2017年11月28日更新
クミンってどんな味?香りは?クミンの匂いは臭いの?
クミンはカレーパウダーの主原料であり、インド料理やエスニック料理に使われるスパイスです。肉や野菜料理、西欧ではソーセージやミートローフなどによく使われます。今回はクミンとは実際どんな味で香りがするスパイスなのか調べました。クミンの匂いは虫除けにもなるようですよ。
- 目次
- クミンの味は辛くはなくスパイシーでコクのある味わい
- クミンの香り
- クミンの香りは古代エジプトにも
- 現代にはクミンを使った香水もある
- クミンの匂いは臭い?
- クミンの匂いは虫除けに効果的
- クミンは体臭を強める香辛料!体臭は香水では消せない
- 香辛料のクミンの味や香りはエスニック風味を効果的に加えてくれる
クミンの味は辛くはなくスパイシーでコクのある味わい
クミンの味の特徴はわずかな苦みと辛みです。強い独特な刺激的な芳香があるといわれます。実際にクミンシードを少量、口に含んで歯で噛み砕いでみるとペパーミント系のようなスース―する味とほろ苦さとわずかに辛みを感じます。
しかし強い苦みではなく、辛子のように辛くて鼻孔にツンとくるような強烈な辛みもありません。第一印象はすごく強烈なインパクトではありませんが、スース―した味わいとほろ苦さの余韻が長く残る味わいです。
普通クミンをそのまま食べることはありません。食材にふりかけたり、料理に加えて利用するので、イチゴの味とかミルク味などのようにはっきりとたとえることができませんが、あえてクミンの味を説明するなら、たとえばインド料理の独特なハーブ系のあの味!とか、ソーセージを食べた時の肉の中に感じるスパイシーなちょっと苦さを感じるあの味などと表現するとクミンの味を理解しやすいかもしれません。
クミンはカレーには欠かせない香辛料でカレーの芳香や味わいのキーポイントの一つなのですが、カレーはそのほか色々なスパイスが合わさり特徴を出しているので、カレーの味?じゃあクミンの味は辛いの?というわけではありません。カレーでクミンの味をたとえるとカレーの辛さではなくスパイシーなコクがクミンの味です。
クミンの香り
クミンは強い刺激的な芳香があると言われます。確かに強い香りを持った香辛料です。しかしわさびや辛子のようにぶわっと強力に感じる強さのある香りではありません。クミンは余韻が残る独特の香りが特徴です。余韻が残ることでは、たとえばクミンシードを少量手に握りしめると、手からしばらくクミンの匂いが取れないなどということがあります。
実際クミンの香りを言葉でたとえると、漢方薬のような香りともいえます。またフルーツ系のフレッシュな清涼感ではありませんが、食欲をそそる清涼感があります。
かすかに甘い香りを感じますが、シナモンのような甘い香りではなくまたクローブのようなバニラ系の刺激的な甘い香りでもありません。カレー粉を嗅いでみると独特な香りがしますが、そのメインの香りがクミンの香りと言われます。
クミンの香りは古代エジプトにも
クミンのスパイシーで刺激的な香りは食品の香料としてだけではなく、実はコスメなど生活のフレグランスとしても活用されているのです。そもそも「香り」というものは、人間の臭覚に関りを持ち、昔から人間の生活に利用されています。このクミンの刺激的な香りもその歴史を辿ると紀元前に栄えたエジプト文明にまでさかのぼります。
エジプトの歴史を覗いてみると、古代からエジプト人は芳香のある植物の精油から得られる天然の香料を利用していたようです。
復活信仰を唱えていたエジプト人は人工的に人間の死体を保存するミイラ作りを行っており、その時に香りの強いクミンなどの天然香料を用いて遺体の防腐や防臭をしていたのです。クミンの刺激的な香りは古代エジプト人の生活の中ですでに活躍していたのです。
現代にはクミンを使った香水もある
カレーのスパイスやエスニック料理のスパイスとして利用されているクミンですが、クミンのような特徴的な香りをもつものの多くは、私たちの生活に食品としてだけではなく、有効的に昔から生活にも利用されています。
現代でも食品の香料としてだけではなく、コスメ、石鹸、シャンプー、芳香剤など生活の中でその香りは活躍しています。たとえばクミンの刺激的なスパイシーな香りを活用しクミンの精油を使い香水が作られ、調合師の手によりほかの香料と配合されて、刺激的な香辛料の良い香りを感じさせる香水として人気を得ています。
有名ファッションブランドであるシャネルから発売された香水の一つに、成分にベルガモット、レモン、バジル、ヒヤシンス、そしてクミンが配合された人気の香水があります。クミンが配合されたその香水は香りの持続時間は短い香水ですが、第一印象を相手に印象付けることができるタイプの香水として人気を呼びました。近年ではドイツのファッションブランドのアイグナ―からクミンが配合された香水が発売され人気を呼んでいます。
香水の原料に使うものを食べ物に使って健康に害はないの?と心配される声について一言付け加えると、食品の香料としてクミンを使うときは香りだけではなく味覚にも影響をきたすため、その場合は食品衛生法の管轄に基づき使用が規定されます。また香水としてクミンの香りを有効に活用するときは日本の薬事法の管轄下によってその使用が規定されているので心配には及びません。
クミンの匂いは臭い?
クミンはインド料理をはじめメキシコ料理、またインドを代表するミックススパイスであるガラムマサラのスパイスの中に使われたり、チャッネを作るときもよく使われる香辛料です。
カレーを作るときの必須アイテムと言われるクミンは、そのほかひき肉料理や玉ねぎやピーマンなど癖のある野菜などの炒めものにもよく利用されます。
クミンの香りはシナモンやクローブ、ターメリックやコリアンダーと相性がよく、一緒に使うとよりエスニックなスパイシーさを増すことができる香辛料です。
エスニックな香りが特徴のクミンの匂いは、たくさん使うと薬臭く感じることもあります。余韻のある強い匂いは少量使う分はスパイシーに感じますが、量が多すぎると臭いと思うことがあるので使用量は注意して使いましょう。
クミンの匂いは虫除けに効果的
古代エジプトでミイラの防臭防腐のためにクミンなどを使用していたと前述しましたが、一般的に蚊やゴキブリなどの虫はハーブ系の匂いを嫌います。クミンの香りもこの類の虫除けに効果的です。クミンの刺激的なスパイシーな香りは置いておくだけで虫を遠ざけることができます。
たとえば乾燥しているクミンシードを小皿などにのせて、ゴキブリの出やすい場所に置いておくとゴキブリ対策になります。原型のクミンシードを手で揉んでおくとより香りが出て効果的です。
ちなみに蚊やゴキブリなどはクミンをはじめハーブ系の匂いが苦手とだと言いますが、例えばバニラビーンズの匂いやアニスなどは好みの匂いなのでハーブでも虫除けにはなりません。
クミンは体臭を強める香辛料!体臭は香水では消せない
クミンは料理に加えるとエスニックな良い香りを出したり、肉や魚の生臭さや癖のある野菜の臭いを消すなど、その独特な香りは効果的に活用されますが、クミンは摂取しすぎると体臭を強める香辛料だとも言われています。摂りすぎると独特な体臭が出てしまう恐れがあるのです。たとえばカレーを良く食べる国の人は体臭がきついと言われますが、その原因はカレーに含まれているスパイスのクミンによるものだと言われているのです。
料理にはスパイシーな良い香りを出してくれるクミンですが、一方では鼻につく体臭を強める香辛料であり、ワキガの臭いはクミンの匂いなどとたとえられているほどです。
たとえばクミンのような匂いのワキガの臭いを消したいとか、クミンをたくさん使う料理を食べる国で生活していたらクミンの摂取量が増えてしまい体臭が強くなってしまったなどというとき、その体臭をコントロールするために香水をつけるという人もいます。しかしクミンのような匂いのワキガや体臭は香水をつけても効果はありません。
そもそも香水は無臭の肌につけてその香水の持ち味の香りを醸し出すもの。いくらよい匂いの香水だからと言っても、体臭のうえにつけても本来の良い香りが出るものではありません。
クミンの摂りすぎで体臭がきつくなってしまった場合やクミンのような匂いがするワキガの臭い対策は、香水ではない方法で対策しましょう。余談ですが体臭があるけれど、どうしてもお洒落に香水を使いたいというときは、体臭を消せる無添加無香料のデオドラントクリームなどを使って体臭を消したうえで香水を使うと違和感なく香水をつけることができます。しかし効果は限られていますので、時間を見ながら使ってくださいね。
香辛料のクミンの味や香りはエスニック風味を効果的に加えてくれる
イインド料理などエスニック料理につかわれる香辛料のクミンは、カレーの味と言われるほどカレーには欠かせない香辛料です。クミン自体の味は、口に入れると辛子などのように驚くほどインパクトのある味ではありません。クミンの味はゆっくりと口の中で強く残るほろ苦さとわずかな辛みが特徴です。クミンの香りはクミンの瓶の蓋を開けるとパンチのある香りがするわけではありませんが、余韻のある独特な刺激のあるスパイシーな香りです。刺激のある食欲をそそるような清涼感のある香りでもあります。
クミンの香りのルーツをたどると古代エジプト人の生活にもすでに活用されていたようです。クミンのスパイシーな香りは食品の香料としてだけではなく女性がお洒落に楽しむ香水の香りとしても活用されたり、蚊やゴキブリなど防虫対策にもなるようです。
クミンは料理に使うとエスニック風のよい香りを効果的に加えてくれますが、クミンは体臭を強める香辛料だと言われます。しかし普通に料理に使い少量摂取する分には体臭を強めてしまうことはないので安心してお使いください。エスニック風味を出してくれるクミン!上手に料理にご活用くださいね。
【参考文献】
・堀内 哲嗣郎(2010)「香り創りをデザインする―調香の基礎からフレグランスの応用まで」(フレグランスジャーナル社)
・堀内 哲嗣郎(2005)―特 集―香りの創造 香り作りの材料を知る https://www.jstage.jst.go.jp/article/jao/36/4/36_4_187/_pdf