2018年3月7日更新

キビナゴの旬と食べ方。イカナゴとの違いも。

キビナゴ

天ぷらやフライ、刺身にすると最高においしいキビナゴという魚をご存じでしょうか。釣り人には食用としての使い道の他に、釣り餌としての用途もあります。そんなキビナゴはどういった味なのでしょうか。イカナゴの違いや価格も気になるので旬と食べ方についても調べてみました。

  1. 目次
  2. キビナゴという魚
  3. キビナゴの味
  4. キビナゴとイカナゴの違い
  5. キビナゴの旬と価格
  6. キビナゴのおいしい食べ方
  7. 小さくてもキビナゴには旨みぎっしり!

キビナゴという魚

キビナゴとはニシン科キビナゴ属にカテゴリー分けされる魚の一種です。海水魚であるキビナゴは体表に少し青みのある帯のような模様が入っています。体長は約10cm程度のかなり小ぶりで細い魚でもあり、日本では関東や山陰沖以前南辺りの温かい海水を好んで生息しています。小さいながらも食用として活用されており、場合によっては釣り餌としての役目もあります。ちなみにキビナゴは英語でBanded blue spratと言い、漢字にすると「吉備奈子」や「黍魚子」、「黍女子」などと書きます。しかし、この漢字になったはっきりとした由来は分かっていません。

キビナゴの味

小魚であるキビナゴは味が最も気になるところでしょう。キビナゴの味は小さいながらも中身にしっかり旨みが詰まっている点が魅力です。魚特有のクセもなく、淡白で甘みがあり、それでいて脂肪がないキビナゴはさっぱりした料理でもこってりした料理でもマッチします。

キビナゴとイカナゴの違い

キビナゴと姿が似たイカナゴという魚も存在します。どちらも同じ体長にさほど変わりはなく、キビナゴが10cmほどであれば、イカナゴは20cm程度。体表も色がはっきりと区別できるほど差があります。

キビナゴは体表に光る青色のラインが直線に伸びていますが、イカナゴはキビナゴのように目立った特徴はありません。全体的に白っぽいのがイカナゴを見分けるときの目安ですが、実は味や流通している姿にも違いがあります。イカナゴは鮮魚として流通することは滅多になく、くぎ煮やしらす干しとしての加工品として販売されることが多いです。イカナゴはどちらかと言うと加工品としての販売方法の方に需要があるため、魚の素材としての味わいはあまり良くありません。

一方でキビナゴはイワシの一種でもあるため、傷むのは早いですが、水揚げされる地元では非常に人気の高い魚です。撒き餌としての使い道もありますが、食用として様々な活用法があるため、イカナゴが影の存在であればキビナゴは表の存在と言えるでしょう。しかし、傷むのが非常に早いため、新鮮な状態のキビナゴが店頭に顔を出すことはほぼありません。漁獲量は多い方ですが、水揚げされた地元で消費されることが多いそうです。そのため、小魚という枠組みでは同じでも消費のされ方に全くと言って良いほど違いがあります。

キビナゴの旬と価格

キビナゴの旬と言われる時期は、年の中で2回あり、1回目の旬は12月~5月です。この時期のキビナゴは寒さの厳しい海で耐えているため、身が引き締まって上品な脂が乗っています。

また、2回目の旬とされる5月~6月の時期はキビナゴが産卵期を迎えるため、子を腹に持った状態になり、1回目の旬の個体とはまた違った味わいや食感が楽しめます。お腹にたっぷりと抱えた白子や卵は好きな人には2回目の旬が一番良いと言う人もいるようです。

そしてキビナゴの価格ですが、釣り餌目的のものは非常に安価です。200~300円で購入できるものが多いですが、食用のキビナゴもネット通販などで生の状態のものが3000円~程度で販売されています。冷凍物になれば価格も600円前後になるため、価格についてはピンキリといったところでしょうか。しかし、食用と釣り餌のキビナゴを間違えないように選びましょう。

キビナゴのおいしい食べ方

キビナゴの情報が分かったところで次は実際においしく食べられるキビナゴの食べ方について見ていきましょう。小ぶりの姿をしているキビナゴですが、実は魚料理初心者でも簡単に調理することができますので、お好みの料理に変えていきやすい魚でもあるのです。

刺身

キビナゴ(刺身)

とにかく足が早いと言われるキビナゴ。痛みやすい故に鮮度の良さが重要な刺身にできるかといった疑問が湧きますが、そんな刺身でさっぱり食べたい方向けにネット販売されているため、鮮魚としてスーパーでは滅多に見かけないキビナゴでも刺身にして楽しむことが可能です。また、キビナゴを刺身にする際は何と包丁などは使わず、手でさばくのが主流なようです。身も皮も人の指が簡単に入ってしまうほど柔らかいため、直に触りながら丁寧に刺身にするための準備ができます。

そんなキビナゴの刺身は特徴である青いラインが食欲をそそる見た目になっています。キラキラと一際輝くキビナゴの刺身はわさび醤油や酢醤油で食べるのが素材の味をそのままに、おいしく食べることができます。

天ぷら

キビナゴを天ぷらにする場合、他の魚のように内臓などを取り出さなくてもそのまま天ぷら粉につければ揚げることが可能です。サクサクッとした食感はキビナゴのおいしさをフルに感じさせてくれる一品です。

フライ

キビナゴ(フライ)

天ぷらと同様、フライにしてもキビナゴはおいしいでしょう。小麦粉、パン粉、卵の順に絡めた一般的なフライの下準備でもその中に旨みを凝縮させています。天ぷらはサクサクとした軽い食感が楽しめますが、フライはそれよりももう少し重い食べごたえのあるキビナゴに変身しますよ。フライはそのまま食べても良いですし、味に変化をつけるためにソースやタルタルソースなどお好みのものを使ってみましょう。

小さくてもキビナゴには旨みぎっしり!

体長は小さいながらも実は旨みをぎっしり抱えているキビナゴ。頭から尾までまるごと食べることができる魚でもありますから、面倒な調理など一切いらないのも魅力的です。価格も比較的安価のため、非常に手に入りやすいとも言えます。そんなキビナゴは特に天ぷらやフライでガッツリ食べるのがおすすめですから、上手に料理してみて味わいを堪能してみましょう!