2018年3月15日更新
グロテスクなシャコってどんな味?食べ方や料理・値段や旬について
刺身や寿司ネタの上で一際輝くグロテスクなシャコ。シャコは強烈なパンチをすることでもお馴染みです。そんなシャコは種類がたくさんおり、栄養も豊富で味もおいしいため、料理に役立てられています。そこで今回はシャコの食べ方や旬の時期、産地や値段、保存について解説します。
グロテスクが逆にキュートなシャコ
シャコという甲殻類を見聞きしたときにどのような料理を思い浮かべるでしょうか。ときには刺身、ときには寿司ネタにもなるシャコは寿司大国日本でも異様な雰囲気を漂わせています。
寿司や刺身となった姿のシャコであればまださほど気にせず口に運ぶことができますが、シャコのありのままの本体は誰もが食欲を無くすほどグロテスクです。大まかな見た目は少しエビにも似ていますが、足がいくつかちょこちょこあり、動いている様は甲殻類というよりも完全に虫です。場合によってはムカデのように見えなくもないですが、実際に食べてみるとシャコの味はエビよりも柔らかいです。また、子持ちのシャコは甘さや旨みを非常に感じる最高の味と表現してもおかしくないほど味が良い甲殻類なのです。そんなシャコは英語ではMantis Shrimpと呼びます。
シャコが注目を集めるのはおいしい味だけではありません。なんとシャコはまるでボクサーのように強烈なパンチを繰り出すことで一部の人からは驚きの対象で見られています。しかもそのパンチの凄さは驚きの時速80kmにも及ぶのだそう。水中でもパンチを繰り出したシャコは動きが速すぎておそらく地球上のあらゆる生き物の中で最も速いとされているようです。
シャコの産地
シャコは北海道から九州まで内海に生息しており、どこでも獲れそうな甲殻類と思われていますが実は寿司ネタなどに使われるような質の良いシャコはどのシャコでも良いというわけではありません。また、シャコは水揚げされてからすぐに茹でなければ水っぽくなってしまい、食べられたものではないほど味や質が低下してしまいます。そのため、質の良いシャコを安定しておくことが難しいのですが、それでも昔からシャコがたくさん獲れていた瀬戸内海や能登半島、八代海などがシャコの産地になっています。
また、その他にも三河湾や伊勢湾なども知名度の高いシャコの産地です。愛知県ではシャコの漁獲量が全国で一番のため、愛知県で水揚げされたシャコは東京を筆頭に全国各地の寿司屋に提供されています。シャコは品質を保つのが非常に難しい甲殻類のため、鮮度が命の寿司ネタなどにするためには大変な手間が必要というわけです。
シャコの旬の時期とは
シャコが旬とされている時期は年の中で二回あり、春から初夏にかけてと初秋から初冬頃の時期です。よくシャコの旬は夏ごろとされていますが、総合的なおいしさは年二回のこの時期には敵わないでしょう。
春から初夏にかけて獲れるシャコは産卵期を迎え、前述したように旨みが増す時期です。また、初秋から初冬にかけての時期もシャコは産卵を終え、脱皮を繰り返すことによってしっかりと質感の身になっています。春頃の時期に食べるならメスを選び、秋頃はオスを選ぶと良いでしょう。
しかし、地域によっては漁獲量日本で一位の愛知県では旬の時期を4~5月頃とされている場合もありますし、岡山県の郷土料理であるばら寿司を作るために使われるシャコは4~11月を旬の時期としている場合もあるため、産地によって旬の時期は若干変動すると思っておくと良いでしょう。
シャコの種類や値段
地球上の中で一番速いパンチを繰り出す化け物のような生物シャコ。その凄まじいパワーもあり、おいしい味を出しているのかもしれませんが、実はシャコは日本とイタリアでしか食べられていない甲殻類でもあります。次はシャコの種類ついて迫っていきましょう。
シャコの種類
シャコと一口に言っても種類は様々です。上記したような海洋生物の中で強いパンチを繰り出すボクサー級のシャコは体の色が青や赤といった不気味な色をしたモンハナシャコという一般的に食べられているシャコや、体の色が黄色と黒の縞々模様をしているトラフシャコなども存在します。
そもそもシャコには大きく分けて2種類あり、捕脚の形状に違いがあります。その捕脚の形がギサギサとなっており、まるでカマキリのような形をしているカマ型のものやハンマーの如く膨らんでいるハンマー型捕脚を持つ形もいます。
この2種類いる中で普段私たちが寿司ネタとしているものはギザギザとした方のカマ型です。このうちモンハナシャコはハンマー型で、知名度の高いシャコの種類は他にもフトユビシャコもハンマー型です。しかし、日本では56種類ものシャコが生息しているため、まだまだ日本海には種類の多いシャコが生息しているということになります。
また、シャコの値段ですが、キロで1500円前後です。たった1尾で数千円~数万円するエビと比較すればエビよりも甘い旨みのあるシャコを選んだ方がお得でしょう。
シャコの栄養
シャコに含まれる栄養には、タンパク質が豊富で低脂肪、美容効果や疲労回復まで役立つ栄養が含まれています。魚介類に含まれているDHAやEPAに加え、肝機能を高めてくれるベタイン、抗酸化作用のあるアスタキサンチン、タウリンなども含まれています。これらの栄養成分は肝臓脂肪を抑制したり、シャコの旨みを引き立てたり、脂肪を排出したりといった効果まで人体に与えてくれます。また、目を酷使することによって生じる疲労を解消したり、動脈硬化の予防、そして、コレステロールを減少させるサポートもしてくれます。
また、抗酸化作用があることで女性に嬉しい美肌効果や、若々しく元気でいられるサポートもしてくれるため、シャコの栄養成分は老若男女関係なく必要なものになってくれます。
シャコの食べ方や料理・保存は?
寿司ネタとして知名度の高いシャコですが、お家ではどういった食べ方をしてどんな料理に向いているのかいまいちピンときませんよね。水揚げしてからすぐに茹でなければ食べられたものではなてですから、その部分だけ拾うと扱いに困りそうです。また、保存についても探ってみました。
シャコの料理や食べ方
あまりご存じない方も多いですが、シャコは鮮度が落ちていくほどに体が溶けてしまう習性があります。そのため、販売されてるものはほぼ下茹でしてあるものばかりなので鮮度の良いものを調達するのは非常に大変です。しかし、稀に活けの状態で手に入れたら早急にボイルしましょう。
シャコを茹でる際はたっぷりのお湯に対して3%を塩を入れ、その後7~10分程度茹でていきます。下ごしらえなどは必要なく、殻ごと茹でてしまって問題ありません。しかし、泥がついているシャコは事前にざっと水洗いしてから茹でましょう。
また、シャコ自体の食べ方は、殻を剥く際にキッチンばさみを用意してからシャコの頭を落としていきます。次に尾をVカットして落とし、縦にしたシャコの左右の端にはさみを入れてカットします。次に接合部がなくなった後は腹と背の殻を綺麗に剥いて終わりです。
そしてシャコを料理として食べる場合、非常に新鮮で活けの状態であるシャコのみ刺身として食べることが可能です。シャコは甲殻類であるため、旨みがぎゅっと凝縮されています。刺身はそんな詰まった旨みを堪能できる食べ方でしょう。
また、その他にも寿司やボイルから始まり、砂糖と酒、生姜と醤油で煮込めば煮付けにすることもできます。ちょっとおしゃれな食べ方をしたい場合はアヒージョやパスタやフライなどにしてもおいしいですよ。
保存はどうする?
シャコはただでさえ足が早いですから、保存する前にはまずボイルしましょう。ボイルし終わったら水気をふき取り、冷凍庫で保存しても問題ありません。冷凍保存は可能ですが、おいしく食べたい場合はやはりなるべく早く食べきってしまうのが無難です。冷凍したシャコは自然解凍してから使いましょう。
シャコはおいしく食べなきゃもったいない!
パンチ力が凄まじく、姿は色鮮やかながらもグロテスクなシャコは色んな意味で注目される海のギャングです。海で見たら綺麗と手を伸ばしたくなりますが、最悪の場合指がなくなってしまうかもしれないので見かけても触るのはやめましょう。見た目は食欲を削ぎ取られますが、味は抜群ですのでまだ食べたことがない方は一度は食べてみてその味わいを堪能してみてくださいね。