2017年4月10日更新

赤味噌ってどんな栄養があるの?代用はきく?

日本の調味料を代表するお味噌。味噌といっても色々な種類がありますよね。今回はその味噌の中で茶褐色な赤味噌についてお話しします。赤味噌とはどんな味噌なのか。そしてどんな栄養があるのか。また他のお味噌に代用はきくかなどをご紹介していきます。

  1. 目次
  2. 赤味噌とは
  3. 赤味噌の栄養
  4. 赤味噌の味
  5. 赤味噌を利用しておいしく調理しよう

赤味噌とは

茶褐色をしている赤味噌。青森の津軽味噌や秋田の秋田味噌、宮城の仙台味噌や福島の会津味噌は赤味噌として有名です。どうして茶褐色をしているかというと、作り方と熟成期間に違いがあるようです。もちろんコクや辛さが気になるところです。ではさっそくその赤味噌について詳しく見ていきましょう。

赤味噌の原料

赤味噌の原材料は普通の味噌と同じように、大豆、塩、水、そして麹の4つです。白味噌と同じ原料ですが、なぜ色が違うかというと作り方に違いがあるからです。

色が赤い理由

まず穀物(米、麦、豆)を蒸してそこに麹菌を植え付けて麹を作ります。それと同時に味噌の原料である大豆を蒸します。赤味噌の特徴は、この時大豆を「蒸す」ことです。大豆を蒸すことで発酵熟成中に、大豆のアミノ酸が糖と反応して赤味噌特有の茶褐色になります。

アミノ酸と糖が反応して茶褐色をだすことをメイラード反応(褐変反応)といい、赤味噌はメイラード反応が起こりやすいように、大豆にアミノ酸を豊富に含ませるため大豆を蒸して使用します。赤味噌はメイラード反応がよりすすみしっかりと色濃くなるように、約3か月から1年、長いものは約2年という時間をかけて熟成させます。

効果や効能について

赤味噌の効果・効能は、メイラード反応で生み出された褐色物質・メラノイジンという成分が肌など体の老化や血管の老朽化を促す活性酸素を除去する効能があり、アンチエイジングに効果的であるほか、腸内を刺激して代謝をアップさせるのでダイエットにも効果が期待されると言われています。また発酵・熟成中に生成されたペプチドという成分は中性脂肪を減少させるほか、抗酸化作用や代謝をアップさせる効果があると言われています。

赤味噌は豊富な栄養素を含んでいて、その効果や効能は次々に医学界から発表されています。赤味噌は健康促進、病気予防、老化防止、美容効果と幅広いパワーを持つと言われ、日本を代表する味噌の中で注目されている調味料のひとつです。

赤味噌の栄養

熟成期間が長いため、栄養価も高いです。赤味噌の100g中のカロリーはおよそ186kcalとなっています。気になる成分も見てみましょう。

赤味噌の栄養成分

たんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含んでいます。発酵食品なので酵母や乳酸菌などの栄養素も含んでいます。主な栄養成分は次の通りです。

ミネラル→ナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛
ビタミン→B1、B2、B6、B12、D、K、A、C、ナイアシン、ヨウ素、パントテン酸
その他→アミノ酸、ペプチド、イソフラボン、食物繊維、リノール酸、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、アルギニンなど

赤味噌の味

赤味噌は基本どの赤味噌も白味噌に比べて深いコクがありしょっぱいですが、それぞれの地方によって麹の種類や、大豆と塩分の配合に違いがあり味やコクに違いがあります。

赤味噌の種類

麹に使う穀物の種類や材料の配分によって特徴があり味に違いも出ます。種類は米味噌の甘口味噌、米味噌の辛口味噌、豆味噌があります。

<穀類に大豆と米を原料>
米味噌の甘口味噌…江戸甘味噌(東京中心)、御膳味噌(徳島県)
米味噌の辛口味噌…津軽味噌(青森県)、仙台味噌(宮城県)、越後味噌(新潟県)

<穀類に大豆を原料>
豆味噌…三州味噌、伊勢味噌(中部地方)

赤味噌の味は、熟成期間が長い分、コクがあり塩分濃度が高くしょっぱいです。大豆に対する塩分の量は地域によってさまざまで、塩分濃度は東京で作られる赤味噌では5~7%、中京地方で作られる赤味噌は10~12%の濃度があります。

味の特徴

江戸甘味噌…塩分濃度が5~7%と低く甘味が強い
御膳味噌…塩分濃度が12%で東京の赤味噌よりしょっぱさを感じます
津軽味噌…塩分濃度が13%と高くしょっぱいです。熟成期間も長く独特の旨みがあります。
仙台味噌…風味が高く辛い味噌です。キュウリなどにつけてそのままでも美味しく食べられます。
越後味噌…まろやかでコクがあると言われます。精白した丸米を使っているので味噌の中に米粒がみえ浮麹味噌とも言われています。
三州味噌…渋味があり濃厚な味わいです。
伊勢味噌…じっくりと熟成されているので深く濃い味わいです。

代用はきくか

赤味噌がないときは、ほかの味噌を代用することもできます。しかし赤味噌の特徴である色は出せないかもしれません。白味噌を代用する時は赤味噌の方がしょっぱいので、塩を少量加えたり、だしを濃くしてしょっぱさを足しましょう。

赤味噌を利用しておいしく調理しよう

熟成期間が長く濃厚な味わいの赤味噌。アンチエイジングやダイエットにも効果的な成分が含まれているようです。代謝をアップさせてくれる効果があることを考えると、赤味噌は朝食に食べるのがおすすめですね。お味噌汁はもちろん、味が濃いので煮込み料理や炒め物に使用するとおいしそうです。上手に利用しておいしく赤味噌を味わってください。