2017年5月9日更新

たっぷりの肉汁が味わえる!グレービーソースの作り方とは?

焼肉やハンバーグなどを焼いた時に出る肉汁、ギトギトにならないようにするためキッチンペーパーで吸い込んだりして捨てることもありますが、実はこれ、肉料理を華やかにする優れたソースになるんですよ。
今回はこの肉汁を使ったソース。グレービーソースについての紹介です。

  1. 目次
  2. グレービーソースとは
  3. 作り方によって風味もさまざま
  4. 自家製グレービーソースに挑戦

グレービーソースとは

グレービーソース自体あまり聞いたことのないという人も多いかも知れません。グレービー(gravy)は英語で肉汁を指しますがこのソースはどこから来たのでしょうか。

ソースの由来

イギリスの家庭料理には18世紀、すでにグレービーソースについて書かれた資料があります。しかし、当時肉は貴重であり、そこから取れた少しの肉汁に野菜やスパイスを多く入れて作られていました。
また、肉汁を料理に使用するという考え方は古くからあり、以下のようなソースを作る際にも活用されていました。

(1)ブラックペッパーソース

シンガポール料理で使われるソースです。牛肉を焼いた後に出た肉汁に黒胡椒、ブランデー、塩、ネギ、ニンニクを加えて熱し、スープを足して煮つめます。

(2)マッシュルームソース

肉汁にすりおろししたニンニクを加えて炒め、さらに薄切りにしたマッシュルームとブランデーを加えて炒めたら、トマトベースのスープで煮つめます。
グレービーソースは、食材の全てを味わい尽くすという考えのもと生まれたソースなんですね。

どんな味?

肉汁のうまみに、ふんわり香るワインとバターやオリーブオイルの滑らかな口当たり。肉の甘さを基調とした上品な味わいです。
ソースの中でも濃すぎず、素材になじみやすいその味は、洋食の肉料理全般に使用されます。

作り方によって風味もさまざま

和食の出汁にもさまざまな食材が使用されるように、グレービーソースのメインはとなる肉汁はあらゆる肉からなります。

基本の作り方

オーブンやフライパンなどで焼いた後に出る肉汁に、ワインやブイヨン(魚、牛、鶏、野菜を煮込んで作る出汁)とスパイスを加えて煮つめて作ります。
イギリス、フランスをはじめヨーロッパでは肉料理にソースを添える食べ方が主流のため、料理の際に出る肉汁は欠かせない材料のひとつとなっています。

作り方に凝縮した美味しさの秘密

グレービーソースが他のソースと違うのは、調理の過程で出た熱々の肉汁を使って作られること、そして毎回食べる直前に作られるという点です。
そのため、その国で食べられる料理の特徴や味付けによってソースにも工夫が施されます。

例えば、イギリス系アメリカ人の作るグレービーソースは、煮つめてとろみがついたものに更に片栗粉や小麦粉を加えてとろみを強調します。ステーキにポテトなどの野菜を添えて食べることの多いアメリカ料理で使われる手法です。

また、材料の面でもアメリカのグレービーソースは肉汁にバターをプラスして作られることが多いようです。
ほかには、肉を焼いたあと、油分以外に白くホロホロになった脂肪分が残りますが、ここに濃厚な肉の旨味とソースの色を決める重要な要素が含まれています。そこで、酒を加えて鍋底からしっかりはがし取り、更に加熱するとカラメル色を帯びた濃厚な風味になります。イギリスではローストビーフなど肉料理を香ばしく食べる習慣からこのような作り方がされています。
美味しさを追求するために、さまざまな工夫がされているんですね。

自家製グレービーソースに挑戦

正規の作り方にはブイヨン作りが入るため、煮つめる時間などを含めると、かなりの手間がかかります。
そこでお家で手軽にできる、時短のコツを紹介します。

作り方

焼いた肉の汁にワイン、玉ねぎすりおろし、はちみつ、ウスターソース、醤油、ブラックペッパーを加え、煮つめるだけ。

ポイントは野菜の煮汁が凝縮されたウスターソースを使って、ブイヨンに似た風味を出しているところ、火の通りを早くするため玉ねぎをすりおろしているところです。また玉ねぎにはスパイシーな香りを出すアリシンという成分があり、すりおろすことで香辛料の香りをさらに強くします。
本来なら、煮つめてから塩コショウで味を整える必要がありますが、はちみつとウスターソースでバランスの取れた味付けになり、時短につながりますよ。

オススメの使い方

海外ではローストビーフやローストチキンの付け合わせに使われることが多いですが、肉汁のうまみを味わうため、あえて肉料理以外で使うという方法もあります。

例えば、焼き野菜(焼き肉で肉と合わせて網焼きにされるもの)、フィッシュ&チップス、ヨークシャープディングなどは代表的な料理に挙げられます。肉と合わせると美味しいだろうなと思える料理であれば、野菜やパンなど素材は問いません。となると、グレービーソースはこれまで以上に幅広く使えますね。

肉汁のコクは生きたまま、とろみをつけたり味に変化をつけて、こってりにもあっさりにも合わせられるグレービーソース。
肉料理の際には、たっぷりの肉汁をふんだんに使って、その美味しさを味わってみてはいかがでしょうか。