2017年2月17日更新

塩の種類……どう使い分ける? ~それぞれの味と特徴~

塩の種類

一口に塩といっても、とてもたくさんの種類がありますよね。
使い道によって、それぞれ向いている塩があるだろうことはわかっていても、いちいち使い分けるのが面倒だったり、一つがなかなか減らなそうだったりで、結局すべて同じ塩を使っているという人も多いのではないでしょうか。それでいて、全部を使い分けるのは無理でも、二つか三つはあってもいいなと思っている人もいるかもしれませんね。
そんな数多くの種類が存在する塩。
特徴や用途による違いを知って、必要な分を揃えてみてはいかがでしょうか。

  1. 目次
  2. 塩の種類ってどれくらいあるの?
  3. 用途によって塩を使い分けよう!
  4. 塩をいくつか揃えるなら、まずは三種類

塩の種類ってどれくらいあるの?

塩の種類は、原料によってわけるか、製法によってわけるかで変わってきます。
もっとも細かくわけるとしたら、まず原料別に分類し、そこからさらに製法別に分類することができます。

塩を原料別に分類すると三種類

塩は、大きく「海塩」「岩塩」「湖塩」にわけられます。
海塩はもちろん海から取れた塩で、岩塩は地中から、湖塩は湖からということになります。

海塩はさらに5種類に分類される

海塩とは、海水に含まれる塩分を何らかの方法で結晶化させ、作り出した塩のことです。
この海塩は、塩のつくり方によってもいくつかにわけられます。

食塩

海水からイオン交換膜透析法により成分を抽出、濃縮し、煮詰めて作られます。不純物等はできる限り取り除かれるのですが、そのときミネラル分も一緒に除かれてしまうので、成分は99%塩化ナトリウムです。

自然海塩

海水の水分を飛ばして作られた塩。自然海塩は、水分の飛ばし方によってさらに二つにわけられ、数ヶ月かけて太陽光と風だけで水分を飛ばしたものを完全天日塩、平釜で煮詰めて水分を飛ばしたものを平釜塩といいます。どちらも成分にはまったく手を加えていないので、ミネラル分がたっぷり含まれています。

再生加工塩

再生加工塩とは、一度作られた塩を再び溶かし、何らかの手を加えてもう一度作り直される塩のこと。この再生加工塩も二つにわけられ、自然海塩ににがりなどを加えて成分調整すれば自然海塩加工、イオン交換で作られた塩ににがりなどを加えて成分調整すればイオン交換塩加工です。

岩塩は二種類ある

ヒマラヤ岩塩の種類

岩塩とは、地球の地殻変動により陸地に閉じ込められた海水が長い年月をかけて蒸発し、塩が結晶化したものです。
岩のように塊になっているものや、水分を含んでドロドロのものなど、状態は様々です。
また、海水がまるごと結晶化しているので岩塩はミネラル分が豊富だといわれることもありますが、実際には、海水に含まれるミネラル分はそれぞれ結晶化するスピードなどが違います。
そのため、結晶の中心部を掘り出した場合、ほぼナトリウムのみで、ミネラル分は含まれていません。
それだけでなく、人間が口にしても大丈夫なように、できるだけ不純物のない結晶を採取しようと思ったら、なるべく中心部をもちいる必要があるのです。

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採掘法岩塩

岩塩の塊や、地層の岩塩部分を直接掘り、採取した岩塩です。

溶解法岩塩

地層の岩塩部分に水を注入し、真空蒸発缶をもちいて結晶化させた岩塩です。こちらは、採取したままのものと、ミネラルを添加される場合があります。

湖塩

ウユニ塩湖

湖塩とは、その名のとおり湖から採取される塩です。
地球の地殻変動により陸地に閉じ込められた海水が年々塩分濃度を高めたものが湖塩となります。
中には、乾期に干上がり、塩の結晶が見られるものもあります。

用途によって塩を使い分けよう!

塩の味は含まれているミネラル分によって変わる

塩によってはミネラル分が取り除かれてしまう場合もありますが、天然塩であれば大体含まれているのがナトリウム、カルシウム、カリウムマグネシウムです。
この四つのミネラルはそれぞれ異なった風味を備えていて、ナトリウムはしょっぱ味、カルシウムは甘味、カリウムは酸味、マグネシウムは苦味です。
もちろん、たくさん含まれていればいるほど味わいは深くなり、塩を使うだけで料理のうまみが増すでしょう。
塩を買うときに裏の成分表を確認すれば、どれが含まれているのかがわかりますよ。

粒の大きさでも風味は変わる

塩の粒が大きければ大きいほど、強く味を感じることができます。
それに対して、小さな粒の塩は口の中ですっと溶け、強く味を残しません。
これを活かして、粒の大きな塩は肉や魚、粒の小さな塩は野菜にもちいるといいでしょう。

塩の特徴で使い分ける

先ほど述べたように、塩に含まれるミネラル分には、しょっぱ味だけでなく、甘味などほかの風味があるものも存在します。
ですから塩も、しょっぱさが際立つ味のものと、どことなく甘みのあるまろやかな味のものがあるのです。これにより、用途を使い分けるのもいいでしょう。
たとえば、しょっぱさの際立つものは、調理された肉や魚によく合います。ステーキや煮物、天ぷらなどにぴったりですよね。
それに対してまろやかな味わいのものは、刺身など、生の魚に合うのではないでしょうか。また、野菜サラダなどもこちらのタイプの塩のほうがしっくりくるはずです。

塩をいくつか揃えるなら、まずは三種類

塩にはたくさんの種類があり、何を基準に分類するかによっても、わけられる数は変わってきます。
ですが、一番大きく風味を左右するのは、やはり大元となる原料ではないでしょうか。すなわち、海塩、岩塩、湖塩です。もっとも、厳密に言えば、岩塩も湖塩ももとは海水なのですが、それぞれ地中や湖中で結晶化していることで、やはり風味が大きく異なるのです。
ですから、まずは海塩、岩塩、湖塩をそれぞれ一つずつ試してみることをおすすめします。
また、現在手元にある海塩が食塩など塩化ナトリウム99%のものなら、一度ほかのミネラルを含んだ海塩も味わってみてはいかかでしょうか。