2017年12月25日更新

毒性のあるクサフグは調理しても大丈夫?毒から見る症状についても解説

クサフグ

素人が扱うには危険すぎる魚です。ふぐ調理師免許を持つプロに調理してもらい美味しく食べましょう。

フグという名前がついたクサフグ。クサとついた名前から見ると毒性はなさそうに感じますが、実際はどういった魚か謎が多いです。そこで今回はそんなクサフグにスポットを当てて、毒はあるのか刺身にしても問題はないのか、そして万一毒が体内に入ってしまった時の症状をご紹介します。

  1. 目次
  2. クサフグってどんな魚なの?
  3. クサフグの毒はどれくらい強力なのか
  4. クサフグに合う調理法
  5. クサフグを食べる時はプロの下で!

クサフグってどんな魚なの?

クサフグの詳しい生態はスズキ目フグ科フグ亜目フグ科トラフグ属です。フグと呼ばれる魚はお腹がぷっくりとして可愛らしい顔付きをしていますが、フグと見聞きするとまず気になる点は毒についてですよね。おいしい高級魚としての扱いを受けていますが、そんなクサフグにも毒性があることが分かっています。

クサフグをもっと詳しく知ろう

クサフグの見た目は体長15~25cm程度で体の表面は少し緑がかった色をしているの特徴です。クサフグという名前が付けられた由来もこの体の表面についた緑色が草という見方をされて名付けられたと言われています。日本では北海道から沖縄まで生息しており、クサフグはどこにでもいる姿を見かけることも多い魚と言えます。

クサフグは刺身にしても大丈夫?

フグと言えば高級料理の材料として扱われていますよね。特に魚本来の味を堪能できる刺身は日本人がまずしたい調理法ですが、クサフグには他のフグと同様に毒があると言われています。そのため、フグ調理師が調理を行うのであれば問題ありませんが、免許も持っておらず、クサフグの毒性を知らずに食べた人が過去に重体になったケースもあるため、安易に調理して食べて良い魚ではありません。

クサフグの毒はどれくらい強力なのか

フグ=毒性が強いイメージが広く浸透していますよね。フグ専用の調理師もいるほどですからどれほど怖い魚か伺えます。ではクサフグが持つ毒はどんなものでどれほど私たち人の体に影響を及ぼすのでしょうか。

クサフグの毒「テトロドトキシン」

クサフグには他のフグにもある「テトロドトキシン」というフグ毒を体内に保有しています。毒性の強さは筋肉部分は比較的毒性が弱いのですが、内臓や皮、肝臓、腸、卵巣は特にこのフグ毒を含むとされているため、まずこれらの部分は食べてはいけません。クサフグのようなフグが持つテトロドトキシンは「当たったら身の終わり」とも言われているほどのため、クサフグが持つ毒性は素人が扱えるものではないのです。

クサフグの毒からくる症状とは

クサフグの毒を体内に摂取してしまった場合、出てくる症状としては麻痺や嘔吐、頭痛、知覚障害、運動障害、言語障害、呼吸困難、血圧低下などの症状が体に現れます。

毒性のあるクサフグを食べてからまず指先が痺れを感じる麻痺が発生し、唇や舌の先など体の末端部分から麻痺が広がっていきます。場合によっては嘔吐を感じたり頭痛を訴え、時間にするとクサフグを食べてから食後5時間以内、そして平均すると2時間前後でフグ毒の症状が出てくるとされています。

様々な引き起こされる障害が発生した後は呼吸困難などの辺りまで来るとついに呼吸停止の状態にまで追い込まれます。しかし、これだけ恐怖感を煽ってくるフグ毒ですが、毒の症状に苦しめられている死の直前まで意識ははっきりとしているそうなのでクサフグを含むフグと呼ばれる魚はやはり私たちの体に多大な影響を与える危ない魚と言えそうです。

しかし、クサフグなどはフグ調理師が扱えば刺身などの料理にも対応可能と先ほど触れましたが、たくさん食べすぎるとフグ毒の影響があるため、過食はおすすめしません。また、クサフグなどの毒は熱や酸に耐久性があるため、酢で締める方法や水洗い、そして鍋などの熱調理を行っても分解されることはないため、余計に素人では食用としての準備はできないのです。

クサフグに合う調理法

毒が強力でいかにも食べなさそうな魚であるクサフグですが、実はその味自体はおいしいと言われています。次はクサフグと相性の良い調理法をご紹介します。

クサフグの味わい

クサフグを食用とする場合、食べられる箇所は筋肉のみです。クサフグ自体、個体は小さいため、食べられる部分は限られてしまいます。

しかし、クサフグが持つ味わいは肉が締まっているほど良い弾力と味わいの高い特徴があるため、小型で面倒ではありますが、刺身にするとおいしいと言われています。上品な味わいで変なクセもないクサフグは意外にも様々な調理に向いています。

クサフグの調理

クサフグに合う調理法はみそ汁や鍋などの汁物から刺身、唐揚げなどもおいしく食べられる調理法です。刺身にしたクサフグは濃い味わいで歯ごたえをしっかりと感じることができるため、よりクサフグのおいしさを口いっぱいに楽しめるでしょう。また、毒を取り除いたクサフグを唐揚げにする場合も油でじわじわと揚げて食べると非常に濃厚な旨みを感じられるのだそうです。

クサフグを食べる時はプロの下で!

クサフグは毒を持っている印象が強いことで食用としての認識は低い魚です。しかし、実は調理したクサフグは非常に香り高くおいしく濃厚な味を楽しめる魚でもあります。ただし、素人が扱うには危険すぎる魚ですからしっかりと免許を持つプロに調理してもらい、安心して食べられる環境で楽しんでみてくださいね。

【参考文献】
・東京都福祉保健局 食用のふぐの種類とその可食部位 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/itiba/suisanbutu/fugu1.html