2020年11月25日更新
クセ物好きにはたまらない腐乳の味や使い方
腐乳は中国や台湾で食べられている発酵食品でソースとしても活用されています。日本で食べている発酵食品のようにクセのある味をしている腐乳ですが、手作りすることも可能で、料理との相性も抜群です。今回は腐乳の栄養や作り方、使い方、腐乳の仲間である紅腐乳とは何なのかといった点を解説します。
中国圏で愛され続ける腐乳の味
日本では毎日の食事に豆腐が登場する頻度は高いですが、中国や台湾、東南アジアなどの地域でも豆腐は欠かせない食品です。しかし、豆腐は豆腐でも中国圏で食べられているのは腐乳(フールー)という食品。
豆腐に麹を付け、塩水に漬けて作られる食品で、いわゆる発酵食品の分類になります。人によっては豆腐がチーズに変わったよう、と表現される腐乳は、食べる側の好き嫌いがかなり分かれる食べ物です。
中国や台湾では腐乳を定番の調味料として認識しています。そんな腐乳ですが、なんと1,000年以上も前から存在していた歴史ある食品でもあります。
腐乳の味はかなりしょっぱい
腐乳の中でも定番の白腐乳は非常にしょっぱいです。塩をそのまま舐めるよりも塩味があり、日本の食品で近いものを挙げると塩辛のような刺激を感じます。
強烈な塩味の後は豆腐を濃厚にしたような風味があり、チーズのようなねっとりとした食感だと感じられます。
紅腐乳とは?
腐乳は基本的に「紅腐乳」、「白腐乳」、「青腐乳」の3種類があります。
最もポピュラーな腐乳は白腐乳で、紅腐乳は文字通り紅麹を使用して作られているため、豆腐の見た目が赤くなっています。ほんのり色付く程度の赤なのでビックリするほど赤いわけではありません。
青腐乳とは臭豆腐のこと
この青腐乳は別名「臭豆腐」と呼ばれるほどクセも臭いも強い刺激のある腐乳です。腐乳に慣れた方でも体が受け付けない場合もあるため、腐乳の種類の中では上級者向けと言われています。
また、腐乳には味付けされたものもあり、「辣腐乳」と呼ばれる白腐乳に唐辛子が入ったタイプもあります。辣腐乳は赤く見えますが、中身は白腐乳が使われています。少しピリッとした辛味はありますが、激辛ではないため日本人にも食べやすい種類です。使用されている唐辛子によって、腐乳独特のクセや香りが目立たなく仕上がっている辣腐乳は、比較的食べやすくなっています。
腐乳に栄養はあるの?
発酵食品のイメージは基本的に栄養があるとイメージされますが、腐乳にも同じことが言えます。
腐乳は豆腐を使用しているため、原料は大豆です。豆腐の2倍ものタンパク質を含み、発酵される過程でアミノ酸に分解されるため、直接消化と吸収が可能です。
更に、酵母の働きで消化と吸収の機能が良好になるため、ミネラル類の栄養をより効率良くします。また、腐乳には亜鉛やビタミンB類が多く含まれており、食べ続けるとビタミンB12を摂取できるため老人性痴呆症の予防になるとされています。
他にも効能として、血液の巡りを良好にする、高血圧予防、老化予防、胃もたれにも良いとされています。
腐乳は手作りできる!作り方をピックアップ
腐乳作りに必要となる材料は、島豆腐1丁、麹100g、泡盛1カップ、塩大さじ1杯です。
全ての材料を保存袋に入れたら10日ほどで乳酸発酵により、腐乳が完成します。出来上がった腐乳は煮沸消毒を行った空き瓶や容器に移し、冷蔵庫で保存すれば数か月程度長期保存することも可能です。
【腐乳の使い方】どんな料理と合うのか
日本でも多くの発酵食品が食べられていますが、外国の発酵食品は食べ方が分からないことが多いですよね。特に好みがはっきりと分かれるであろう腐乳はどのような使い方で料理にプラスすれば良いのでしょうか。
腐乳をソースに
腐乳があれば様々な料理のソースとして生かすこともできます。1欠片程度の少量の腐乳に黒酢、醤油、豆板醤、ごま油を混ぜ合わせれば簡単に腐乳ソースを手作りで常備することができます。腐乳は溶けづらいため、合わせる前段階で潰してから他の調味料を入れると良いでしょう。
炒め物
腐乳の使い方は調味料として料理に加えるという選択もできます。葉物や肉類、野菜などの幅広い食品と相性が良いため、お好みの材料と合わせて炒め物にすることが可能です。風味をプラスするだけの使い方であればほんの少量を使えば良いため、腐乳に初めて挑戦するという方はまず炒め物から始めてみても良いでしょう。
唐揚げやソテーの下味に
唐揚げやソテーの下味に少量の腐乳を混ぜることで調理後の味わいが格段に変わります。いつもの唐揚げやソテーの風味に飽きたら腐乳でコクをアップさせてみましょう。
煮込み調理にもOK
たくさんの材料を楽しめる煮込み料理にも味付けとして腐乳を使ってみましょう。大さじ1杯程度の腐乳があればOK。鶏モモ肉や豚肉、牛肉などのお肉が旨みアップで食べられます。
腐乳をお酒のツマミに
料理ではありませんが、腐乳を食べるツウはそのままチビチビ食べる方もいるようです。一度にたくさん出しても食べ切れないため、少量ずつ出しながら爪楊枝で食べ、お酒のツマミにして楽しむ食べ方もあります。
クセもの好きは是非腐乳をお試しあれ
腐乳についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。見た目だけではさほど臭くなさそうな食品ですが、実際に食べてみると味や風味にもクセがある発酵食品です。初めての方は最初の一口に勇気が要りますが、食べる機会があれば少しずつ召し上がってみてはいかがでしょうか。