2017年3月17日更新

シャリが特徴的!赤酢寿司の魅力について

酢というと、一般的な調味料から健康食品まで幅広く応用されています。
酢を使った寿司は日本の食文化の象徴でもあり、多くの人に愛されています。中でも寿司好きの間では、赤酢寿司が人気を博しているようです。
私たちが普段食べている酢飯とはひと味違う赤酢寿司、一体どのようなものなのでしょうか。

  1. 目次
  2. 赤酢とは
  3. 赤酢と黒酢の違い
  4. 江戸前寿司とは

赤酢とは

酢は様々な穀物を発酵して作られます。通常、寿司で使われる酢は小麦や米、コーンなどをブレンドしたものであったり、他の穀物を発酵させたものが一般的ですが、赤酢は日本酒を醸造する過程で出た酒粕をさらに長期間熟成して作り出した酢です。
赤酢の発祥は江戸時代であり、ちょうど江戸で寿司が流行したのもこの頃からと言われています。醸造に時間かかることから、高級な酢とされています。

赤酢は赤い?

約2年間かけて熟成された酒粕は、さらに熟成が進むと琥珀色に変化します。これは酵母が酒粕に含まれるタンパク質をデンプンに分解し、さらに分解が進んで糖となる過程で起こります。
そしてここへ酢酸発酵させるための酢種を加えてさらに3~4年熟成すると赤みを帯びることから赤酢と呼ばれます。
その後色は褐色に変化するため、赤酢で作った酢飯は真っ赤ということはなく、ほんのり茶色になります。

どんな味?

味は酢独特のツンとした感じがなく、まろやかでコクと旨味があり食べやすい味になっています。
赤酢で作った寿司は江戸時代からの伝統的な方法で作られるため、砂糖や化学調味料が控えめで、シャリが硬くならずふわっと仕上がるのも特徴のひとつです。

赤酢に含まれるアミノ酸は、自分で作り出すことができないため食べ物から摂取する必要のある成分であり、エネルギー代謝を正常に行ううえで不可欠な栄養素です。
また赤酢には有機酸が豊富に含まれており、この有機酸はカルシウムの吸収を助けたり、ガンを予防したりする働きがあります。
赤酢も他のお酢と同様体にいいものなんですね。

赤酢と黒酢の違い

赤酢のほかに黒酢という種類もありますが、黒酢にはどのような特徴があるのでしょうか。

黒酢とは

黒酢は各地域によって原料が異なりますが、主に玄米や大麦を酢酸発酵させて作られます。
熟成期間は半年から3年と幅があるものの、赤酢に比べる比較的短めですね。

黒酢は様々なミネラルとアミノ酸を豊富に含んでおり、そのアミノ酸含有量はほかの酢の10倍ともいわれています。そのため、調味料として以外に直接飲む健康食品として有名です。
毎日適量を飲むと、コレステロール値が下がるため、血液サラサラ効果や血圧や血糖を正常にする効果があります。
また、疲労を解消したり出にくくしたりする効果や、血中の酸アルカリのバランスを保ち消化や吸収を助ける働きもあります。
赤酢同様、カルシウムの吸収率が上がるためアンチエイジング効果も注目されており、胃腸を殺菌し肝機能を高めるなど、体の至るところに嬉しい効果があるのが特徴です。
 

どんな味?

熟成発酵を経て、醤油のような深みのある色合いをした黒酢は、やや強めの酸味と甘い香りが特徴です。濃厚なコクと芳醇な味わいは食欲を増進させる効果があり、酢が苦手という人でも薄めるとおいしく飲める味になっています。
基本的にはどんな料理にも合いますが、特に炒め野菜、焼きそば、ハンバーグの味を引き立てる効果があります。
料理で使用する際には、沸騰していない状態で入れることがポイントです。黒酢独特の酸味と香りが抜けず美味しく食べることができますよ。

江戸前寿司とは

日本の寿司文化は、関東と関西に分かれて独自の発展を遂げました。関東地区、特に東京で盛んになった寿司文化を江戸前寿司と呼びます。

江戸前の語源は?

江戸前寿司の語源には2つの説があります。1つは江戸前寿司には東京湾の新鮮な魚が使われていたという説、もう1つは関西ではウナギは背開き(後ろ)であるのに対し、関東は腹開き(前)であったことからそう呼ばれるようになったという説です。
いずれにしても、江戸前といえば寿司を指すほど、江戸前寿司は風格ある江戸文化の一部となっています。

江戸前寿司発展の背景

1810年江戸時代、花屋輿兵衛が東京墨田区に輿兵衛寿司を開き、そこで初めて握り寿司が売り出されました。もともとは巻き寿司を作っていたのが、相撲見物で買いに来る客の多さに生産が間に合わず握って出すようになったのが始まりといわれています。
街頭販売であったにも関わらず高値で売っていたため、当時から人々の間で寿司は高価なものというイメージがあったようです。また「新鮮なものを美味しいうちに早く」というせっかちな江戸っ子気質も、握り寿司の味や素材の質を上げる要因になったとされています。
現在でも、新鮮なネタの美味しさを生かすよう、握り寿司のシャリは温度と湿度を徹底的に管理されます。他にも握るときの硬さが口の中で最も溶けやすくなるよう注意し、一貫の大きさもネタとのバランスを計算して握るなど、多くの工夫が施されています。
そして、ここで寿司酢は防腐効果のほか、ネタの味をひきしめて米にツヤを与える役割をしています。

赤酢は、時間をかけて丁寧に作られた、体に優しいお酢ということがお分かりいただけたと思います。
赤酢寿司をまだ食べたことのない方は、一度召し上がってみてはいかがでしょうか。