2018年1月11日更新

栄養たっぷり!イタリアンパセリの使い方

イタリアンパセリ

栄養満点で健康に良い!と言われるパセリですが、ポソポソと口に残る食感と味がちょっと苦手・・・という方も多いはず。「良薬口に苦し」とばかりに、顔をしかめて無理して食べるのも、いただけないですよね。そこで、今回ご紹介したいのが、パセリの栄養そのままに、味と食感が野菜のようにマイルドで、無理せず美味しくいただけるイタリアンパセリです。

  1. 目次
  2. イタリアンパセリって、どんな野菜?
  3. イタリアンパセリの栄養価や効能はパセリと同じ?
  4. やわらかい葉が美味しい!生のイタリアンパセリの使い方
  5. 乾燥イタリアンパセリの使い方
  6. イタリアンパセリの栽培方法
  7. イタリアンパセリの保存方法
  8. 食べやすくて栄養満点のイタリアンパセリを日々の生活に

イタリアンパセリって、どんな野菜?

日本のパセリ、ヨーロッパのパセリ

日本ではパセリというと、葉が細かく縮れたタイプが一般的です。あらゆる料理の飾りつけとして、外食やお弁当、ケータリングなどで利用されますが、実際に食べる方は少ないようです。一方パセリ発祥の地ヨーロッパでは、イタリアンパセリと呼ばれる平たい葉をしたタイプが一般的で、料理の風味付けハーブやサラダ野菜として広く食用に使われています。

飾りだけではもったいない!パセリの豊富な栄養成分とその効用

パセリの種類について

パセリは地中海沿岸が原産のセリ科オランダゼリ属の二年草で、和名をオランダゼリといいます。パセリには大きく2つの種類があります。

  • 細かく縮れた葉のタイプ(縮葉種)…日本で一般的なパセリ
  • 平たい葉のタイプ(平葉種)…イタリアンパセリ

平たい葉を持つイタリアンパセリは、日本のセリや三つ葉のような見た目ですが、それもそのはず、これらも同じセリ科の植物で、タイ料理で使われるパクチーもこの仲間です。

イタリアンパセリの歴史

パセリの歴史は古く、古代ギリシャ・古代ローマの時代からすでに儀式や薬用に用いられており、中世ヨーロッパの頃に食用として使われ、以降ヨーロッパ全土に広がりました。この原種に近いのはイタリアンパセリのような平たい葉のタイプで、日本で一般的な縮葉種は後に品種改良されたものです。

イタリアンパセリの味と風味

イタリアンパセリの味は、縮葉種よりも苦味が少なく、葉も柔らかで口当たりが良いのが特徴です。反対に香りは、イタリアンパセリの方が強く、風味付けとして効果を発揮します。

イタリアンパセリの栄養価や効能はパセリと同じ?

日本で一般的な縮葉種パセリの栄養価は野菜の中ではトップクラスと言われますが、イタリアンパセリも同じ栄養価を持ち、鉄分、βカロテン、ビタミンC、ビタミンK、カリウム、カルシウム、そして苦み成分のアピオールが主な有効成分です。

鉄不足を解消!疲労や倦怠などの不調改善に

イタリアンパセリは、緑黄色野菜の中で最も鉄分が多く、その含有量はほうれん草や小松菜の数倍もあります。鉄分が不足すると、疲れやすい、やる気がでない、集中できない、頭痛、貧血、めまい、動悸、息切れといった体調不良を引き起こしますが、これらの症状は放っておくと生活習慣病へと繋がりかねません。健康維持のためにも、普段から意識的に摂取したい成分のひとつ鉄分も、イタリアンパセリで手軽に補充できるのです。

デトックス効果も抜群

イタリアンパセリに含まれるクロロフィルには、体内に蓄積された有害物質や老廃物を体外へ排出する解毒作用があります。またパセリには体内の塩分バランスを整えるカリウムも多く含まれ、利尿効果により浮腫みの解消に役立ちます。そしてβカロテンやビタミンCの抗酸化作用により体内の錆び(=活性酵素)を浄化してくれるなど、デトックス効果も抜群です。

抗酸化作用で生活習慣病の予防に

イタリアンパセリにはβカロテン、クロロフィル、ビタミンCといった抗酸化作用を持つ成分が多く含まれます。この抗酸化作用は、体内に蓄積される老化原因となる活性酵素を抑制することで、動脈硬化や高血圧、脳梗塞、糖尿病といった生活習病を予防します。またクロロフィルには、コレステロール値を下げる働きもあり、私達の健康を支えてくれる心強い存在です。

昔から伝わる殺菌効果

古くから知られていたイタリアンパセリの殺菌効果は、独特の苦味成分アピオールによるものです。この働きにより、雑菌の繁殖が阻まれ、口臭予防、食中毒予防などに効果があります。

日本のパセリとの違い

イタリアンパセリと日本のパセリの違いは品種が違うことです。
栄養素を見てみても日本のパセリと同じ栄養素を含んでいます。含有量はパセリよりも少し低いのが特徴です。効能もパセリと同じ効能です。イタリアンパセリは日本のパセリに比べると苦みが少なく口当たりが柔らかいといった特徴があり、添え物ではなくメイン食材として使われます。

やわらかい葉が美味しい!生のイタリアンパセリの使い方

shutterstock_1235198411

そのまま生でフレッシュサラダ

イタリアンパセリの特徴は、なんといってもその平たい葉の美味しさ!縮れた葉のパセリは火を通さないと固くて食べづらいのですが、イタリアンパセリは葉が柔らかく、そのまま生でリーフサラダとして大活躍です。色合い、風味共にどんなサラダにも合いますし、ベビーリーフと混ぜていただくと、見た目にも鮮やかです。

さまざまな料理のトッピングとしてたっぷりと

イタリアンパセリの爽やかな香りを活かし、そのまま生で、料理のトッピングとしても重宝します。アサツキやカイワレ大根の感覚で、肉料理、魚料理、野菜料理、スープ、パスタなど、様々な料理にたっぷりとふりかけちゃいましょう。

さっぱりとした和風テイストで

イタリアンパセリは、三つ葉やセリのように、おひたし、ごまあえ、卵とじ、味噌汁の具など、さっぱりとした和風料理としても美味しくいただけます。

炒め物に加えて風味アップ!

イタリアンパセリを、肉や野菜やキノコなどの炒め物に加えると、その風味が活かされ、いつもの料理がグレードアップします。和風、洋風、中華風、エスニック風と、どんなテイストにも合いますので、料理のレパートリーも広がりますね。

乾燥イタリアンパセリの使い方

乾燥イタリアンパセリも生葉のものと使い方はほとんど同じです。乾燥イタリアンパセリも香りがよいので香味野菜としてスープやサラダにふりかけたり、ソースやドレッシングの香り付けとして使います。また煮込み料理やハンバーグなどのひき肉料理に加えて香り付けや肉の臭みを消すために利用します。

イタリアンパセリの栽培方法

イタリアンパセリの鉢植え

イタリアンパセリは、日本で一般的な縮葉種パセリと同じく、ベランダやキッチンでも手軽に栽培ができ、春から秋にかけての長い期間収穫が楽しめます。自分で育てた摘み立てのフレッシュなパセリを、毎日の食卓に載せてみてはいかがでしょう?

苗から育てよう

イタリアンパセリは種からでも育てられますが発芽率が低いため、苗を鉢やプランターへ植え付けて育てた方が容易です。ただし植え付けの際は根を崩さないように注意してください。

水やりと日当たりの管理

水はけのよい土を好みますが、乾燥に弱いので水やりはしっかりと。春から秋にかけてはイタリアンパセリが育つ時期ですので、土が乾かないように管理します。また、適度な日当たりは必要ですが真夏の直射日光などは避け、明るい日陰で育てるのが最適です。

収穫は春から秋にかけて

イタリアンパセリの成長は早いので、食べごろになったら外側から少しづつ使う分だけ収穫し、常に10枚くらいの葉を残しておくと、続けて何度も収穫が楽しめます。また初夏に花をつけると葉が固くなりますので、花茎が出たら早めに摘み取ります。

イタリアンパセリの保存方法

生葉のイタリアンパセリは乾燥しないように濡れた新聞紙やキッチンペーパーなどにくるんでジップロックなどに入れて、冷蔵庫の野菜室にたてた状態で保存します。賞味期限は2~3日くらいです。

乾燥したイタリアンパセリは密封できる容器や瓶などに入れてきちんと蓋をして冷蔵庫に保存します。市販のものの表示を見ると「常温で保存」と記載してあるものもありますが、冷蔵庫で保存した方が、鮮やかな緑色を保つことができます。

乾燥したイタリアンパセリの方が賞味期限が断然に長いです。生葉状態のものが多すぎて2~3日中に使い切れないときは乾燥させてしまいましょう。生葉のイタリアンバジルを良く洗い、葉をちぎり耐熱皿にのせ600wで2分30秒くらい加熱します(量が多い時は何回かに分けて加熱してください)。そのまま粗熱がとれたら保存するのでもよいが、ミルやすり鉢で細かくします。出来上がったら蓋がしっかりしまる瓶などに入れて冷蔵庫で保存してください。

食べやすくて栄養満点のイタリアンパセリを日々の生活に

パセリの栄養をそのままに、さらに美味しく食べやすいイタリアンパセリ。最近はスーパーなどでもよく見かけるようになり、栽培も意外と簡単です。いままでパセリが嫌いだった方も、イタリアンパセリなら無理せず食べられて、ひょっとしたらパセリ好きになるかもしれません。よかったら試してみてくださいね。