わかめ、干しわかめ(乾物)、塩蔵わかめなどの種類があります。

生わかめは海から獲ってきたものを湯通ししたものです。干しわかめはアラメ同様に水に戻して使いますが、アラメよりも肉薄なので戻し時間は半分くらいの時間です。同じ海藻なので栄養成分も似ていますが、わかめはとくにヨウ素の含有量が多くアラメよりも低カロリー。ダイエットされている方にはおすすめの食品です。アラメとの違いは生育場所、葉の柔らかさ、そしてわかめは生や塩蔵などの種類があることです。アラメもわかめも調理法に重なるところはありますが、わかめはアラメよりも柔らかいく、アラメよりも味も繊細なので、煮物やみそ汁の具のほかに、酢の物やサラダなどにも利用されます。

アラメの栄養

海藻であるアラメは食物繊維、カルシウムやリン、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラル類、ビタミンB群やβーカロテンなどのビタミン類を豊富に含んでいます。とくに食物繊維をたくさん含んでいると言われることで、日本食品成分標準表(七訂)より100g中の食物繊維の量を調べたところ、何とその含有量は48gもありました。これは野菜のなかで食物繊維が豊富だと言われるごぼうの約8倍の量です。

アラメの食物繊維には特に多糖類の一種で粘質性のあるアルギン酸とフコダインが豊富に含まれています。腸の調子を整えるほか、アルギン酸は体内のナトリウムを排出し血圧を下げる効果があると言われ、フコダインはがんの予防や免疫力を高める効果、抗ウイルスや抗アレルギーへの効果に期待されている成分です。

ビタミン類の中では緑黄色野菜に匹敵するほどのβーカロテンが豊富なのが特徴で、皮膚や粘膜を強化し、免疫機能を正常に保つ働きに期待されています。

アラメを上手に調理!

アラメはほとんどが乾物として流通しています。食べるとき水で戻して食べますが、天日干ししてから蒸して細かくカットしたアラメの戻し時間は、ほかの乾物に比べるととても短い時間で戻せるのが特徴です。豊富な栄養成分を含んだアラメ。上手に戻して美味しく料理して毎日の食卓の一品に加えてみてください。