2020年10月22日更新

食塩相当量をおさらい!塩分との違いを明確に

塩分量

どのような成分が入っているか、カロリーはいくつなのかといった具合に、食品の成分表を良く見るという方も多いですよね。塩分の摂り過ぎを気にしている方は食塩相当量を確認することもありますが、食塩相当量と塩分の違いは何にあるのでしょうか。日常に潜む謎についてひも解いていきます。

  1. 目次
  2. 食塩相当量とは?
  3. 食塩相当量と塩分の違いを分かりやすく説明
  4. 食塩相当量と塩分の違い…ややこしいけど役に立つ

食塩相当量とは?

飲み物や食べ物などあらゆる食品の成分表に記載してある「食塩相当量」の文字に困惑しているという方も多いのではないでしょうか。何の疑問も持たずに理解しようとすれば「その食品の中にどれだけの塩分が含まれているか」の表示だということは分かりますが、食品の中には何と食塩を添加していないものもあります。食塩を使用していないのにも関わらず、食塩相当量が記載されていることに謎を抱えていた方も多いことでしょう。

食塩相当量の謎は「食品表示法」から始まった

いつの間にか、食品の成分表には食塩相当量の文字が当たり前のように書かれていますが、一昔前では「ナトリウム」と記載されていました。しかし、平成27年4月に食品表示法と呼ばれる成分の表示をする制度が変わったことで、表示義務のあるナトリウムは食塩相当量という名前で表示が行われるようになりました。

義務表示項目は5項目

食塩相当量を筆頭に、食品表示法では加工食品に対して原則5項目の栄養成分を表示することを義務化しました。熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目は必ず目にするお馴染みの成分ですね。

食塩相当量と塩分の違いを分かりやすく説明

食品関係に登場する言葉は、似たニュアンスを持つものが多いように感じます。食塩相当量と塩分はどちらも「食品に含まれている塩の量」を連想させますが、果たして食塩相当量と塩分の違いは何にあるのでしょうか。

食塩相当量とは

食塩相当量とは、食品の中に含まれる全てのナトリウムを食塩由来とした場合の食塩の量を計算したもののことを指します。

簡潔に言えば、ナトリウムを食塩に変えた値のことです。しかし、ナトリウムは牛乳や果汁などにも含まれている成分です。

ここで気を付けたいのは、「食塩が原材料に入っていなくても、ナトリウム全てを食塩に関係するものとしてみなすため、実は食塩が入っていないけど食塩相当量として計算されていることがある」ということ。

新しい食品表示法では、ナトリウムは食塩相当量に換算して表示されることになりましたが、ナトリウム塩を加えていないものに関しては、食塩相当量の他にナトリウムの表示をすることが可能なため、商品の中には食塩相当量とナトリウムがどちらも表示されているものも存在します。

塩分とは

血圧を気にする方が良く言う「塩分」。何気なく言う言葉ですが、塩分とは塩化ナトリウムのことを指します。

ナトリウムと塩素が結び付いた塩化ナトリウムは、食塩の主な成分となっており、食塩の成分の一部とも言えます。塩分の正体は塩そのものですから、食塩相当量との違いは明確です。栄養成分表示に関してはナトリウムの部分だけ表示されているため誤解されがちですが、ナトリウムの量が塩分の量になるのではありません。

食塩相当量に換算するためには

食塩量を知るためには、食品に含まれるナトリウムを食塩相当量に変える計算をする必要があります。ちなみにナトリウムはmgで表しますが、食塩相当量はgで表す違いがあります。計算方法は一度覚えれば応用が可能です。

ナトリウムがgで表されている式

ナトリウム量(g)×2.54=食塩相当量(g)

ナトリウムがmgで表されている式

ナトリウム量(mg)×2.54÷1,000=食塩相当量(g)

もっと簡単に覚えたいときは…

上記の計算式がややこしい覚えられないという場合は、ナトリウム×2.5の式で覚えても問題ありません。実は表示には+-20%の誤差が認められているため、2.5倍の式でも十分なのです。

ちなみになぜ2.54という数が登場するのかと言うと、塩化ナトリウム(NaCl)の重さのようなもので分子量というものがあり、この分子量が58.5あるのですが、Naの重さが23でClの重さが35.5になるため、NaClは58.5になります。ということは、塩分はナトリウムの2.54倍になるため、前述した式が用いられるのです。

日本では塩分の摂取がまだ多く,一般の人の食塩摂取量について,男性は1日7.5g未満,女性は6.5g未満とされていますが,欧米のいくつかの国では,一般の人にも6g未満を推奨しています。また,世界保健機関(WHO)も,すべての成人の減塩目標を5gにしました。

また、食塩についての制限は年々厳しくなっているのが現状です。これだけ減塩について叫ばれている昨今では、成分表記載の食塩相当量についての理解も徐々に深まってくるでしょう。古くから塩分を摂りすぎている日本では、今後さらに塩分の見方がシビアになっていくことも考えられますね。

食塩相当量と塩分の違い…ややこしいけど役に立つ

食塩相当量と塩分の違いについてご紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか。普段何気なく目に付くことが多い食塩相当量の文字は、突き詰めていかなければ意外と見落としがちの栄養成分表です。自分の体に入っていくもののため、きちんとどれだけ摂っていることになるのか知ることが大切です。