2017年3月2日更新

酒石酸とは。その用途と効果

酒石酸とは、その名のとおりお酒、それもワインから抽出することのできる物質です。
有名なテレビ小説で出てきましたから、名前だけは知っている人も多いかもしれませんね。
テレビ小説では戦時中に兵器としてもちいられた酒石酸ですが、実は、現在でもさまざまな場面で利用されていることはご存知でしょうか。
この酒石酸の効果や用途について、いろいろとまとめてみました。

  1. 目次
  2. 酒石酸とは
  3. 酒石酸の用途と効果ってどんなもの?
  4. 酒石酸の危険性や毒性は?
  5. 酒石酸は食品添加物として認められた物質です

酒石酸とは

酒石酸って何?

酒石酸とは、レモンやぶどうなどの酸味のある果実に含まれる有機化合物です。
この酒石酸がカリウム、もしくはナトリウムと結びつくとそれぞれ酒石酸水素カリウム、酒石酸ナトリウムという物質になります。

酒石酸って何に使われるの?

酒石酸は、その酸味を活かし、酸味料として主に清涼飲料水やゼリーなどにもちいられることが多いです。
そのほか、PH調整剤や膨張剤、調味料として使われることもある、食品添加物です。

酒石酸はどうやって抽出するの?

酒石酸は、ワイン作りの過程で副産物として得られます。
ワインの中に沈殿したり、樽や瓶にキラキラした結晶体が付着したり。ちなみにこの結晶体は酒石といい、ワインに含まれる酒石酸とカリウムが結合した物質です。

酒石酸にはどんな種類があるの?

酒石酸には、 L-酒石酸、D-酒石酸、DL-酒石酸とその塩類があります。
塩類とは、酒石酸のもつ水素原子を金属で置換したり、塩基の水酸基を酸基で置換したりしてできる化合物のことです。

L-酒石酸…多くの植物に含まれている酒石酸です。
D-酒石酸…ごく一部の植物に含まれている酒石酸です。
DL-酒石酸…化学合成で得られる化合物で、L体とD体が1:1の物質です。

酒石酸にはどんな特徴があるの?

酒石酸は、消化、吸収されない物質です。
そのため、摂取してもそのまま排出されたり、腸内細菌によって分解されたりします。
とはいえ、酒石酸はもともと食品の中に存在するものですから、安全性には問題ありません。

酒石酸の用途と効果ってどんなもの?

食品添加物として

酒石酸と名のつく食品添加物はいくつかあり、それぞれ用途が異なります。

  • 酸味料…DL-酒石酸、L-酒石酸
  • 膨張剤…DL-酒石酸水素カリウム、L-酒石酸水素カリウム
  • 調味料…DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム

酒石酸は医薬品にも

催眠剤や入眠剤としてゾルピデム酒石酸塩、脳梗塞の後遺症や脳出血の後遺症に伴うめまいの改善としてイフェンプロジル酒石酸塩など、さまざまな医薬品があります。
ただし、どれもなんらかの副作用が指摘されているようです。

酒石酸の危険性や毒性は?

酒石酸は毒性がないとされていますが、現在のところ、酒石酸の安全性を示す研究データは発表されていません。
また使用基準も設定されていません。

酒石酸カリウムナトリウムは食品には使用不可

酒石酸にカリウムとナトリウム両方を結合させた物質で別名:ロッシェル塩とも呼ばれる物質があります。正式名称は酒石酸ナトリウムカリウム四水和物といいます。
膨張剤として使用される酒石酸水素カリウムや調味料として使用される酒石酸ナトリウムと似ているため食品添加物として使用されていそうですが指定(認可)されていません

テレビ小説で、戦時中にワイン作りを命じられたのを見て、不思議に思った人も多いのではないでしょうか。
酒石酸カリウムナトリウムは音波を捉える特性があるのです。
これを活かすと、潜水艦や魚雷のレーダーとして使えるため、戦時中はは酒石酸が必要とされていたのです。

酒石酸は食品添加物として認められた物質です

酒石酸は毒性がないとされていますが、現在のところ、酒石酸の安全性を示す研究データは発表されていません。
ただし、医薬品としての酒石酸には副作用が報告されており、大量に摂取すると、アシドーシスや腎障害を引き起こすと言われています。

【参考】酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(ロッセル塩) 安全データシート(SDS)(旧msds)(PDF)