2018年1月11日更新

バジルについてもっと知っちゃおう!その栄養と効能について

バジル

キレイな緑色の葉から生まれる爽やかな香りが印象的なバジルは、イタリアン料理には欠かせないハーブとして、日本でもすっかりお馴染みとなりました。今回はこのバジルの種類や栄養、効能効果、そしてオイルやソースの作り方など料理への活用法を見ていきましょう。

  1. 目次
  2. バジルとは?種類や由来について
  3. バジルの栄養
  4. バジルの効果効能
  5. バジルの副作用
  6. バジルを使った料理活用法・オイルやソースの作り方など
  7. バジルのヘルシーな使い方
  8. バジルの栽培方法
  9. バジルをもっと身近に美味しく活用しましょう

バジルとは?種類や由来について

バジルはインド原産のシソ科メボウキ属の植物で、和名をメボウキといい、イタリアではバジリコと呼ばれています。バジルの用途は主に食用で、葉はハーブ野菜として料理の風味つけに、種はデザートやダイエット食品として利用されます。

バジルの種類について

バジルには約150種があり、なかでもイタリア料理でパスタやピザやサラダなど幅広く使われるスィートバジルが有名です。

また、ホーリーバジルは、タイ料理のガパオなど東南アジアの香味野菜として使われ、インドではトゥルシーティーという健康茶として利用されています。

他にも、柑橘系の香りを持つレモンバジル、小さく細い葉がこんもりと丸く茂るブッシュバジル、紫色の葉が美しいダークオパールバジルなどがあります。

バジルの由来

原産のインドでは、古くからホーリーバジルがトゥルシという名で、聖なる植物、不老不死の象徴として、儀式やアーユルヴェーダ(伝統医学)で使われてきました。

ヨーロッパへは、アレクサンダー大王の東方遠征によりインドから持ち帰られたと伝えられています。バジルの語源は、古代ギシリャ語の「王様」を意味するバシレウスに由来し、主に薬用として利用されました。

日本へは江戸時代に渡来し、その種を水分でふやかしゼラチン状にし、目薬として利用したことから、「メボウキ=目箒」の名がつけられています。

バジルの栄養

イタリア料理には欠かせないバジル。ここでは気になる栄養について見てみましょう。ご紹介する栄養成分の含有量は食品成分標準表2015年版(七訂)に基づく含有量で、バジル生葉の可食部100g当たりの数字です。

<栄養成分・生葉100gあたり>
カロリー24kcal、脂肪0.6g、炭水化物4g、ミネラル(ナトリウム1mg、カリウム420mg、カルシウム240mg、マグネシウム69mg、リン41mg、鉄1.5mg、亜鉛0.6mg、銅0.2mg)、ビタミン(β-カロテン6300ug、E3.9mg、K440ug、B1は0.08mg、B2は0.19mg、C16mg

バジルの栄養の特徴は体内でビタミンAに変化するβ-カロテンやビタミンE、カルシウムが多いことです。人参もβ-カロテンの多い食品ですが人参と比べると人参皮つき可食部100g当たりのβ-カロテンは6900ug、ビタミンEは0.4mg、カルシウムは28mgです。ビタミンEもカルシウムも、バジルには人参の約9倍も多く含まれています。

バジルは生葉で食べるほか、パスタやピザなど加熱して食べることがあり、その時の栄養成分の変化は調理法によって違いがでてしまいます。たとえば油で炒めるとか蒸すという調理方で利用するとβ-カロテンやビタミンEはさらに増えますが、バジルは茹でると栄養成分は減ってしまいます。乾燥バジルの栄養成分は生葉と同じです。

バジルの効果効能

バジルの栄養と効果効能

胃腸の働きを整える

 
フレッシュなバジルの爽快な風味は、私達の食欲を旺盛にしてくれますよね。それもそのはず、バジルには胃腸を整える働きがあり、消化不良や便秘の解消、胃炎や胃酸過多の緩和、嘔吐や胃痙攣などにも効果があります。

殺菌、抗菌作用

古来より消毒用にも使用されてきたバジルには、優れた殺菌・抗菌作用があります。これは香り成分シオネールやオイゲノールの働きによるもので、風邪や気管支炎など細菌性の疾患の予防として有効です。

免疫力アップとアンチエイジング

バジルには、私達の免疫力を高めるβカロテンが豊富に含まれています。このβカロテンには、老化原因となる活性酵素(体内の錆び)を抑制する抗酸化作用もあり、アンチエイジングとしての効果も期待できます。

リラックス効果

バジルの爽やかな香りの成分リナロールには、神経を落ち着かせる鎮静効果があります、これにより、イライラを鎮め、不安を抑え、ストレスを解消し、リラックスをもたらしてくれます。また偏頭痛にも効果があります。

不足しがちなカルシウムも豊富

バジルにはミネラルも豊富です。特に現代の私達に不足しがちなカルシウムを多く含み、イライラの解消に役立ちます。また、バジルにはカルシウムの吸収を助けるビタミンKも含んでいるため、効率的にカルシウムが摂取できます。

バジルの副作用

バジルは体に良い効能がたくさんあり、副作用についてはほとんど報告がない嬉しいハーブです。しかしどんなに体に良いと言われるものでも過剰摂取は逆効果となる場合があります。特に天然の植物であるハーブなどは摂りすぎると毒になってしまうものもありますが、バジルの場合はそのような報告はありません。たとえば生葉のバジルをちょっと食べすぎると口の端や舌がひりひりするという話は聞いたことがあります。しかしスパイスとして用いる分量であるなら特に副作用のないハーブです。

バジルの1日の摂取量はどのくらい?

野菜などの食品では厚生労働省の食品衛生管理などによって、成人1人あたり1日に必要な許容摂取量などが決められていますが、バジルなどのハーブに関しては1日の摂取量はこれだけ!という決まりは特にありません。

料理に適量使う分量で、個々が判断して適量を決めて使用します。バジルはたくさん摂取したからと体に有害となるものではありませんが、植物ですので、使用目的にあわせてバジルの特徴が料理に出せる適量をご使用ください。

バジルは下痢止めになる?

バジルは下痢止めの薬としても使われてきました。バジルの栄養成分だけでなく、特有の爽快でクールな香りの成分にリラックス作用、整腸作用、頭痛の解消といった効果があります。

バジルの香りの成分はスーッとした清涼感をだすシネオール、フローラルな香りのリナロール、重圧な香りでどことなくクローブに似た香りのするオイゲノールなどが主な香りの成分ですが、殺菌作用や食欲を増進させる働きもあるので、夏バテの時期やお腹を壊し下痢になりやすい夏を乗り切るときに料理にバジルを加えるのはおすすめです。

アレルギーを抑制する作用がある

バジルは抗アレルギー作用があると報告されています。アレルギー性鼻炎に感染させた実験用のラットにスウィートバジルなどが含まれている物質を投与して経過観測したところ、くしゃみを抑制し、鼻粘膜からアレルギー反応を抑えることができ、鼻過敏症状を緩和できたという報告が上がっています。

バジルを使った料理活用法・オイルやソースの作り方など

カプレーゼ

バジル、モッツアレラチーズ、トマトのサラダ・カプレーゼ

バジルの緑・モッツアレラチーズの白・トマトの赤がイタリア国旗を表すカプレーゼ。味付けはシンプルに良質のオリーブオイルと塩コショウだけ。新鮮な生のバジルと生のモッツアレラチーズが手に入ったら、ぜひいただきたい一品です。

ピザ・マルゲリータ

イタリアのナポリピザの代表といえばマルゲリータ。トマトソースにモッツアレラチーズでカリっと焼いたピザに、生のバジルを添えます。カプレーゼと同じく、シンプルな味わいが後を引く美味しさです。

バジルで作るペースト・ジェノバソース

パスタのジェノベーゼでお馴染みのジェノバソースは、バジルとナッツで作るペーストでPestoペストとも呼ばれます。作り方はいたって簡単です。

  • 生バジル…3カップ
  • 松の実…1/4カップ
  • 削ったパルメザンチーズ…1/4カップ
  • オリーブオイル…1/4カップ
  • にんにく…2片(お好みで調整しましょう)
  • 塩こしょう

フードプロセッサーにかけてペースト状にするだけでできあがり!市販品とは違うフレッシュなできたての風味が堪能できます。パスタはもちろん、ゆでたポテトにあえたり、肉や魚のソテーやローストにも良く合います。

東南アジア風の炒め物に

フレッシュバジルと鶏ひき肉のピリ辛炒め、卵焼きを、ご飯の上にのせていただくタイ料理のガパオはいかがでしょうか?本場ではホーリーバジルを使いますが、手に入りやすいスィートバジルでも充分代用できます。また他にも、肉や魚の炒め物にフレッシュバジルを混ぜると、新鮮な東南アジア風味に早変わりです。

バジルオイル

フレッシュバジルとニンニク、鷹の爪をオリーブオイルに漬けこみ、1週間ほどで風味が付いたら取り出します。これだけで美味しいバジルオイルのできあがり!サラダや料理に重宝間違いなしです。

バジルのヘルシーな使い方

バジルシード(バジルの種)

バジルシードでダイエット

バジルの種は黒くてゴマ粒くらいの大きさですが、水につけるとゼラチン状に膨らみ、なんと30倍もの大きさになります。低カロリーなのに栄養価が高く、腹持ちも良いことから、美容やダイエット食品として最近注目をあびています。

トゥルシーティーでリラックス

トゥルシーティーと呼ばれるホーリーバジルのハーブティは、まろやかでクセもなく、とても飲みやすいです。最近は輸入食品店などでも見かけるようになりましたので、リラックスタイムのお供にぜひ!

バジルの栽培方法

バジルの鉢植え

簡単にできるバジル栽培

バジルの栽培は思ったより簡単です。春先に苗を買って鉢やプランターに植えるだけで、初夏から秋にかけてフレッシュな葉が沢山収穫できます。もちろん種からでも、容易に育てられますので、地植えなどで沢山の量を収穫する場合はお勧めです。

日当たりと水やり

バジルの成長には、たっぷりの日光と、たっぷりの水が必要で、若干湿り気があって肥えた土壌を好みます。夏場は土が乾きやすいので注意してください。

摘芯をして脇芽を増やす

15~20センチくらいに成長したら、先端の芽を取って(摘芯をして)脇芽を増やします。こうすることでヒョロヒョロに育つことを防ぎ、こんもりと葉を茂らせ、より多くの収穫ができるのです。

葉の収穫は花が咲くまで

バジルの開花時期は夏以降ですが、いったん花が咲いてしまうと葉が固くなるため、葉の収穫はそれまでに済ませましょう。

バジルをもっと身近に美味しく活用しましょう

いかがでしたでしょうか?お馴染みのバジルも深く知ると、思ったよりも手軽に栽培でき、料理も簡単、栄養効果も抜群、バジルシードやトゥルシーティーも便利・・・と、かなりのお役立ちハーブだったんですね。これを機に、もっと身近に美味しく活用してみてください。