2018年8月5日更新
ゴマサバの料理!マサバとの違いは何?旬の時期や値段について
生活習慣病の予防に役立つ栄養をたくさん含んでいる青魚の代表と言えばサバですよね。サバ科サバ属のサバにはゴマサバ、マサバ、そして外国産のタイセイヨウサバの3種類サのサバがいます。日本ではゴマサバやマサバがサバの総称ですが、今回はゴマサバにスポットを当てて調べました。マサバとの違い、旬の時期や価格、そしておすすめのゴマサバの料理をご紹介します。
ゴマサバとマサバの違い
ゴマサバもマサバも同じスズキ目サバ科サバ属のサバの仲間です。日本でサバというとこの2種類がサバの総称とされることが多いです。見た目はどちらも細長い紡錘形をしていますが、腹部にゴマを散らしたような模様があるのがゴマサバです。この模様はゴマサバの名前の由来にもなっています。
マサバの腹部には模様はなく単に銀色をしており、断面がやや平たい感じです。ゴマサバは断面が円形に近い丸っこい形をしています。そのため丸サバなどという別名があります。ちなみにマサバはヒラサバとかホンサバと呼ばれることがあります。
ゴマサバはサバ節の原料にされるのはよく知られていること。ゴマサバのサバ節はコクがあり香りが高く深い旨みを持つ出汁がとれるので、そばつゆには欠かせないと言われます。
ゴマサバはマサバよりも脂肪が少なく、マサバよりも安価なので低級なイメージがありますが、充分美味しい魚です。
ゴマサバもマサバも旬の時期は同じですが、ゴマサバは年間を通じてあまり味が落ちません。マサバは「秋サバは嫁に食わすな」などという諺があるように、晩秋になると脂がのって美味しくなります。またゴマサバもマサバも回遊魚ですが、ゴマサバは高温の海域を好むので日本近海にて夏に漁獲量が増えます。マサバは回遊魚でも季節によってサイクルがあり、春から夏は北上し、秋から冬は南下します。
ゴマサバの旬は
ゴマサバの旬はマサバと同様に晩秋~冬、10月下旬から翌年2月頃が最も脂がのって美味しい旬の時期だと言われます。ただゴマサバはもともと脂の多い魚ではなく、年間を通じてあまり味が落ちないと言われ、季節を通じて味にほとんど変わりがないとも言われています。そのためマサバの味が落ちる季節に、マサバに代わりたくさん流通されるため、ゴマサバの旬は夏だという人もいるようです。
ゴマサバの相場の価格
ゴマサバは年間流通している魚で、鮮魚の価格はマサバに比べると安価です。ネット通販の鮮魚直営店の価格を見てみると、冷凍のもので、400~600円/kgほどの価格です。ただし高知県土佐市清水沖合にて一本釣りで活け締めされた「清水サバ」や、鹿児島県屋久島付近で一本釣りされ鮮度を保つため、釣り上げたらすぐに首を折って血抜きした「首折れサバ(屋久サバ)」などのブランドサバは高価で取引されています。これらのブランドサバはネット通販の鮮魚直営店の冷凍もので3800円/kgくらいの価格です。
ゴマサバに寄生するアニサキスへの心配
どんな魚にも寄生虫の心配はつきものですが、サバ類の内臓には多くの寄生虫がいることがあります。特に感染すると激しい胃痛や腹痛に見舞われるアニサキスによる食中毒はゴマサバにも心配されます。アニサキスはサケやマスなどにも寄生している寄生虫です。2cm~3cmの半透明の太い糸のような寄生虫で、渦巻き状になって魚の内臓に寄生しているか、半透明の袋(シフトという)に入って寄生していることもあります。アニサキスは魚の鮮度が落ちると内臓から魚の腹部の筋肉に移動します。そしてアニサキスが寄生した魚の身を食べることで人体に寄生してしまいます。アニサキスが人間に寄生すると胃や腸壁に侵入して胃壁などに穴をあけてしまうことがあります。
アニサキスによる食中毒の症状
アニサキスの幼虫は人の体内では成長できないので、多くはそのまま排泄されてしまいますが、成虫は人の体に寄生します。成虫のアニサキスが寄生している魚を食べて感染すると、主に食後数時間から8時間以内に激しい腹痛や嘔吐、吐き気、蕁麻疹などの症状に見舞われます。アニサキスによる食中毒の症状は胃痙攣や胃潰瘍、また虫垂炎に症状によく似ているとも言われます。ゴマサバを食べてこのような症状に見舞われた時は、速やかに専門医を受診してください。医療機関にもよりますが、ほとんどの場合は内視鏡でアニサキスを除去します。重篤の場合は開腹手術をしなければならない場合もあるそうです。
アニサキスの予防の仕方
加熱調理した料理はほとんどアニサキスによる食中毒の心配はありません。またマイナス20℃で24時間以上魚の身の中心部までしっかりと冷凍すると、アニサキスは死滅してしまい予防できます。そのほか鮮度のよいゴマサバを選んで内臓をすぐに除去することも予防の一つです。鮮度のよいゴマサバの選び方は目が澄んでいて眼球がみずみずしいもの。またエラが鮮紅色をしていて腹にハリがあり身が硬いものが鮮度のよい状態の目安です。
ゴマサバのおすすめ料理!塩焼きは一番人気
ゴマサバはサバ節の原料によく利用されます。コクがあり香りが高くて深い旨みをもった出汁が取れるので、お蕎麦屋さんではそばつゆなどに欠かせないと人気です。マサバほど脂は多くありませんが、やはり塩焼きはゴマサバの料理の中でも軍配が上がる一品。そのほか唐揚げ、フライ、竜田揚げ、ソテー、干し物、味噌煮もおすすめの料理です。中骨、腹骨、頭などからもよい出汁が取れるので、捨てずにとっておき汁物などに利用してください
刺身
寄生虫の心配もされますが、新鮮なゴマサバが手に入ったときは刺身やたたきもおすすめです。ゴマサバの刺身やたたきの味わいはほかの魚にはない旨みが詰まった味わいです。三枚におろして皮目を焼いて香りのある野菜をのせてポン酢と食べるとなかなかおつな味わいを楽しめます。酢との相性も良いので酢ジメにして食べるのもおすすめです。酢で締めると臭みが取れます。皮を剥いた締めサバを酢飯の上にのせて押型に圧して作ったサバ寿司も人気の料理です。
ゴマサバをはじめサバ類は、内臓に含まれている消化酵素が活発に働くので、自己消化が早く傷みやすいので「足の早い魚」と言われます。
「サバの生き腐れ」という言葉がありますが、ゴマサバをはじめサバ類は自己分解で腐敗菌が早々に繁殖しやすく、見た目は新鮮に見えても内部が傷んでいることがあります。刺身など生で食べるときは、鮮度もよいものを選びましょう。また刺身用にさばく時はアニサキスが寄生している危険性もあるため、魚をさばくのに慣れていない人は知識のある人にさばいてもらうようにしましょう。
失敗しないゴマサバの味噌煮のレシピをご紹介
ゴマサバのおすすめ料理は味噌煮も人気です。しかし味噌煮は調理方の難易度が高く、失敗するとお味噌汁の中にサバが浮いているようになってしまうという声もよく聞きます。そこで失敗しないゴマサバの味噌煮のレシピをご紹介します。手間がかからないというわけではありませんが、決して難しくないサバの味噌煮のレシピです。手順と最後の詰めさえ間違わなければ誰にでも簡単に作れます。
材料5人分
- ゴマサバ・切り身5切れ
- <調味料>赤味噌、白味噌・各大さじ1(なければ万能味噌で構いません)
- <調味料>水・2カップ半
- <調味料>酒・1/2カップ
- <調味料>みりん・1/2カップ
- <調味料>醤油・大さじ1
- <調味料>砂糖・大さじ1
- <調味料>生姜・適宜
■作り方
- ゴマサバの切り身に飾り包丁をいれます。こうすることで味がよくしみ火が通りやすくなります。ボールに冷水をはっておきに、切り身に熱湯をかけたあと冷水にくくらせます。そして水気をキッチンペーパーなどでよく水気をふき取ります。
- 赤味噌と白味噌を合わせます。合わせた味噌の2/3の量に調味料のすべてを加えて鍋に入れて煮立たせ、用意したゴマサバの切り身を加えます。
- 薄くスライスした生姜を加え10分ほど煮ていきます(火加減は中火)。やや煮えてきたら残りの1/3の分量の味噌を加え、さらにもう一度煮ます。味噌がとろりした状態になったら出来上がりです。
ポイント
平行なべなど浅めの鍋の用意がない時は、フライパンを利用すると便利です。煮るときにキッチンペーパーやアルミホイルなどで落し蓋を作り使用すると身が崩れず、煮汁が全体にまわります。仕上げに味噌の1/3を入れるのがポイント。そこからとろみがつくまで煮ることが大切です。
ゴマサバ料理を作ってみよう
年間を通してあまり味の落ちないゴマサバ。マサバより脂ののりは少ないですが、それでも塩焼きにするととても美味しい魚です。調理法が難しそうと思われがちな味噌煮もご紹介したレシピで作れば間違いなく美味しい味噌煮を作ることができます。安価なのでイメージ的にはランクの低い魚だと思われがちですが、充分美味しい魚です。刺身で食べるときは、アニサキスが寄生していることもありますので、鮮度のよいものを選び、初心者は魚に詳しい人にさばいてもらうのがおすすめです。ゴマサバの料理、食卓のお惣菜にぜひ加えてみてください。