2023年6月12日更新

菜の花は食用と観賞用があるの?2つの違いとは

菜の花

  1. 目次
  2. 「菜の花」とは?
  3. 食用と観賞用の違いとは?

「菜の花」とは?

菜の花は、春の景色を彩る有名な花です。一般的に呼ばれる「菜の花」は、ひとつの花の名前を指すものではなく、アブラナ科アブラナ属の花を総称して指す名称のことを言います。アブラナ科の野菜は、キャベツや大根、ブロッコリーなど多くの野菜が含まれます。旬を迎える時期は冬から春先まででしたが、近年では技術の進歩により出荷できる期間が増えているそうです。

日本での収穫量は千葉県が最も多く、昔から春の訪れを感じる馴染みがある花になっています。暖かい場所で収穫されるため、千葉県以外でも多くの地域で出荷されています。

また人気の品種は、京野菜の「寒咲花菜」や西洋系野菜の「のらぼう菜」です。特に京野菜の「寒咲花菜」は、毎年春先にかけて旬を迎え、季節感を感じることができる野菜のひとつとしてブランド化しているほど、高い人気になっています。野菜としては、鮮度が落ちやすい方なので、苦味が強くなる前に食べることがおすすめです。

食用と観賞用の違いとは?

菜の花には、食用のほかに観賞用があります。食用は、日本から古くある在来種と西洋種があり、在来のものは黄緑色で葉が柔らかいのが特徴です。花茎とつぼみ、葉を食材として用いられます。

西洋種は、在来種と比較すると葉の色が濃く、花茎と葉のみを食材として使います。食感の違いはほとんどなく、どちらもほのかな甘みと苦味があります。この苦味には「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が含まれており、生活習慣病などに効果的です。

また、ビタミンCやβカロテン、鉄分、カリウムなど多くの栄養素を含んでおり、緑黄色野菜の中でも高い栄養価です。春に旬を迎えるこの野菜は、寒暖差の疲れも取り除いてくれる働きが期待でき、食卓から春を感じることができるでしょう。

一方、観賞用は春の景色の代表でもある黄色い花を「菜花」と呼び、春中旬から下旬まで花が咲くのが特徴的です。この花には食用と違い、観賞用として長い期間、花を綺麗に見せるために品種改良されています。

同じ菜の花の仲間なので、食べられないということはありませんが、味を重点に品種改良されていないということがポイントになります。さらに、多くの地域で観賞用からは油も収穫できるように開発されています。この油を「なたね油」と呼び、食用や以前は灯火の燃料としても広く使用されてきました。なたね油は日本で一番古い油と言われるほど歴史があり、日本人には馴染み深い油の一つです。