2017年6月21日更新

フュメ・ド・ポワソンとは?フュメ・ド・ポワソンはどんな使い方ができるか

フュメ・ド・ポワソン

フュメ・ド・ポワソン。お洒落な名前ですね。この発音からするとフランス料理のなにかということは見当がつきます。ではさっそくフュメ・ド・ポワソンを解明していきましょう。フュメ・ド・ポワソンとは?そしてどのような使い方ができるのか調べました。

  1. 目次
  2. フュメ・ド・ポワソンとは
  3. フュメ・ド・ポワソンの使い方
  4. フュメ・ド・ポワソンの代用は?
  5. フュメ・ド・ポワソンはフランス料理の魚のだし汁

フュメ・ド・ポワソンとは

フュメ・ド・ポワソンとはフランス料理の基礎になる魚のだし汁のことです。フランス料理には欠かせないだし汁の一つです。白身魚のアラをメインに香味野菜を加えて何時間もかけて煮込んで取った、コクと風味豊かなだし汁です。

フュメ・ド・ポワソンの意味

フュメ・ド・ポワソンのフュメとはフランス料理でフォンと同じ意味をさし、「だし汁」という意味で使います。フランス料理のだし汁の意味を示す「フォン」には材料を炒めたりオーブンで焼いてから煮出した茶色のフォンと、材料をそのまま煮込んだ白いフォンがあいます。フォンは色で分けると材料の調理法で茶色のフォンと白いフォンがあるのです。茶色のフォンでは仔牛のスジや骨から取ったフォン・ド・ボーはご存知の方も多いかと思います。魚から取ったフォンはほとんどが白いだし汁です。そして魚から取っただし汁は、フランス料理メニューなどでは「フォン」とは言わず「フュメ」という名称を使います。

フランス料理でだし汁という意味を持つフォンは、色で分類するほかに原材料で分類されます。日本のだしも昆布だしやかつおだしがあるように、フォンにも主原料によっていくつか種類があります。先ほど話にでました仔牛の骨などを煮出したフォン・ド・ボー、鶏と使ったフォン・ド・ヴォライユ、ジビエを使ったフォン・ド・ジビエ。そして魚を材料としたフォンがフュメ・ド・ポワソンです。

ほとんど魚のだし汁は白いだし汁が一般的です。フランス語でだし汁のことは「フォン」というとお話ししましたが、魚のだし汁にかぎりフュメ・ド・ポアソン(fumet de poisson)と呼ぶ理由について東京都にあるフランス料理文化センターのシェフに伺ったところ、総称的には魚のだし汁ということではフォン・ド・ポワソンと呼んでも間違えではないそうですが、メニューなどでは魚のフォンはフュメ・ド・ポワソン(白い魚のだし汁)と書かれて、多くのシェフの間でもフュメ・ド・ポアソンと呼んでいるそうで、外国語で示す女性名詞と男性名詞の関係からというわけではないということです。

フュメ・ド・ポワソンの原料

主な材料は舌平目や平目などの白身魚のアラ、白ワイン、水、野菜(人参、玉ねぎ、セロリ、ポアロー(代用に長ネギ)、エシャロット、マッシュルームなど)、ブーケガルニ(セロリの茎、タイム、パセリの茎、ポロネギの葉などを束ねたもの)、ローリエの葉、香辛料(白こしょうなど)、塩です。

作り方

  1. 魚のあらは流水につけて血抜きをしておきます
  2. 野菜類はスライスしておく
  3. 背の高めの鍋でにんにくや玉葱を炒めます
  4. そこにスライスした野菜類を加え、色を付けない程度に炒める
  5. 野菜がしんなりしたら魚のアラを加え、そこに白ワインを入れる。軽く煮詰めてからさらに水を加える。
  6. 沸騰直前でアクを取り除き、ブーケガルニ、塩、香辛料、ローリエを加え、弱火で20分程度煮詰めて野菜の香りをつけます
  7. ザル(シノア)で漉して出来上がり

フュメ・ド・ポワソンの使い方

基本の使い方は西洋料理のベースのだしに使います。素材を煮込むときの煮汁、スープ、ソースなどのベースにします。

おすすめの西洋料理

クラムチャウダー、フュメ・ド・ポワソンのコンソメ、パエリエ、魚介のアクアパッツア、魚介のパスタ、(シンプルに)スープ、ムニエル、ブイヤベースなど。

その他のおすすめ料理

シーフードカレー、八宝菜のちゃんぽん、天津飯のあん、茶わん蒸し、卵焼き、磯部鍋、ゼラチンで固めてジュレにしてサラダなどの飾りにするなど。

フュメ・ド・ポワソンがないときの代用は?

フュメ・ド・ポアソンは魚のアラを野菜と一緒に長時間煮出したコクと風味が豊かなだし汁です。魚のアラは舌平目や平目のアラを使うことが多いですが、手に入らない場合は鯛またはスズキのような白身の魚で代用できます。材料を煮出し、丁寧にアクを取って作るこのだし汁は手間のかかる贅沢なだし汁ですが、西洋料理などの味の基本になる大変おいしいだしです。多めに作って冷凍保存して使うこともよい方法ですが、こんなものも代用に使うこともできますので試してみてください。

アサリの茹で汁+白ワインまたは日本酒

アサリの茹で汁はアサリの旨みとアサリからの塩味がダシに出ています。別鍋ににんにくを軽く炒め、白ワインまたは日本酒を加えてアルコール分をとばし、そこにアサリの茹で汁を加えたスープはフュメ・ド・ポワソンの代用になります。

鰹だし+日本酒+塩

日本料理に使う鰹だしに日本酒と塩を食わると近い味になります。風味は和風ですが魚の旨みを出しただしということで方向性は同じだしです。ただ和風のだしなので洋食のソースや煮だし汁には、少し風味が違ってしまうかもしれません。

和食のうしお汁+日本酒

和食のうしお汁に日本酒を加えて代わりに使います。うしお汁は魚介類のだしに塩を加えたすまし汁です。野菜の旨みはありませんが、魚介の旨みは出ているので、その旨みを利用して代用にします。

顆粒の鶏ガラスープの素

市販の中華料理用のガラスープを料理に加えて代用にします。風味を出すために仕上げに白ワインもしくは日本酒を少し加えるとフュメ・ド・ポワソンの代用に使えます。ちなみに「YOUKI顆粒中華料理ガラスープ」は原料に鶏のエキスやビーフのエキスを使っていますが、野菜ミックスのパウダーが野菜の旨みを出し、白ワインや日本酒を加えることでフュメ・ド・ポワソンの代わりに使うことができます。

フュメ・ド・ポワソンはフランス料理の魚のだし汁

フュメ・ド・ポワソンはフランス料理の魚のだし汁です。フランス料理では基本のだし汁のことをフォンと言いますが、魚のだし汁はフォンではなくフュメと言います。舌平目や平目のアラと野菜類を長時間煮込んで取った美味しい魚のだし汁!アクを取ったりすこし手間がかかる贅沢なだしですが、美味しいお料理のだし作り、ぜひ挑戦してみてください。