2017年7月6日更新
粉寒天が固まらない!上手なゼリーの作り方
粉寒天を使ってゼリーを作ろうとしてもなかなか上手に固まらない時ありませんか?そこで今回は粉寒天で作る上手なゼリーの作り方をご紹介します。代用に使える棒寒天やゼラチンとの違いも学んで、上手にゼリーを作ってみましょう。
粉寒天の栄養成分と効果
粉寒天は寒天の種類の一つで、テングサやオゴノリなどの海藻を原料として、そこに含まれる寒天質を冷却、凝固、凍結という処理の後、乾燥させて作られたものです。寒天が粉末状になったものです。カロリーは100gあたり3kcalとほとんどないに等しく、ダイエット食品として名をあげています。
栄養成分
粉寒天の栄養成分のほとんどは食物繊維です。そのほかごく少量ですが、ミネラル成分にカルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ヨウ素、クロムなどを含んでいます。栄養成分の食物繊維には液体を固める働きがある食物繊維(アガロース)と、粘弾性を持つ食物繊維(アガロペクチン)が含まれています。
効果は?
粉寒天の効果は、なんといってもカロリーがないに等しいので、肥満予防またダイエットに効果的だと言われています。栄養成分のほとんどが食物繊維であることで、腸内の老廃物や毒素を体外へ出す働きがあり、便通をよくして便秘の解消に効果的だと言われます。そのため肌荒れの改善や吹き出物解消につながり美容にも効果的に働きかけてくれます。腸内環境が整うことは、大腸がんの予防にも期待されています。
そのほか海藻由来のミネラルの成分が体を冷やす効能があり、のぼぜやほてりを防ぎ、高血圧の予防にもなると言われています。
粉寒天を使った上手なゼリーの作り方
粉寒天を使ってゼリーを作った時、上手に固まらず失敗してしまった!それにはこんな原因がありました。粉寒天が固まらなかった時は寒天を再加熱して対処しましょう。
粉寒天の溶かし方が悪いと固まらない
どの場合でも粉寒天の上手な溶かし方のポイントは、煮溶かす時に沸騰させること。沸騰させないときちんと寒天が解けず、固まりません。加熱して沸騰後2分以上弱火で加熱すると、きちんと溶け、上手に固まります。
しかしたとえば牛乳や豆乳を利用したものに粉寒天を加えて煮溶かす場合、いくら弱火にしても今度は沸騰しすぎてしまうということが原因で固まりません。牛乳や豆乳は煮溶かす火加減が難しく、粉寒天が十分に溶けていないことが原因で固まりづらくなることがあります。牛乳を使う時は寒天液が沸騰直前(80℃以下の時)に粉寒天を加えると上手に固まります。
酸が強くて固まらない
オレンジ、グレープフルーツ、レモンなど酸味の強いフルーツや、ジュース類を使ったものと一緒に寒天を煮溶かすと、寒天の繊維が酸の強さに負けてきれてしまい固まらなくなってしまいます。酸味の多いフルーツ類を使う場合は、加熱した後、粗熱を取ってから粉寒天を加えるようにすると固まります。ちなみに粉寒天は分解酵素が強いのでパイナップルは生でも固めることができます。
固まらなかった時の対処法
粉寒天は常温では溶けませんが、一度固まったものでももう一度再加熱すると溶ける性質があります。その性質を利用し、固まらなかったら寒天液をもう一度加熱して、寒天を煮溶かす、もしくは、別鍋で改めて溶かした寒天を作って、追い寒天をして、溶けていない寒天としっかりと溶かし合わせることで対処できます。この時最初は強火で煮たせてください。鍋底に小さな気泡が見えてきたら弱火して木ベラで優しく混ぜながら、寒天が溶けているのを確認し、再度煮た寒天液の粗熱を取ってから、くだものなどを加えて型で固めると上手に固まります。
粉寒天の代用に使える棒寒天とゼラチンとの違いは?
粉寒天の代用には棒寒天やゼラチンがあります。ゼリーを固める時には、代用としてではなく、それぞれの使い方の特徴によって好みで使う場合もあります。粉寒天は計量が楽で溶かしやすいですが、代用にもなる棒寒天やゼラチンはどのような特徴があるのか違いをみてみましょう。
棒寒天の特徴
寒天の種類で棒状にしたものです。粉寒天と原料や栄養成分は同じです。四角い棒状をしており1本約8gの分量で使用します。これは粉寒天約4gのものを固める力とおなじです。製造過程で凍結乾燥させる時に細かいゴミが入ってしまうため、使う時はよく洗う必要があります。適当な大きさに割り、たっぷりの水に浸けてもみ洗いします。溶けやすくするポイントは洗った後10~30分水につけておくことです。
煮溶かして使う時は、やわらかくなった棒寒天をよく絞り水気を切って、適当な大きさにちぎり、水からもしくは固める液体を沸騰させてところに入れて煮溶かして使います。透明感が出てかたまりがなくなるまで煮溶かします。常温でおいておくと固まります。
ゼラチンの特徴
ゼラチンの原料は動物(牛や豚)の皮膚や骨、腱などの組織の成分であるコラーゲンで、これに熱を加えて抽出したたんぱく質を多く含んだものがゼラチンです。寒天と同じく液体を固める働きを持っています。ゼラチンで固めた食品は弾力があり柔らかくプルンとした食感があります。
寒天との違いは冷水に溶かしてから使うことです。そして熱が強すぎると凝固力が弱くなるので、液体を沸騰させないように加熱します。ゼラチンの種類には粉ゼラチンと板ゼラチンがあり、粉ゼラチンは計量のしやすさが好評で、板ゼラチンは透明感にすぐれ保形成があるのでプロの方がよく使います。固める時は冷蔵庫に入れて固めます。
ゼラチンは粉寒天や棒寒天と同じようにゼリーなどを作る時、液体を固める場合に使いますが、たんぱく質が主成分なので、ゼリーにフルーツを使う場合は、果物に含まれている分解酵素が固まらせる力を阻害してしまいます。
たとえばパイナップル、キウイ、パパイア、マンゴーや酸味が強いグレープフルーツやオレンジ、レモンなどのフルーツを使う場合です。フルーツを使う場合は事前に加熱処理してから使うようにしましょう。ちなみに缶詰のパイナップルは問題なく使えます。
粉寒天を上手に使って美味しいゼリーを作ろう!
ゼリーを作りあとは固まるのを待つだけなのに固まらない!その固まらない原因は粉寒天など固める材料がよく溶けていないことや、加える食材の酸味に関係があるようです。ゼリーを固めるには、粉寒天はカロリーもなくダイエットはもってこいで、おまけに食物繊維が多いので健康や美容にも効果的です。固まらないときは、上手に対処してみてください。ゼリーを固めるものは粉寒天のほかにも棒寒天やゼラチンもあります。用途に合わせて使いやすいものをお好みで利用するのもよいかもしれません。上手にゼリー、作ってみてくださいね。