2017年5月11日更新

コーン油は危険なの!?コーン油の特徴を見てみよう

コーン油

植物性の食用油・コーン油が危険!って話を耳にしませんか?
以前は健康にいい油の代名詞にも上がっていたコーン油がどうして危険なのでしょうか?ここではコーン油の特徴と、心配されているコーン油の危険性についてお話しします。

  1. 目次
  2. コーン油の特徴とは
  3. コーン油が危険な理由
  4. トランス脂肪酸について
  5. コーン油は注意して購入しよう!

コーン油の特徴とは

トウモロコシ 断面図

コーン油はトウモロコシの胚芽を原料とした食用油です。栄養成分の脂肪酸にはリノール酸やオレイン酸を豊富に含んでいますが、ほかの植物油に比べてα-リノレン酸の含有量が少ないのが特徴です。家庭用のサラダ油として利用され、揚げ物や炒め物などに使われます。そのほかマーガリンやスナック菓子の製造にも使われています。

体にいいといわれる油!?

トウモロコシの独特な風味豊かな油で、コーン油の脂肪酸に豊富に含まれているリノール酸がコレステロールを低下させ動脈硬化を予防すると言われています。ビタミンA、Eが豊富に含まれているので肌の皮質の改善、アンチエイジング、抗炎症作用に効果が期待されています。良質のコーン油は直接肌に使用したり、その柔軟性を利用して化粧品のクリームなどの原料にも使われています。

コーン油で特に含有量が多いリノール酸は、過剰摂取してしまうと健康に悪い効果が出てしまいます。リノール酸はお惣菜や加工食品、ドレッシングなど色々な食品に含まれているので過剰摂取にならないように、食生活に偏りを持たずに使用しなければなりません。

体に悪いといわれる油!?

最近コーン油が体に悪いと耳にしますが、これまで体に良いと言われてきたリノール酸の含有量が多すぎて、何も気にせずに食品に使うと、リノール酸の過剰摂取になってしまうことが体に悪いと言われる一つの原因です。

体の中の脂肪酸は本来1種類に偏らずバランスよく保たれているのが理想なのですが、コーン油はリノール酸の含有量がとくに多いため、調理に利用する時は食品に含まれているリノール酸との割合を考えて使用しないと過剰摂取に繋がってしまいます。

過剰摂取してしまうとアレルギーを引き起こしたり、血液の健康が乱れ動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞をおこしてしまいます。免疫力も低下するので癌の発症率をあげてしまうと言われます。また加熱すると神経毒に変化して脳を委縮してしまいます。

コーン油が危険な理由

コーン油の栄養成分を見ると効能や効果は体に良いものに見えますが、なぜこんなにコーン油が危険な油だと言われているのでしょうか?確かにリノール酸の過剰摂取はいけないようですが、それを含んでコーン油の危険な理由を見てみました。

リノール酸の含有量の多さ

以前はリノール酸の含有量が多いということで健康にいい油とその効果に期待されていました。もちろん上手に食生活に利用してほかの食品と一緒に利用しても摂取量がオーバーしなければ、問題はなく体にいい油と言われます。

しかし現代の食生活をみると、種実類、菓子類、魚、肉など色々な食品にリノール酸がすでに含有されているので、合わせて使うとどうしても過剰摂取になってしまい、健康に危険が生じてしまうのが事実です。

健康への心配は遺伝子組み換えのトウモロコシからも

原料であるトウモロコシの遺伝子組み換えの問題でコーン油の健康へ及ぼす危険が心配されます。現在トウモロコシは遺伝子組み換えされた種が多く、コーン油の原料も例外ではないということです。

マウスを使った実験では、遺伝子組み換えされたトウモロコシには発がん率が上がるとの報告があげらています。遺伝子組み換えの作物が必ず体に悪いというわけではありませんが、健康に危険を及ぼす問題を抱えているのは事実です。

ちなみにJ-オイルミルズでは、遺伝子組み換え作物に関し下記のように発表していました。

遺伝子組み換え作物の中で、植物油の原料となっているものは「大豆・なたね・とうもろこし・わた(綿実)」です。 当社では、国が認めたこれらの植物油の原料を、海外から輸入しています。遺伝子組み換え作物と、従来からの遺伝子組み換えではない作物とを区別せずに扱われている、遺伝子組み換え不分別の作物を使用しています。
なお、油脂製品中には、遺伝子を含むたん白質は全く含まれておりません。

作り方で発生するトランス脂肪酸の危険性

コーン油は、トウモロコシのデンプンを使って料理にとろみをつける時などに利用するコーンスターチを製造する際に分離したトウモロコシの胚芽を原料として作られます。そのためコーンスターチの副産物とも言われます。良質なコーン油は、胚芽に水蒸気を当てて低温で圧力をかけて圧搾します。低温圧搾製法(コールドプレス)という方法です。

この方法で作られるコーン油は良質ですが、問題となっている「コーン油が危険な油だ!」と言われる理由に、現在一般のスーパーなどで売られているコーン油は、原料のトウモロコシの胚芽から油を得るために高温加熱や薬剤を使用して作られているのが現状だということです。製造過程では200℃を超える温度で加熱し薬品を使って油を圧搾します。高温加熱することで、コーン油に含まれている栄養成分は破壊され、そして人体に悪影響を及ぼす危険な脂肪酸といわれるトランス脂肪酸を発生してしまうため、コーン油が危険な油だと心配されているのです。

トランス脂肪酸について

トランス脂肪酸とはオレイン酸やリノール酸と同じく不飽和脂肪酸の一種です。トランス脂肪酸は、原料から油を搾油する際に水素添加して製造する時に生成されます。コーン油のような不飽和脂肪酸を多く含む植物油を作る際にその副産物として生じます。植物油を化学的に処理して固形にする時や、植物油を精製する時に生成される脂肪酸です。

このトランス脂肪酸は健康に危険な脂肪酸と言われ、動脈硬化や心臓病のリスクを高めたり、アレルギー症に悪影響を及ぼす、また不妊症のリスクを高めると言われています。

コーン油は注意して購入しよう!

コーン油は健康にいいと言われるリノール酸の含有量が多いため、気をつけて使わないとリノール酸の過剰摂取になってしまい、健康に悪影響を及ぼしてしまいます。原料のトウモロコシが遺伝子組み換えであるものというのも健康に危険が及ばないかと心配な問題ですね。そして一番心配なのが製造される時に生成されるトランス脂肪酸!心配な脂肪酸です。コーン油を購入する時は、製造元でどんなトウモロコシを原料しているか、そして高温加熱で作っているのではなく低温圧搾加工で作っているものなのかを調べてから購入することがおすすめです。