2017年12月18日更新
くちなしの実は体に良い!その効能や使い方
くちなしの実は、砕くと黄色い果肉を得ることができます。それを使って、食品を黄色く染めることができるので、日本では昔から重宝してきました。中国では漢方薬として飲まれてきたこともあり、くちなしの実には健康に良い成分も含まれているようです。
くちなしの実って何?
くちなしの実は、日本でも目にすることができるものです。黄色い果肉が着色料として、様々な食品に使用されています。
くちなしの実とは
くちなしの実は、アカネ科の常緑樹であるくちなしの果実です。日本を含む東アジアに広く分布しており、特に日本では西日本において多く自生しています。花は強い芳香がありますが、実には香りはありません。くちなしには、「幸せを運ぶ」「胸に秘めた愛」などの花言葉があります。
くちなしは英語でGardenia augusta Merrill又はGardenia jasminoides Ellisといいます。ただこれは学名で一般的にはgardeniaといいます。
くちなしには、ヤエクチナシやコクチナシなどのいくつかの品種が存在します。花は一重咲きや八重咲きするものがありますが、一般に園芸に使われているのは八重咲きのくちなしです。
くちなしの実の特徴
くちなしの実は茶色の皮で、中身は黄色の果肉があります。その黄色の果肉は、食品を着色するための食品添加物として使用されています。香りはほとんどないので、専ら色付けのために使われます。食品の他にも、染物、薬用に使われています。
くちなしの実の効能
くちなしの実には血流を良くする効能があることで知られています。
くちなしの実は、血流を良くしたり、肩こりを和らげたり、さらに目にも良いと言われています。さらに、血圧降下作用や抗炎症作用、鎮痛などの効能もあります。これは、黄色の色味の元になっている、クロセチンという物質によるものです。
ただ、くちなしの実は体を冷やしてしまうこともあるようです。冷えが気になる方はあまり多くを摂らない方が良いかもしれません。
くちなしの実の使い方
くちなしの実は、食品や生薬、漢方薬などにも使われています。大分県ではくちなしの実を使って、「黄飯」と呼ばれる郷土料理がありますし、日本では昔から和菓子や漬物などに使われてきました。
栗きんとんに
おせち料理などで口にすることのある栗きんとんですが、黄色くて美味しそうな色をしていますよね。あれは、実は大概、くちなしの果肉で色付けしたものなんです。くちなしの実は細かく砕いて、お茶のパックなどに入れて、芋と一緒に煮ます。芋が柔らかくなったら、しっかり裏ごしをしてなめらかにします。
そして、それに水、砂糖、塩、さらに栗の甘露煮を合わせて、焦がさないように弱火でゆっくり煮ます。ツヤが出てきたところで火を止めて、全体を混ぜ合わせます。くちなしの実にはあまり香りや味がありませんから、素材の持つ風味を邪魔しないのが良いですね。
たくあんに
くちなしの実はたくあんの色付けにも使われています。植物由来の着色料なので、健康についての心配が少ないのが嬉しいですね。市販のものでも良いですが、是非おうちでもくちなしの実で色付けしたたくあんを作ってみましょう。
お茶に
くちなしの実を乾燥させたものを、お茶として飲むこともできます。くちなしの実には様々な効能がありますので、気になる症状がある場合は気軽にお茶から試してみてはいかがでしょうか。
天然の着色料(既存添加物)として
クチナシの果実から得られた成分に、β-グルコシダーゼを添加すると「クチナシ青色素」と「クチナシ赤色素」という着色料が得られます。また、クロシン及びクロセチンを主成分とするものを「クチナシ黄色素」といいます。
くちなしの実あれこれ
くちなしの実には栄養があるの?
くちなしの実にはクロセチンという血流を良くする成分が含まれています。クロセチンには抗酸化力があるため、体内で発生した活性酸素を減少させることができます。活性酸素は、生活習慣病の元になりうる人体に有害な物質です。
また、その他にもゲニポサイドと呼ばれる血圧降下、鎮痛作用などのある成分や、甘味成分であるマンニットなども含まれています。
くちなしの実は何で代用できるの?
色をつけるだけならば、サフランやターメリックが挙げられます。ただ、両者とも独特の香りがあるため、料理によっては不向きかもしれません。例えば、専らくちなしの実で作られている栗きんとんやたくあんなどにそれらを応用するというのは厳しいでしょうが、サフランライスなどには色をつけるだけならば、十分使えます。
くちなしの実をある程度砕いて、鍋で水と一緒に火にかけて色を出します。十分色が出たら、それを研いだ米と一緒に炊くだけです。色をつけるだけなので、代用せずに無ければ無い、として済ませてしまっても良いでしょう。
くちなしの名前の由来は?
くちなしって独特な名前ですよね。その名前の由来は、「口無」であるという説と「口梨」であるという説があります。「口無」は、果実ができてもそれが弾けたり裂けたりすることが無いためとされ、「口梨」はその果実のなっている様子を元に付けられたと言われています。現在では「口無」が由来であるという説が支持されつつあります。
くちなしの実は何で代用できるの?
くちなしの実がない場合、いざ思い立って栗きんとんを作ろうと思っても諦めてしまうという人も多いでしょう。いつも家にストックしてあるようなものではありませんから、こんな時こそ代用品が知りたいところです。次はくちなしの実がない場合の代用についてご紹介します。
栗きんとんを作るときの代用【ターメリック(うこん)】
栗きんとんを作るときにくちなしの実がない場合、代用できるものはターメリック(うこん)です。栗きんとんに独特の味や香りがするターメリックを加えると変な仕上がりにならないか不安になりますが、ターメリックの味や香りといった部分は実際に加えてみても気にならない程度の仕上がりになります。くちなしの実がない場合、ターメリックを代用として使う際は茹でるときのさつまいもに大さじ1のターメリックを加えると色が付いて代用が可能です。
栗きんとんを作るときの代用【オレンジジュース】
さっぱり爽やかでゴクゴクと飲むオレンジジュースは果たして代用の代わりとなるかこれまた心配です。しかし、ターメリックと同様に茹でるときのさつまいもに果汁100%オレンジジュースを加えることで鮮やかな色合いに仕上げることができます。オレンジジュースの分量はさつまいも300gであれば200mlと100mlの水を合わせてさつまいもに加えます。後味が残るイメージの強いオレンジジュースですが、くちなしの実の代用として作った栗きんとんは爽やかなオレンジの香りがほのかに際立つため、香り豊かにまた違ったおいしさを楽しむことができます。
くちなしの実を使って、暮らしに役立てよう
くちなしの実は、そのままでは使うことはできませんが、砕くことによって色々なものを染めることができます。食品に使うことはもちろん、布なども染めることができるので、タオルやハンカチ、服などを染めてリメイクすることもできます。
なお、くちなしの黄色は、一度染まるとなかなか落ちないほど強力なので、家庭で使うときには十分注意して使用しましょう。