2018年4月1日更新
古米って臭い?古米をおいしく炊く方法
日本のほとんどの家庭で常備されている白米。炊き立ての白米って美味しいですよね。でも古くなったしまった古米は臭く、新米よりも味も落ちてしまいます。そこで今回は古米を美味しく炊く方法をリサーチしました。古米もこのように炊くと臭くなく美味しく食べることができるようです。
古米と新米の違いとは
古い米と書いて「古米(こまい)」と呼ばれる米は前年度のお米のことをいいます。収穫から1年以上たったお米のことを古米と呼びます。お米は1年古くなるごとに古々米、古々々米とよばれます。新米はその年に収穫されたお米のことで、米の収穫期からみると11月から翌年の10月までを基準に新米と古米と呼びわけます。すなわち11月1日をさかいにこれまで新米だったものが古米になるのです。
JAS法に基づく決まりでは、新米と表示してもよいお米は、収穫年の年末までに精白もしくは袋詰めした精白したお米は、翌年の年初めもしくは遅くとも春まで店頭にて「新米」と表示して販売してもよいことになっています。
古米は臭い?
1年たった古米は、炊くと古い穀物のようなにおいがして臭いと言われます。この臭いは米の糠(ぬか)の部分や米の表面の部分に含まれている脂肪分が古くなって臭くなるためです。
その臭いは、古びた糠(ぬか)のような臭いです。臭いといっても魚や肉などが腐ったような腐敗臭ではありません。「お米のにおいだ」と格別臭い!とは思わない人もいます。
古米と新米の味の違い
その年に収穫された新米は水分の含有量も多く、もっちりした食感や甘みもあり、ご飯好きな人にとってはまさにお米の旬の味わいです。古米も古いからと言っても粗悪なお米だというわけではありませんが、新米に比べると
- 炊きあがりが硬い。粘り気が少なくパサつく
- コメの光沢や色の白さが新米に比べて低い
- 古い穀物、古びた糠(ぬか)のような臭いがする
- 水分が抜けている分炊きあがり時に新米より膨れる
などと言われます。近年は新米を好む人が多いですが、東南アジアなどの国や日本でも昔は古米を炊くと膨れて量が多くなるので、その分おなかがいっぱいになることで古米が好まれ、新米より古米の方が高価な時代もありました。
たとえば現代でも古米は水分の浸透がよい性質から酢を含みやすいため、寿司飯に古米を使うもしくはブレンドして古米を使用しているお寿司屋さんもあります。
古米をおいしく炊く方法
食卓におかずのお皿が多く並ぶようになった近年は、お米でおなかをいっぱいにしなくてもよいため、新米が店頭に並ぶと、どうしても古米よりも新米に人気が集まります。
しかしたとえばお米をたくさん炊かない家庭では米を買っても米が古くなってしまったり、価格の面から古米を買って利用する方もいます。
そのまま炊けば、味は到底新米にかなわない古米ですが、決して粗悪なわけではありません。また上手に工夫すると古米も臭みを感じず、おいしく炊き上げることができます。
はちみつを使って炊く
古米を炊くときに少量はちみつを加えると、新米のようにおいしく炊くことができます。はちみつに含まれているアミラーゼという酵素が作用して、ふっくらと柔らかくおいしく炊きあがるのです。
アミラーゼは米のでんぷんをぶどう糖に分解する作用があります。そのため古米を炊くときに少量はちみつを加えると古米の内部に浸透し、米のでんぷんがぶどう糖に分解されて味がよくなり臭みもなくなります。米の保水性も高まるのでふっくらとした炊きあがりになります。
はちみつの分量の目安は、古米3合に対して大さじ1杯程度です。はちみつを加えると古米も美味しく炊けますが、少し米が黄色っぽくなることがあります。また炊飯器の火力によっては焦げができることもあります。
みりんを使って炊く
古米を炊くときにみりんを少量加えて炊くと、つやが出て旨みがつき、古米を美味しく炊くことができます。またみりんに含まれているアルコールが炊き上げているときに揮発して、古米の臭さを取り去り臭みが消えます。
みりんに含まれている糖質が古米の米の表面をコーティングするため米に艶がでて旨みがつきます。みりんを加える目安は、古米3合に対して大さじ1~2杯です。
重曹を使って炊く
古米を炊くときに重曹を加えると重曹の膨張効果で、古米をふっくら、もっちりとした食感に炊き上げることができます。
加える重曹の量は、古米3合に対して重曹大さじ1/3~1/2杯です。古米がふっくらとして食感がよくなるとともに、古米の臭みもなくなります。
ただし炊きあがった米が黄色っぽい色に炊き上がるのは、電子ジャーの蓋を開けた時にがっかりしてしまう点かもしれません。
酢を利用する
古米を炊くときに酢をほんの数滴加えると臭みがなくなりおいしく炊き上げることができます。
酢を加える目安は、古米3合に対して1ml(2~3滴)です。酢にはハチミツと同じようにアミラーゼという酵素が含まれています。
古米の米のでんぷんを分解しぶどう糖がたくさん作られるため、ふっくらとした甘みのあるおいしいお米に炊き上がります。また酢には殺菌効果もあるのでご飯が傷みづらくなり、夏場のお弁当にはよい効果があります。
古米を使った料理
糠(ぬか)のような穀類独特の臭みがあると言われる古米ですが、工夫すると臭いを取り去りおいしく炊くことができます。臭いと言われたり硬くてパサパサしているといわれる古米は、劣悪な米というわけではありません。古米をわざわざ好む人もいます。また古米の硬さとパサパサした食感や、新米よりも炊き上がりが膨れるなどの特徴を活かして、古米を活用し美味しく調理した料理もあります。
古米でパエリアを作る
水分を吸収し膨れやすく、食感が硬めの古米の特徴は、米に魚貝類などの出汁を染み込まてフライパンで炊き上げるパエリアには、新米を使うより古米の方が、米に味がよく染み込み、おいしく仕上げることができます。
古米でリゾットを作る
硬めで粘り気のない古米をリゾットに利用すると、新米を使うよりおいしいリゾットを作ることができると言われます。リゾットは野菜や肉などの煮汁を米に吸わせて米に味をつける料理です。水分を吸収して膨らみやすい古米の特徴を活かして作る料理によく合い、新米を使うより食感も味も美味しく仕上がります。
古米をおいしく炊いて食べよう!
糠(ぬか)のような穀類の古くなった臭いして炊くと臭いとか、硬くてパサパサしているなどと言われる古米。しかし古米の特徴を活かした料理もおいしそうです。そしてちょっと工夫をすると臭みもなくなりふっくらとおいしく炊くことができます。古米!おいしく炊いて召し上がってください。