2018年1月18日更新
グリチルリチン酸とは?副作用も心配される添加物
グリチルリチン酸は、植物由来の成分で、主に医薬品や化粧品などに多く使用されています。食品添加物としても使用は認められていますが、対象は限定的です。グリチルリチン酸とは一体どのような物質なのでしょうか。
グリチルリチン酸とは
グリチルリチン酸は、マメ科カンゾウの根などから抽出した甘み成分です。その甘さは、砂糖の200〜700倍程度と言われており、高甘味度甘味料として食品に添加されています。
グリチルリチル酸は医薬品や化粧品にも広く使用されています。医薬品には、甘草の薬効として、解毒、鎮咳、抗炎症作用、抗アレルギー作用など様々な特徴が活用されています。また、アメリカではグリチルリチン酸は、甘味料として菓子類に使用されたり、タバコや矯味剤に使用されたりしています。
グリチルリチン酸を摂取した場合の副作用
グリチルリチン酸には、使用にあたり副作用があることも分かっています。そのため、医薬品として配合できるのは、1日あたり最大で200mgまでとされています。
過去に、グリチルリチン酸を長期間にわたって摂取し続けた結果、偽アルドステロン症を発症したという事例があったため、国が使用基準を設けたのです。グリチルリチンには、副腎皮質ホルモン、特にアルドステロンを分泌させる作用があるとされており、この状態を偽アルドステロン症と呼んでいます。アルドステロンが多く分泌されることで、身体に浮腫が生じたり、高血圧の状態になったりするのです。
また、その他にも低カリウム症や無気力、脳症を引き起こす危険性もあるとされています。さらに、妊婦、授乳期の女性、子どもは経口摂取を避けるべきとされています。特に妊婦にとっては、グリチルリチンの原料となっている甘草が、子宮を刺激する作用があるために、流産や早産を引き起こす可能性が示唆されているので、摂取は絶対に控えるべきです。
他にも、肝疾患、重度の腎不全、浮腫を伴う心疾患、高血圧症、低カリウム症の人は摂取を避けるべきとされています。ただ、一般的には食品に含まれている量のグリチルリチン酸の摂取は、おそらく健康には支障をきたさないとされています。
グリチルリチン酸の食品添加物としての用途
グリチルリチン酸の甘さは、砂糖よりも甘みの立ち上がりが遅く、後に長く引くという特徴があります。また他の人工甘味料とは違い、甘草の持つ特徴的な甘みがあると言われています。
グリチルリチン酸は、甘さの質自体は良くないものの、食品に添加することで塩味を和らげたり、旨味を引き出したりする効果があるとされています。
グリチルリチン酸は水に溶けにくい性質があるため、ナトリウム化させたグリチルリチン酸二ナトリウムとして食品には添加されています。グリチルリチン酸二Naは、食品に使用する場合には、その使用量に制限はありませんが、使用対象は甘味料としてしょう油とみそのみに制限されています。