2019年3月24日更新
ヒイラギを使った美味しい魚料理とは?価格や調理法も
ヒイラギという魚をご存じでしょうか。私たちの食卓で並ぶ魚としては比較的小ぶりで可愛らしい魚であるヒイラギは普段食べないため馴染みも少ないでしょう。しかし、一部の地域では高額で取引される魚でもあるため、そんなヒイラギの料理や煮付けや刺身などの調理法、価格や値段まで解説していきます。
ヒイラギという魚
ヒイラギは普段食卓に並ぶような大型の魚ではなく、比較的小ぶりの小魚です。「ヒイラギ」という植物の葉に姿が似ているため、由来はそこからきたのではないかと言われています。
スズキ目ヒイラギ科ヒイラギ属に分類され、光に当たるとテラテラとした輝きを放つヒイラギは本州中部以南の西日本や東アジアの温かい内湾や汽水域などの地域に多く生息する魚です。
ヒイラギは成魚になっても大きさは10cm程度の小ささで、大きく成長を遂げても15cmほどの大きさまでにしか成長しないのが特徴です。
ヒイラギの皮膚はイクラと同じ成分
ヒイラギという魚をご存じの方は少ないのではないでしょうか。それほど流通している場面を見たことがないほど少ない魚でもあるため、ヒイラギを見たことがないという方もいるでしょう。
そんなヒイラギの特徴には身体の表面に多量の粘膜を発生させる性質があり、鮮度の良いヒイラギほどこのヌルヌルとした粘膜が多いのが特徴です。
このヒイラギの滑りはレクチンといって元々はサケ科の魚やナマズの卵から発見された物質なんです。ヒイラギはこのレクチンを卵巣では作らず、皮膚のみから作り出しています。
またサケ科の魚はこのレクチンを肝臓からも作り出すことが分かっていますがヒイラギは肝臓からも作り出してはいません。
なぜヒイラギが皮膚でのみレクチンを作り出すのかは現在では分かっていません。
【参考】
・北里大学海洋生命科学部 魚類体表粘液レクチンの多様性(PDF) https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/78/4/78_WA1772/_pdf
ヒイラギは鳴いて光る魚
ヒイラギはギィギィという鳴き声のようなものを発するのも特徴の一つです。まるで動物のような鳴き方をしているのも面白い魚と言えますが、ヒイラギが持つ特徴には他にも食道部分に発光バクテリアを生息させることができる特技があるため、暗く光が届かない場所にいても腹部から光を発生させることができます。
【参考リンク】
・Youtube 鳴く魚 ヒイラギ
美味しい季節はいつ?ヒイラギの旬
滅多に遭遇することはないヒイラギですが、魚を好んでいる方は美味しい魚と聞けば口にしたくなる方もいるのではないでしょうか。
ヒイラギが最も美味しく食べられる旬の時期は春~初夏にかけての時期です。6月頃に産卵期に入り、夏にかけてまでの季節に岸周辺で卵を産みますが、ヒイラギ自体はそれだけを狙って漁を行う訳ではないため、他の魚に交じったヒイラギを収穫するといった方法で入手されます。
ヒイラギの料理
小魚で可愛らしい姿をしているヒイラギは小さいイメージが強いですよね。そのため、食用として魚料理にアレンジできるのか分からないといった方や、料理にしても食べごたえがなさそうだと感じる方もいるでしょう。では手元にヒイラギが入手できた場合、どういった料理にしてどんな調理を行っていけば良いのでしょうか。
鮮度が大切!ヒイラギの刺身
一般的な魚は刺身にしやすいサイズであることが多いですが、ヒイラギは小ぶりな魚のため、実際にヒイラギを見たことがある方なら本当に刺身にできるほどの身があるのかと感じてしまうところですが、小ぶりではあるものの鮮度の良いものであれば三枚におろして刺身にすることも可能です。
しかし、ヒイラギを刺身にする場合は調理する際に大変なので大きめのものを意識して購入すると刺身にしやすいでしょう。刺身にした時のヒイラギはほのかな甘みがあり、イメージしていたよりも美味しく食べられる魚です。
煮付けにしてこってりと
ヒイラギを食す習慣のある地域の方は刺身などの調理法で食べるよりも煮付けなどの料理に変えて口にすることが多いです。特に漁師の方たちは煮付けにする機会が多いでしょう。
ヒイラギの性質上、内臓などの腹部分も小さいため、料理にする前の調理過程ではウロコとエラ部分のみ洗浄すればすぐに煮付けの準備にとりかかることができる手のかけ具合が少ない優秀な魚でもあるのです。
ヒイラギの値段や価格・産地
ヒイラギは小魚ではありますが、地域によっては非常に珍重されている地域があります。産地とされている場所で主に売り買いが行われているため、産地ではヒイラギを口にすることも多いと言えます。そんなヒイラギは価格や値段についても気になるところですのでその辺りを重点的に見ていきましょう。
ヒイラギの価格・値段
ヒイラギと一口に言っても地域によって様々な呼び方があるため、ヒイラギで通らない可能性もありますが、島根県や福岡県、大阪府泉南辺りではこのヒイラギが高い価格で取引が行われます。専門で漁が行われる魚ではないため、地域によって値段が高騰するのは当然のことと言えるかもしれませんね。
ヒイラギの産地
ヒイラギの産地は島根県や高知県、石川県、京都府、福岡県などが主な産地であり、この辺りの地域ではヒイラギを様々な料理に変えることも多いでしょう。
また、ヒイラギは関東では流通しない魚のため、関東にお住まいの方はヒイラギが手に入りにくいかもしれません。限定される場での流通のみになってしまいますが、一度は食してみたい魚で興味が湧きますよね。
ヒイラギは調理者の手を煩わせない
ヒイラギは小さい魚ではあるものの、ウロコなども他の魚と比較するとさほど気にならない点があり、調理する方の手を煩わせない部分も魅力ある魚と言えそうです。産地のみに限定され、流通が行われる魚でもありますが、手に入った際は是非美味しい手の掛け方をしてほろほろと甘いヒイラギに舌つづみをしてみてくださいね。