2018年4月30日更新
アイスプラントってどんな味?アイスプラントの美味しい食べ方
近年話題になっているアイスプラントという野菜。葉の表面に水滴のようなものがいっぱいついていて、まるで濡れているように見えますが濡れているのでもありません。今人気のこの野菜、一体どんな味がするのでしょうか。どうやって食べると美味しいのでしょう。今回は近年話題のアイスプラントについて調べました。
- 目次
- アイスプラントとは
- アイスプラントの旬はいつ?
- アイスプラントってどんな味
- アイスプラントの原産地
- 食べ過ぎは塩分の摂りすぎになる?気になるカロリーは?
- アイスプラントの食べ方。生で食べるサラダはおすすめ!
- アイスプラントはサラダや炒め物、おひたしなどメニューがいっぱい!
- アイスプラントを味わってみよう!
アイスプラントとは
アイスプラントはハナミズキ科メセンブリアンテマ属の植物です。英語でCrystalline Iceplantと書きます。葉や茎の表面に透明な水滴のような細胞があることからクリスタリナムという学術名が付いています。この水滴のような細胞が、見た目、凍っているように見えることでアイスプラントと呼ばれるようになったそうです。
ヨーロッパでは古くから食されており、昔からフランス料理の食材によく利用されている野菜です。近年日本でも全国に栽培が広がり、産地や栽培方法によって、バラフ、プッチーナ、シナーナ、ソルトリーフ、クリスタルリーフ、潮菜、ツブリナなどという呼び名で呼ばれています。
アイスプラントの旬はいつ?
日本においてのアイスプラントは、通常水耕栽培されています。そう言った事から、通年流通しており、特に旬の時期はありません。
アイスプラントってどんな味
アイスプラントの特徴である葉の表面の凍った水滴のような部分は、ブラッター細胞とよばれる水疱です。この水疱内には土壌に含まれている塩分が貯まっています。
植物は普通塩分の高い土壌で育つことはできませんが、アイスプラントは自ら土壌の水分と塩分を分離して、葉の表面にたくさんあるこのブラッター細胞に塩分を隔離することができる野菜なのです。
見た目凍った水滴のように見えるこの水疱の中には塩分が含まれているので、プチプチしたこの粒が口の中ではじけるとほのかに塩味がします。
アイスプラントの味わいはほんのりしょっぱくひんやりした感じがあります。青菜野菜特有の青臭さも無く、気になる癖はほとんどありません。葉自体は、レタスのようにシャキシャキした食感というよりは、水疱のプチプチした食感、たとえば海ぶどうに近い感じの食感です。
茎は葉よりプチプチと歯ごたえあり!
アイスプラントは茎の部分の方がプチプチした水疱がたくさんあり、プッチっとした歯ごたえと塩味があります。葉の部分は茎よりも柔らかく、塩味も茎より少しだけ優しい感じです。
アイスプラントの原産地
普通の植物は塩分が高い土壌では育つことができませんが、アイスプラントは、葉の表面に、土壌に含まれる塩分を吸収して、水分と塩分を分離し塩分を隔離できるブラッター細胞という面白い細胞を持ち合わせています。
大地が乾燥すると水分が抜けて土壌に含まれる塩濃度が高くなりますが、アイスプラントはブラッター細胞を持ち合わせているので、塩分の高い土壌でも育つことができるのです。そんなことからアイスプラントの原産地は、まさに乾燥地帯である南アフリカのナミフ砂漠が原産地です。
乾燥地帯でも生息できるアイスプラントは、南アフリカの乾燥地帯に生息する多肉植物で、食用として栽培されています。ちなみにアイスプラントのように高濃度の塩分を含む地帯でも生息できる植物を塩生植物と言います。アイスプラントの表面の水疱がはじけて感じる塩味は、乾燥した土壌に含まれる塩分なのです。
日本で栽培されるようになったきっかけ
アイスプラントに塩分を土壌から吸い取る特性があることに着眼した日本の佐賀大学の農学部の研究チームは、有明海岸の塩害修復対策に、アイスプラントの吸塩機能を利用しようと、1985年にアイスプラントを日本に持ち込んだことが日本で栽培されるきっかけとなりました。
その後生食で塩味がする珍しい特徴を活かして、特産品に育てようと栽培の研究が進められました。2006年には市場出荷が始まり、珍しい素材だと人気を呼び、ここ数年、佐賀ほかにも静岡、埼玉、千葉、東京など全国で栽培が広まったのです。
食べ過ぎは塩分の摂りすぎになる?気になるカロリーは?
葉の表面にあるたくさんの水疱には塩分が含まれているので、噛んで口の中ではじけると塩味を感じるアイスプラント。塩味がするのなら、食べ過ぎは塩分の摂りすぎになるのではないかと心配になるかもしれません。
確かにアイスプラントのミネラルの中には塩分となるナトリウムが含まれていますが、ナトリウムの含有量は100g当たり約240mg、塩分に換算すると約0.6gです。健康な成人の場合、1日あたりの塩分摂取量は男性で9g未満、女性で7.5g未満が適量だと推奨されている量なので、普通に食事に食べるには、健康に悪影響をきたす心配はありません。
逆に1日あたりの塩分摂取量をアイスプラントのみで摂るとすると、男性で1.5kg、女性で1.25kgも食べることになります。
またアイスプラントのミネラルの中にはナトリウムのほかにカリウムも含まれています。体内の余分な塩分を排出する効能を持つカリウムの作用によって、塩分の摂りすぎを防止することができます。またアイスプラントは100g当たり約8kcalと、カロリーがとても低い野菜です。ですから食べ過ぎても太る心配もありません。
アイスプラントの食べ方。生で食べるサラダはおすすめ!
アイスプラントはさっと水洗いするだけで食べることができ、おまけにすでに軽い塩味が付いているので、生で食べるサラダは簡単でおすすめの食べ方です。
さっと茹でておひたしやマリネにしても色が鮮やかで、歯ごたえもよく美味しく食べられます。アイスプラントの特徴はプチッとした食感、鮮やかな緑色と葉の表面についているキラキラ光る水疱の見た目が特徴なので、それを損なう煮物やピュレ―、スムージーなどに調理した食べ方はあまり適しません。ただ人の味覚は千差万別。食べられないという調理法はないので、お好みに調理して味わってみてください。
アイスプラントの切り方
水滴のような模様が付いているアイスプラントを切って大丈夫かと心配になりますが、ザクザク切って構いません。レタスのようにシャキシャキしているわけではなく、プチプチしたなので包丁でサクサクとカットしても食感に変わりはありません。
酸っぱいものと相性が良い
アイスプラントをサラダなど生で食べるとき、マヨネーズやレモン味など酸味のある酸っぱいドレッシングと相性がよく、より美味しくいただくことができます。アイスプラントの持つ塩味とマヨネーズなどの酸味は相性がよく、シンプルな味ですが、食欲が進み美味しいと言われます。おひたしなどは醤油よりも酸味のあるポン酢で食べる方が美味しいようです。
みそだれはまずいから避けよう!
そのままでも薄い塩味のあるアイスプラントにみそだれを付けると、お互いの塩味が味を打ち消してしまい、みそだれで味わうのはまずい!という声をききます。酢味噌にして酸味を加えると美味しいようです。ただ、これも人の味覚は千差万別なのでなかなか評価しにくい点です。
アイスプラントはサラダや炒め物、おひたしなどメニューがいっぱい!
ほのかな塩味とプチプチとはじける食感が特徴のアイスプラント。サラダや炒め物、おひたしなどおすすめのメニューのレシピをいくつかご紹介します。
アイスプラントのからしマヨ和えサラダ
アイスプラントを簡単に美味しく味わうには生で食べるサラダがおすすめです。最初からほんのり塩味が付いているのでマヨネーズやドレッシングは控えめに使うようにしましょう。このレシピは食感がそれぞれ違う緑の野菜を使い、口の中でバラエティーに富んだ食感を味わえるおすすめのサラダです。
<材料>
- アイスプラント1/2パック
- ブロッコリー1/3株
- きゅうり5cmくらい
- マヨネーズ適量
- からし適量
- 塩コショウ少々
アイスプラントとベーコンの炒めもの
https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1390015116/
冷蔵庫に残っているベーコンを使ったとてもシンプルな炒め物ですが、アイスプラントのプチっとした食感とベーコンの肉の柔らかさがベストマッチ。味付けは、アイスプラントとベーコンの塩味を利用して塩は使いません。薄口醤油を隠し味に少々加えると美味しくなります。
<材料2人分>
- アイスプラント1パック
- ベーコン2~3枚
- ごま油小さじ1
- 薄口醤油小さじ1/2
- 白すり胡麻少々
アイスプラントのおひたし
アイスプラントのプチっとした食感はおひたしにしても美味しい食感を出してくれます。おひたしにする場合は茹ですぎに注意してください。おひたしにするときはさっと茹でるのがコツです。茹ですぎると、せっかくのプチっとした食感がなくなってしまうのでご注意ください。だし醤油をかけていただくのも美味しいですが、ポン酢に変えても相性がよく美味しくいただけます。
<材料2人分>
- アイスプラントひとつかみ
- かつおぶし・すりごまなど適量
- だし醤油 大さじ1
アイスプラントを味わってみよう!
キラキラと氷のような水滴が葉の表面に付いているアイスプラントは、サラダに盛り付けると見た目も綺麗です。葉の表面にある水疱の中には塩分が貯められているので、口の中で水疱がプチっとはじけるとほのかに塩味を感じます。
青臭さもなく食感も美味しいアイスプラントの食べ方は、さっと洗い生で食べるのが簡単で美味しい食べ方ですが、サラダに飽きたらさっと茹でておひたしもおすすめです。近年人気のアイスプラント、通年市場に流通しています。見かけたら、ぜひご試食してみてください。