2020年6月8日更新

善玉菌のエサになるフラクトオリゴ糖とは?

フラクトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖とは、消化されず大腸まで届くオリゴ糖のことを指します。より砂糖に近い甘さを持つフラクトオリゴ糖は、砂糖の摂取を控えたい人にじわじわと摂り入れられている砂糖ですが、おならや下痢などの症状が出る場合もあるようです。副作用も気になるところですから、フラクトオリゴ糖についてご紹介します。

  1. 目次
  2. まずオリゴ糖について知ろう
  3. フラクトオリゴ糖とは?
  4. フラクトオリゴ糖から得られる効果
  5. フラクトオリゴ糖で下痢やおならが頻繁に…副作用はあるの?
  6. フラクトオリゴ糖は不調の味方!

まずオリゴ糖について知ろう

オリゴ糖ときいて何となくイメージするのは、ドリンクなどと一緒に摂ったり、ヨーグルトの中に入れて食べる液体のようなものを考える方が多いでしょう。

お腹の調子を整え、健康的な毎日を送るサポート役のようなもの…と想像する方が多いようです。

そもそもオリゴ糖についてですが、オリゴ糖を知る前にはまず糖について理解することが必要です。普段私達の食事を支える糖は、砂糖などの甘いものだけではなく白米や母乳、はちみつや大豆などにも含まれ、ジャガイモなどのイモ類にもでんぷんとして糖の役割を担っています。他にも果物などに含まれる果糖や、素早くエネルギーが欲しいときに役立つブドウ糖なども糖の仲間です。

そして、オリゴ糖ももちろんこの糖の仲間であり、体の中へ入ったオリゴ糖は腸内環境を積極的に整える働きを行うビフィズス菌を増やす嬉しい糖になります。

オリゴ糖には2つのタイプがある

一口にオリゴ糖と言っても、2つのタイプがあることはあまり知られていません。オリゴ糖には「消化性」と「難消化性」のタイプがあり、それぞれ体に入った後の行く末が異なります。

消化性のオリゴ糖は読んで字の如く、消化酵素によって分解されたのち、体をスムーズに動かすためのエネルギーへと変わりますが、難消化性のオリゴ糖は消化されずに大腸まで届きます。

消化されないと聞くと胃や腸に負担をかけるから怖いといったイメージを持つ方もいますが、難消化性のオリゴ糖はその反対です。

消化されずに大腸まで届くということは、ビフィズス菌などの善玉菌を増やす働きを助けるということに繋がるため、よく見聞きする「お腹の調子を整える」という役割は難消化性のオリゴ糖の方なのです。

フラクトオリゴ糖とは?

オリゴ糖の正体が分かったところで、今回のテーマとなっているのはフラクトオリゴ糖という成分についてです。

フラクトオリゴ糖とは、玉ねぎやアスパラガス、ごぼうやバナナなどに含まれているオリゴ糖であり、ショ糖から作られます。

一般的な砂糖の30~60%の甘みを持ち、やさしい甘さを感じられます。フラクトオリゴ糖も難消化性のため、大腸へ届いてビフィズス菌の増殖を手助けします。

フラクトオリゴ糖以外にもオリゴ糖がある?

オリゴ糖と聞くと一つの種類しかないとイメージしがちですが、オリゴ糖にもいくつかの種類が存在します。まず先ほどご紹介したフラクトオリゴ糖をはじめ、大豆やマメ科植物に含まれる大豆オリゴ糖、食物繊維から作られるキシロオリゴ糖、砂糖ダイコンやビートから作られるラフィノース、牛乳や母乳に含まれるガラクトオリゴ糖、味噌やはちみつ、醤油などの発酵食品に含まれるイソマルトオリゴ糖などが主になるオリゴ糖の種類です。

ここで挙げたオリゴ糖はどれも難消化性のものが多いですが、基本となる「腸内環境を整える」、「便秘解消」、「免疫力を上げる」ことはどれも同じと言われています。種類は異なってもお腹に優しいことに変わりはありません。

フラクトオリゴ糖から得られる効果

上記で触れましたが、オリゴ糖は基本的に腸内のビフィズス菌を増やして腸内環境を良好にする他、ミネラルの吸収を助ける効果も期待されています。

また、虫歯の菌となるミュータンス菌のエサとなりにくい性質を持っているため、甘味でありながら虫歯の心配を軽減することもできます。

免疫力を高める点や、消化と吸収をされず大腸まで届くため、カロリーが気になる方にもピッタリです。更に分解されないフラクトオリゴ糖は血糖値を上げることもないため、インスリンの分泌に影響を与える心配もないのです。

また、脂質代謝の改善に役立ったり、便の臭いを抑える報告もされています。このように、徹底的にお腹の調子を満遍なく整えるフラクトオリゴ糖は、お腹の不調が気になる方に毎日摂取して欲しい成分と言えますね。

※赤ちゃんの腸内は母乳などを飲むことによってビフィズス菌が多い状態ですが、大人は人によって非常に少ない場合も多いのです。

大人では、バクテロイデスやクロストリディウムなどの悪玉菌が多く、ビフィズス菌は1~2割ぐらい、少ない人だと1%にも満たなくなります。このような悪玉菌は、免疫がしっかりしていればすぐに悪さをしませんが、体に有害な物質を少しずつ作ります。これは、肌荒れの原因だけでなく、長い時間をかけて大腸ガンなどの病気を引き起こします。

フラクトオリゴ糖で下痢やおならが頻繁に…副作用はあるの?

フラクトオリゴ糖を含めたオリゴ糖は、おならが頻繁に出るようになったり、お腹が緩く下痢になることで、オリゴ糖=副作用があるものと認識している方もいるでしょう。

しかし、オリゴ糖を摂取し続けて起こるおならなどは、むしろ体が改善に向かっている良好な状態です。

オリゴ糖が腸内に入ると炭酸ガスが増え、これがおならの原因となります。ただし、通常排出される有害菌のメタンガスではないため、炭酸ガスの場合は臭いをほぼ感じられません。

腸内が活発になってきたという証拠でもあるため、続けているうちにおならや下痢は収まってくるでしょう。

しかし、人や体調によっては症状が重く感じられる方もいます。そういった場合は、1日の適量である2~10gを数回の食事と一緒に分けて口にするか、摂取量を減らして続けてみましょう。数日間かけてオリゴ糖を体に慣らしていき、徐々に1日の摂取量へ到達するように工夫して摂取してみましょう。

フラクトオリゴ糖は不調の味方!

フラクトオリゴ糖についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。昔から体に良いと言われ続けてきたオリゴ糖は、摂り入れようとする積極性がなければ中々食事に浸透しないものです。種類を見ても様々な食品に入ってはいますが、不健康な食事や偏った食事をしている方は十分なオリゴ糖を摂取できていない方が多いため、お腹がどっしり重いという方や、お腹の健康を第一に考えたいという方は是非フラクトオリゴ糖を意識して摂取してみてくださいね。