2017年6月30日更新

栄養満点!いんげん豆の嬉しい効能とは

いんげん豆

1年を通じて私たちの食卓を鮮やかに彩るいんげん豆。実はたくさんの栄養の他に、体にも嬉しい効能があるんです。今回は、知られざるいんげん豆の由来や歴史についても合わせて紹介します。

  1. 目次
  2. いんげん豆とは
  3. いんげん豆の栄養とは
  4. いんげん豆の効能とは
  5. いんげん豆の食べ方は?

いんげん豆とは

いんげん豆は中央アメリカ原産の一年生草本です。原産地で栽培化され16世紀にヨーロッパに伝えられたとされています。日本へは隠元禅師が中国から持ちこんだと言われているが真偽のほどは定かではないようです。
いずれにしろ江戸時代中期には日本に入ってきていたとされています。

いんげん豆には若い莢(さや)を食べる品種完熟した豆を食べる品種があります。莢(さや)を食べる品種はサヤインゲンと呼ばれることもあります。

白いんげん豆

先進国では若いサヤを食べるサヤインゲンの需要が多いが、発展途上国では乾燥種子(豆)を炭水化物やタンパク質を補給する目的で利用されており重要な作物となっています。

いんげん豆は主に初夏が旬ですが、1年に3回収穫時期を迎えることから、三度豆とも呼ばれます。
柔らかく繊細なさやと豆は、野菜としての特色も兼ね備えており、缶詰や塩漬け、冷凍食品、乾燥食品などの加工品になります。

見た目の特徴や豊富な種類

いんげん豆は海抜の高い温帯地域や熱帯地域で育ちやすく、日光を好む特性があります。
さやは10-20cmほどで、形はまっすぐと少し曲がったもの、断面が丸いものと扁平なものに分かれます。現在ではその形の違いから、どじょういんげん、サーベルいんげん、平さやいんげん、モロッコいんげんなどと区別して呼ばれます。
さやの表面は細かい毛で覆われ、色は不均一で緑、黄色、紫、白などに分かれます。色の違いでも、紫いんげん、白いんげんと呼び名が変わります。
最終的にはどの種類も成熟すると黄みを帯びた褐色に変化します。
さやは成長するにつれて側面の繊維質が発達し、豆を包む側の層が厚みを増していきます。あまり硬くなりすぎると野菜としてのメリットが失われるため、収穫時期の見極めが重要になる豆でもあります。
さやごとに4-8粒の豆が入っており、1000粒あたりの重さは300-700gほどになります。

いんげん豆の栄養とは

いんげん豆の小さな粒の中には、どんな体に良い栄養素がつまっているのでしょうか。さっそく見ていきましょう。

主な栄養や気になる糖質は?

いんげん豆の主な栄養は、タンパク質、脂質、炭水化物、食物繊維、ビタミンA、カロテン、ビタミンB1、B2、B3、C、E、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどであり、中でもカルシウムが高いことで有名です。
100gあたり349mgのカルシウム含有量は、大豆の2倍に匹敵します。また鶏肉と比べるとカルシウムは7倍、鉄分は4倍、ビタミンB群も数倍高くなります。
食物繊維やカリウムも多く含み、その含有量は小豆よりも高いことから、夏場にいんげん豆を食べれば効果的にミネラル補給ができるんですね。
糖質はインゲン100gあたりの糖質は約2.7gと、豆類の中では平均的な高さです。
しかし、野菜全体でみるとかなり低めなため、糖質制限をしている人でも安心して毎日摂ることができます。

いんげん豆の効能とは

いんげん豆の効能は主に以下の通りです。

いんげん豆に含まれるウレアーゼという酵素は、重度肝臓病に起こる意識障害の改善に効果があるそうです。
他にもカリウムやマグネシウムが心臓病や動脈硬化、その他代謝障害のほか塩分摂取制限の患者へ向けた食事療法にも使用されています。

サポニンなどの物質が脂肪の吸収を抑え、分解と代謝を促進します。また食物繊維が食べ物を滞った腸内環境を整えてくれるため、食べ物が腸内にとどまる時間が短くなり、太りにくい体質を作ります。

いんげん豆の食べ方は?

いんげん豆の効能が分かったところで、次にどのように食べると良いかを見ていきましょう。

いんげん豆には炒め、煮込み、塩漬けなどたくさんの食べ方があります。
しかし美味しく栄養豊富な半面、その豆の中には毒性のタンパク質が含まれますので、食べる前は必ず茹でて毒素を消す必要があります。茹でても栄養は残るので、必ず茹でるようにして下さいね。
この毒性タンパク質の潜伏期は1-5時間で、主に吐き気、嘔吐、下痢腹痛、めまい、頭痛、むかつき、冷や汗、胃もたれなど胃腸炎に似た症状が出ます。1-2日で自然に治りますか、症状の重い場合は病院に行くようにします。

乾燥いんげん豆を柔らかくするには?

市販で売られているいんげん豆のうち乾燥しているものを買った場合は、まず戻す必要があります。
そこで、巷で実践されている方法をいくつか紹介します。

1.事前に冷凍する
いんげん豆を冷凍用の保存袋に入れて1週間冷凍しておきます。使う直前に取り出し、あとはいつもの通りに煮ます。柔らかくなるのが早いので、煮る時間が短縮されます。

2.水に浸けておく
前の晩から水に浸けておき、翌日に圧力鍋で加熱すれば30分ほどで出来上がりです。

3.そのまま煮こむ
いんげん豆に水を多めに加え、沸騰したら火を止めて30分おき、再び30分ほど弱火で煮れば完成です。

4.炊飯器で
炊飯器に豆とひたひたの水を入れ、そのままスイッチを押すだけ。一度で柔らかくならない場合は、水を新しく入れ替えてから更にもう一度炊飯すれば柔らかくなりますよ。

栄養満点おすすめ料理

いんげん豆の定番料理といえば炒めもの。季節になると安くたくさん手に入るため、シンプルにいんげん豆だけを使った炒め料理がおすすめです。
いんげん豆柔らかく戻しておき、先にニンニク、ネギ、生姜をそれぞれみじん切りにしてサラダ油で炒めます。油が行き届いたらいんげん豆を加えてさっと炒めるだけ。
味付けは塩、醤油、酢、水溶き片栗粉、味の素であっさりと仕上げます。

身近な食材ほど、意外に知らないことが多いものです。
いんげん豆の新しい魅力に気づいたら、今日からさっそく献立に加えてみてくださいね。