2018年6月19日更新
カワハギの旬の時期を知って味わい尽くす!心配な毒の知識を付けて早速調理!
カワハギは味が良く、刺身や塩焼き、味噌汁など幅広く魚料理を楽しめますが、関西ではハゲと呼ばれている何とも可哀想な魚です。毒を持つ種類もいますがそれ以外のカワハギは調理すれば卵まで食べられるお得な魚なので様々な食べ方ができます。そんなカワハギのさばき方や旬の時期、値段や保存法などにも触れていきます。
カワハギというお魚
カワハギというお魚は漢字で書くとそのまま「皮剥」と読み、ウロコがなく、体表が非常に堅くてザラザラとしているのが特徴です。おちょぼ口のように出っ張った口元は見る人によっては可愛いと感じる魚でしょう。
カワハギはさばく際に切り込みを入れるだけで簡単にズルッと皮が剥けたことからカワハギという名前が付けられたそうです。北海道~日本海沿岸、太平洋沿岸、瀬戸内海、そして東シナ海辺りの広い地域に分布しており、全国で姿を見かける有名な魚でもあります。
しかし、そんなカワハギは地域によっては別名「ハゲ」と呼ばれている少々可哀想な魚でもあります。
カワハギの種類にはウマズラハギなども存在するのですが、関西ではこのウマズラハギが比較的レギュラー化しています。体が全体的に丸いカワハギは第二の存在で、関西ではレギュラー化しているウマズラハギのことをハゲと呼ぶのだそう。驚くことに料理店のメニュー表にもカワハギのことを「ハゲ」と明記しているところもあるのだそうで、地域によっては他にも「バクチ」と呼ばれたり「ウシズラ」、「バクチウオ」、「メイボ」、「スブタ」などあらゆる残念な名前となって周知されています。
カワハギの上手なさばき方
お魚料理初心者の人にとってカワハギはどこからさばいていくのが不思議に感じるでしょう。しかし、上記でもお伝えした通り、カワハギは包丁で切り込みを入れるだけで面白いほどズルズルと剥ける扱いやすい魚です。
カワハギの上手なさばき方はまず、胸ビレから頭にかけて包丁を入れ、背骨も一緒に切っていきます。次に頭を手でしっかりと固定し、手前に向かって頭を引きはがしていきます。次はむき出しになった頭についた肝を取り、腹部の膜も取って血合いに包丁を入れます。ボールに溜めた水の中に流水と共に腹部の血合いを良く洗い流し、十分に水気を切ります。
次に頭から尾の方向に向かって皮を引きはがし、裏返して再度皮を引きはがし、尾を切り落としたらお腹から中骨に沿って包丁を入れ、身をはがします。サイド裏返したら同じように身をはがし、腹骨を切り落としたらカワハギのさばき方は完成です。
カワハギには毒がある?
カワハギは非常に味の良いお魚でずか、気を付けたいのはカワハギの仲間の中には強力な毒を持つ種類もいるということです。ウマズラハギやカワハギといった種類は食べても問題ありませんが、「ソウシハギ」という魚は食べると強烈な筋肉痛や呼吸困難などを起こし、たったの半日から数日程度で最悪の場合死に至る恐ろしい魚です。その毒の強さがあまりに強いことから、フグの猛毒であるテトロドトキシンの70倍もの強烈な毒があるとのことなので、釣っても絶対に食べるのは止めましょう。
カワハギの味と旬の時期
残念な呼び方の多いカワハギですが、味は間違いないと言えるほど美味です。堅い体とザラザラとした感触からはまだ食べたことがない人にとってあまり想像ができませんが、一度食べると病みつきになるカワハギは重宝されるのも頷けます。そこでカワハギの具体的な味やその味を引き立てる旬の時期はいつになるのでしょうか。
カワハギの旬の時期
高級魚クラスのカワハギは年を通していつでも味が高く、まずい時期というものはありませんが、カワハギの旬を強いて言うなら10月~1月頃の秋~冬にかけてです。秋から寒い時期にカワハギは身を太らせるため、この時期のカワハギはさらに美味しいカワハギを食べたい人におすすめです。
味はまさに絶品!
その残念な呼び方と姿からあまり知られていませんが、実はカワハギは高級魚です。あの高級魚で味の高さが有名なフグに匹敵するほどの味わいで、琥珀色の綺麗な身から感じられる味わいはトロトロとしており、濃厚でコクがある濃縮された旨みは「海のフォアグラ」と例えられるほど高い味を持っています。旬の時期のカワハギはさらに美味なため、カワハギは誰からも愛されるお魚なのです。そのため、カワハギの料理は刺身から始まり、シンプルに塩焼きやホッと息付ける味噌汁などにも役立てられています。
カワハギの値段はどれくらいするの?
カワハギは高級魚クラスなため、値段が気になるところです。カワハギの値段は干物と合わせても値段の変わりがあまりない魚なのですが、活魚の分類は時期によって市場で取引される値段が大きく変動します。平均の最低価格は585円と安価な値段ですが、秋頃に入った旬である10月頃の値段は一気に跳ね上がり、1,253円にもなりました。カワハギを一匹丸々購入しようと思ったら1匹あたりの値段は約3,000~4,000円ほどになり、これが相場です。やはり高級魚ということだけあってかなり高い値段だと言えるでしょう。
カワハギの保存法
カワハギの保存方法は釣って時間が経っていないものであれば冷凍は避け、頭を取って内臓を処理し、血合いなども綺麗に洗い流した状態でリードペーパーなどに包んでおきましょう。カワハギは魚特有のヌメリやウロコなどもない魚なので血をしっかりと抜いておけば臭みの発生を抑えることができます。
カワハギの美味しいレシピをまるごとご紹介!
チャーミングなカワハギはぜひ美味しく頂きたいものです。場合によっては自分で釣れることもあるため、カワハギの美味しいレシピや料理をご紹介していきます。
カワハギの卵の煮付け
カワハギは身や肝ばかりに注目を浴びていますが、卵も忘れてはならない珍味です。卵は簡単に煮付けにしてしまえば美味しいおかずがパパっと出来上がりますよ。
<材料>
- カワハギの卵 150~200g
- 醤油 100ml
- みりん 100ml
- 酒 100ml
- 水 300ml
- 生姜 1かけ
カワハギの絶品鍋
カワハギの美味しさをさらに広げるためにはカワハギを鍋に入れて煮込んだ鍋もおすすめ料理です。秋~寒い季節に旬を迎えるカワハギは暖かい料理としてどうぞ。
<材料>
- カワハギ 2尾
- 薄切り肉 150g
- 白菜 3~4枚
- ネギ 1本
- 春菊 1/3
- キノコ 一掴み
- 春雨 一掴み
- 豆腐 1/2丁
- 昆布 15cm
- 水 1リットル
- ポン酢 適量
- 柚子コショウ 適量
カワハギの美味しさはやっぱり本物!
高級魚であるカワハギの美味しさはやはり万人受けする美味しさです。釣れたらラッキーなお魚ですが、さばき方が曖昧な人も多かったのではないでしょうか。お目にかかれたら上手なさばき方をして絶品料理に変えてあげてくださいね。