2019年5月26日更新
八丁味噌とは?一般的な赤味噌との違いはなんだろう!
愛知県を中心に東海地方で馴染のある八丁味噌。八丁味噌で煮込んだ…!なんてレシピを目にすることありますよね。色も濃く濃厚そうな八丁味噌とはどんな味噌なんでしょう。今回は八丁味噌のお話しです。八丁味噌の特徴や栄養などを調べました。一般的な赤味噌との違いも見てみましょう。
八丁味噌とは
八丁味噌とは愛知県を中心に東海地方で親しまれている赤味噌です。八丁味噌の呼び名の由来は、元々は岡山市の八丁村(現在の八帖村)で作られていた元々は額田郡八丁村(現在の岡崎市八帖町)で作られていたことが八丁味噌の名前の由来です。濃い茶褐色をしている赤味噌の仲間です。
どんな特徴がある味噌なの?
八丁味噌は色が濃い茶褐色をしていて独特な渋味と旨みのあるのが特徴的な味噌です。糖分が少ないため甘味が弱いお味噌です。八丁味噌を作っている東海地方が、夏は暑く湿気が多いので、原料の大豆の脂肪酸が酸化してしまわないように、塩をたっぷりと使い、酸化による劣化を防ぐ熟成方法を取り入れ、そして長い熟成期間をかけて作られています。熟成期間と味噌そのものの色合いを見ると辛そうに見えますが、意外に塩分は少なく、その塩分濃度は約11%になります。
原料はなに?
八丁味噌の原料は大豆と塩と水です。原料の大豆に麹菌を植え付けて豆麹を作り、それに塩と水を仕込んで発酵・熟成させた豆味噌です。大豆のみを使用して、そこに酸化防止のために塩を多めに仕込んで作ります。
一般的な赤味噌との違い
八丁味噌を色で分類するなら赤味噌の仲間ですが、八丁味噌と一般的な赤味噌とはこんな違いがあります。
<八丁味噌>
原材料:大豆・大豆に麹菌を植え付けた豆麹・塩・水
麹の種類で分類すると:豆味噌
熟成期間:二夏二冬(約2年)以上の間熟成
生産されている地方:愛知県
味:濃口で甘味が弱く辛い
<一般の赤味噌>
原材料:大豆・米に麹菌を植え付けた米麹・塩・水
麹の種類で分類すると:米味噌
熟成期間:3か月~1年
生産されている地方:主に東北地方(青森、秋田、宮城、福島など)
味:地方により熟成期間や大豆と米麹の配合が違い、それによって甘口と辛口がある
八丁味噌におすすめの料理
大豆と塩のみで作られているので、大豆から分解されて作られるアミノ酸とペプチドで旨みやコクが深い味噌です。おすすめの料理は味噌煮込み料理、味噌田楽、肉味噌などのほか、特徴的な渋味とコクが肉や魚の臭みをとる効果があるため、サバの味噌煮などがおすすめです。
東海地方の人はごく普通に味噌汁として使っており、味が濃いので野菜など水分の多い食材に好んで使われます。
八丁味噌がない場合の代用
八丁味噌がない場合は、辛口の赤味噌に砂糖やみりんを加えて濃度をつけると、八丁味噌に近い味はでます。しかし特徴的な独特のコクや旨みを出すのはむずかしく、同じ味にはならないということは頭に入れておきましょう。
逆にほかの味噌に八丁味噌を代用するのはなかなか難しいようです。しかしこれも好みの問題ですので、味噌汁など八丁味噌らしさを出さなくともよいのであれば、ほかの味噌と代用しても特別害はありません。
八丁味噌の栄養
八丁味噌は原料が大豆のみであり、熟成期間がとても長いので、大豆のたんぱく質の発酵・熟成で豊富な栄養素を含んでいます。100gあたりのカロリーは約217kclです。
八丁味噌の栄養素
八丁味噌はたんぱく質、炭水化物、ビタミン(E・K・B1・B2・B6・ナイアシン・葉酸・パントテン酸など)、ミネラル(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・など)、食物繊維、塩分など豊富な栄養素を含んでいます。
そのほか大豆に含まれるポリフェノールの一種であるイソフラボンや、発酵食品であるため乳酸菌も豊富に含まれています。
効用・効能
含有されているイソフラボンが女性ホルモンに似た効用があるため、女性の美容・健康に効果があると言われています。ビタミンや大豆に含有されているイソフラボンによって抗酸化作用が働き、老化防止に効能も期待できると言われています。
そのほか、食物繊維の働きで便秘を改善してダイエット効果に期待ができ、肝臓の働きにも効能があると言われています。大豆が主体の八丁味噌は、リノール酸を多く含みコレステロールを下げ、女性に嬉しい美白効果も期待できると言われています。
八丁味噌をおいしく活用しよう!
愛知県を中心に東海地方で作られている八丁味噌は、色で分類すると赤味噌の仲間ですが、原材料は大豆と塩のみで作られている色の濃い味噌です。味噌を作るのに使われる麹も大豆に麹菌を植え付けて作った豆麹を使っている豆味噌です。米麹を使って作る一般の赤味噌とは味やコクに違いがあるので、代用はなかなか難しいようです。長期間熟成させる八丁味噌は栄養素も豊富に含まれていてその効能も大いに期待されています。味噌汁はもちろん、コクの強さから煮込み料理におすすめのお味噌です。八丁味噌の特徴をつかんで上手にお料理に活用してみてください。