2018年8月27日更新

じゅんさいの食べ方。やっぱりシンプルな酢の物が美味しい?

じゅんさい

独特のヌメリとツルンとした喉ごしが特徴のじゅんさいは、酢の物にすると美味しい食材です。透明のゼリー状の膜に覆われている見た目も特徴的です。今回はじゅんさいについてリサーチしました。喉ごしと食感が美味しいじゅんさいとはどんな食材なのか、美味しい旬の時期やじゅんさいの食べ方や保存法、またじゅんさいの効能についてご紹介します。

  1. 目次
  2. じゅんさいとは
  3. じゅんさいの旬の時期
  4. じゅんさいの保存方法
  5. じゅんさいの効能
  6. 酢の物にすると美味しいじゅんさいの食べ方
  7. ツルンとした食感が特徴のじゅんさいは酢の物がおすすめ

じゅんさいとは

独特のヌメリとツルンとした食感が特徴のじゅんさいは、スイレン科ジュンサイ属の水性植物の一種です。学名はBrasenia schreberiといいます。深さ80cm~1mほどの浅い淡水の沼や池に、蓮の葉のように丸い葉を水面に広げて生息しています。食用となる部分は葉が開く前の幼葉を摘んだ部分です。

日本では古くから食べられている食材

日本の古い歴史書である古事記にもその名が記載されているほど、じゅんさいは日本人に昔から食されている食材です。昔は各地に自生していましたが、現在は環境の変化に伴い、自生しているものはほとんど食用として流通していません。

現在食用となるじゅんさいのほとんどは東北などで栽培されているものや中国などから輸入されたものが食用として流通しています。一般的に水煮されたものが袋や瓶に詰められて出回っていますが、じゅんさいの旬の時期には生のじゅんさいもよく店頭に並びます。水煮されたものは色が黄色っぽく値段も高くありませんが、生のじゅんさいは色が緑で食感もよく価格も高価です。

じゅんさいは英語でWater shield

じゅんさいは英語でWater shieldと書きますが、水のようなヌメリの膜に保護された外見はまさに英語名を直訳した見た目です。じゅんさいはその鮮やかな緑色から、「食べるエメラルド」とも言われています。そんなハイカラな呼び名のほかに、日本の昔の書物には「ヌワナ(沼縄)」などと表記されて登場しています。

じゅんさいの旬の時期

じゅんさいの収穫は4月頃~9月上旬に行われます。出始めの早いものは4月~6月の中旬に収穫されます。この頃に収穫されたものを「1番芽」と呼んでいます。1番芽はゼリー状の部分が多くて品質が最も高く、じゅんさいの最高の味わいだと言われます。

6月下旬~7月頃に収穫されるものは「2番芽」といいます。2番芽は収穫が最も多くなる時期です。じゅんさいの旬の時期はと調べると、収穫が最も多い2番芽の時期をじゅんさいの旬に時期だという声があるほかに、やはりじゅんさいの旬は最高に美味しい1番芽の時期だという声もあります。ちなみに2番芽以降に収穫されるものを「3番芽」と言います。じゅんさいは目の部分が小さくて、ゼリー状の部分が多いほど美味しく高品質だとされています。

じゅんさいの保存方法

じゅんさいは生のものも水煮のものも、どちらも冷蔵庫に入れて保存します。生のものは冷蔵庫に保存して2~3日、水煮のじゅんさいもやはり冷蔵庫に入れて保存し約1週間が賞味期限です。生のじゅんさいは時間が経過して鮮度が落ちると、ツルンとした喉ごしや食感がなくなってしまうので、できるだけ早く食べてしまうのがよいでしょう。

また保存期間はあくまでも目安に過ぎないので、その季節の状況によって記載の保存期間前に腐敗してしまうこともあります。食べて違和感のある場合は処分してください。

冷凍保存は不可能

一般家庭でじゅんさいを冷凍保存することは風味や食感が変わってしまうためできません。ただ企業は旬のじゅんさいを特殊な技術を使い冷凍保存します。企業が特殊な方法で冷凍し、解凍したじゅんさいを販売することはよくあることですが、家庭の冷蔵庫で冷凍して保存することはできません。

じゅんさいの効能

じゅんさいの栄養面をみると、そのほとんどが水分です。ですから栄養価はかなり低い食材です。少ない栄養成分でも食物繊維、ポリフェノール、多糖体が含有されているのは、じゅんさいの栄養成分の特徴です。

食物繊維の効能

食物繊維というとたくさん食べると便通がよくなるということはよく聞く効果です。その通り、じゅんさいは腸の働きを整える効能があり、便秘の改善に効果が期待されています。また食物繊維は悪玉コレステロールを抑制する効能や、糖の吸収を遅らせる効能があるため、糖尿病や高脂血症、動脈硬化などの生活習慣病の予防や改善に効果が期待されます・

ポリフェノールは緑茶に匹敵する含有量

じゅんさいには緑茶に匹敵するくらいのポリフェノールが含まれていることが分析されています。その効果は強い抗酸化作用があり、細胞や血管の老化防止や肌のアンチエイジングを図ることができ、脳梗塞や動脈硬化、また美肌にも効果が期待されています。

ヌメリ成分に含まれる多糖体の効能

じゅんさいを覆っているヌメリの成分は多糖体です。多糖体とは糖類とタンパク質の複合体です。多糖体は特有のヌメリ気を持った物質で粘膜を潤わせ強化するといった効能があります。

たとえば胃粘膜を強化したり、胃壁を保護する作用があるため、胃潰瘍や胃炎の予防の改善に効果が期待されています。鼻の粘膜を強くする作用では、風邪予防にも効果が期待されています。また唾液ホルモンの分泌を促し、食欲を増進させる効果や便秘の改善にも期待されています。

酢の物にすると美味しいじゅんさいの食べ方

収穫されたじゅんさいはゼリー状の膜に包まれていてプリプリする歯ごたえとツルンとした食感を味わいます。両端がとがった長い巻物状になっているところが葉になる前の芽の部分です。茶色い丸い部分は花になる蕾の部分です。それらを包み込むように透明なゼリー状の膜が覆っています。このゼリー状の部分がツルツルした食感になり、芽の部分がプリプリした歯触りを感じます。

生のじゅんさいを食べるときは、ヌメリが取れないように軽く水で洗い、沸騰した湯でさっと茹でます(1~3分程度)。すくいあげたら冷水にさらします。冷水にさらすことで美しい緑色を保つことができます。こうして下茹でしたじゅんさい、もしくは水煮されたじゅんさいは、酢の物で食べると酢との相性もよく、またじゅんさいの特徴であるプリプリした歯ごたえやツルンとした食感を十分に堪能できます。単にポン酢やわさび醤油をかけていただくのも美味しいです。吸い物の具、鍋の具、天ぷらなどに料理されて味わいます。

ツルンとした食感が特徴のじゅんさいは酢の物がおすすめ

ゼリー状の透明の膜に覆われたじゅんさいは、ツルンとした食感と膜の中の芽のプリプリした歯ごたえが美味しい食材です。酢の物はじゅんさいの特徴を存分に楽しめる料理の一つです。じゅんさいはほとんどが水分なので栄養価は低い食材ですが、含有する食物繊維は便秘の予防だけではなく、生活習慣病の予防にも期待されます。ポリフェノールは緑茶に匹敵するほどの量が含有されていて、ヌメリ成分の多糖体は粘液を強化し、体の様々な粘膜を保護する効果が期待されています。ただ冷蔵保存でしか保存できず、日持ちしない食材なので、購入したらできるだけ早く美味しく料理して食べきってしまってください。